衆院選投票先調査を読み解く:自民40%、中道13%の意味とは
はじめに
2026年1月27日公示、2月8日投開票の衆議院選挙を前に、各社の世論調査結果が出そろいつつあります。日本経済新聞社とテレビ東京が1月23〜25日に実施した調査では、投票先として自民党が40%、立憲民主党と公明党による新党「中道改革連合」が13%、国民民主党が9%、参政党と日本維新の会がそれぞれ7%という結果となりました。
今回の選挙は、高市早苗政権下での「保守」対「中道」という新たな構図で争われます。本記事では、世論調査の数字が意味するものと、各党の選挙情勢を詳しく分析します。
世論調査の全体像
自民党:前回同水準の40%
自民党への投票先は40%で、前回衆院選直前の2024年10月調査と同じ水準を維持しています。高市政権への高い支持率が背景にあります。NHKの調査(1月10〜12日)によると、高市内閣の支持率は「支持する」が62%、「支持しない」が21%と、安定した支持を得ています。
高市政権は「責任ある積極財政」を掲げ、経済成長と安全保障の強化を訴えています。この路線への期待が、自民党支持の底堅さにつながっているようです。
中道改革連合:立民・公明合計から6ポイント減
新党「中道改革連合」への投票先は13%でした。前回調査時の立憲民主党と公明党を合計した19%と比べると、6ポイントの減少となっています。
この数字は、新党結成に対する有権者の評価を反映しています。選挙ドットコムの調査では、立憲民主党と公明党が新党を結成したことについて「良くなかったと思う」が47.7%、「良かったと思う」が22.0%と、否定的な評価が上回りました。
国民民主党・参政党:若年層の支持が顕著
国民民主党は9%、参政党は7%と、一定の支持を集めています。特に注目されるのは、両党への若年層の支持の高さです。2025年5月の参院選投票先調査では、39歳以下で国民民主党が27%と自民党を上回り1位となりました。
選挙プランナーの松田馨氏は、参政党について「絶対伸びる」と予想し、比例を中心に30〜40議席に大幅増の可能性を指摘しています。
新党「中道改革連合」の誕生
自公連立解消から新党結成へ
中道改革連合の誕生には、複雑な政治的経緯があります。2025年10月、公明党は26年間続いた自民党との連立政権を解消しました。創価学会は、2023年11月に死去した池田大作名誉会長の3回忌に合わせ、「自民党が民衆からかい離した」として連立解消を事実上総括しました。
公明党は「中道改革」を掲げ、自民党との差別化を図りました。一方、野党第一党の立憲民主党も、中道勢力の結集に向けて公明党との連携を模索していました。
突然の解散で急展開
両党の連携構想が急転直下で「新党結成」に発展したのは、高市首相による解散総選挙の動きがきっかけです。2026年1月9日以降、解散風が強まる中、両党は選挙協力のあり方を検討しました。
当初は比例区での統一名簿も検討されましたが、公職選挙法上の制約から、新党結成に舵を切ることになりました。1月15日に合意、16日に新党名「中道改革連合」を発表、22日に結党大会という急ピッチで準備が進められました。
所属議員と理念
結党時点の所属国会議員は、立憲から144人、公明から引退する3人を除く21人の計165人です。野田佳彦氏と斉藤鉄夫氏が共同代表を務めます。
綱領では「対立をあおり、分断を深める政治ではなく、対立点を見極め、合意形成を積み重ねる中道政治」を掲げています。生活者ファーストの政策、新たな社会保障モデルの構築、現実的な外交・防衛政策などが柱となっています。
各党の選挙戦略
自民党:「与党で過半数」が目標
高市首相は「与党で過半数」を目標に掲げ、「内閣総理大臣としての進退をかける」と表明しています。連立を組む日本維新の会との協力体制で、政権維持を目指します。
高い内閣支持率を背景に、積極財政と安全保障強化という政策路線への信任を問う選挙戦となりそうです。
中道改革連合:野党結集の軸に
中道改革連合は、保守政権に対抗する「中道」の旗印を掲げます。しかし、立憲民主党と公明党という異質な政党の合流に対しては、有権者の間に戸惑いもあるようです。
選挙戦では、自民党との差別化と、新党の理念浸透が課題となります。
国民民主党:若年層への訴求
国民民主党は、若年層からの高い支持を強みに議席増を狙います。ただし、一部の支持層が自民党や参政党と重なっていることから、小選挙区では票が分散するリスクもあります。
参政党:保守票の受け皿に
参政党は、自民党より右の保守層の受け皿として存在感を高めています。比例区を中心に議席を大幅に伸ばす可能性が指摘されています。
選挙結果の3つのシナリオ
シナリオ1:自民勝利
高市政権への支持が選挙でも維持され、与党(自民党・日本維新の会)が過半数を確保するケースです。現時点の世論調査では、このシナリオが最も可能性が高いとされています。
シナリオ2:中道勝利
中道改革連合が予想以上の支持を集め、与野党の勢力が逆転するケースです。有権者の「政権交代」への期待が高まれば、可能性は否定できません。
シナリオ3:勢力拮抗
与野党いずれも過半数に届かず、第三極(国民民主党、参政党など)がキャスティングボートを握るケースです。連立交渉が複雑化する可能性があります。
注目すべきポイント
投票率の行方
選挙結果を左右する重要な要素の一つが投票率です。若年層の投票率が上がれば、国民民主党や参政党に追い風となる可能性があります。
無党派層の動向
「支持政党なし」と答える無党派層がどの党に流れるかも注目点です。選挙戦終盤の情勢次第で、大きく票が動く可能性があります。
小選挙区の接戦
比例代表での支持率と小選挙区での結果は必ずしも一致しません。各選挙区での候補者の顔ぶれや、野党間の選挙協力の成否が、議席数に大きく影響します。
まとめ
今回の衆院選は、高市保守政権と中道改革連合という新たな構図で争われます。世論調査では自民党が優位に立っていますが、新党「中道改革連合」の浸透度や、国民民主党・参政党への若年層の支持がどこまで議席に結びつくかが焦点となります。
2月8日の投票日まで情勢は流動的です。各党の選挙戦略と有権者の判断が、日本の政治の方向性を決めることになります。
参考資料:
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