りくりゅう愛用「うちのや」惣菜が売上10倍に急伸
はじめに
2026年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪で、フィギュアスケート・ペア種目において日本勢初の金メダルを獲得した「りくりゅう」こと三浦璃来・木原龍一ペア。その快挙が思わぬところにも波及効果をもたらしています。りくりゅうペアが海外遠征時に愛用していた常温惣菜ブランド「うちのや」に注文が殺到し、売り上げが一時約10倍に跳ね上がったのです。
アスリートの食事管理という地道な取り組みが、五輪金メダルという華やかな成果と結びついたことで、大きな話題を呼んでいます。本記事では、うちのやの惣菜がなぜアスリートに選ばれるのか、その製造技術の特徴、そしてスポーツ×食品ビジネスの可能性について詳しく解説します。
りくりゅうペアの歴史的金メダル
ショートプログラム5位からの大逆転
三浦璃来選手(2001年生まれ・兵庫県宝塚市出身)と木原龍一選手(1992年生まれ・愛知県東海市出身)は、2019年にペアを結成しました。9歳の年齢差がありながら、息の合った演技で世界トップレベルの実力を築き上げてきました。
ミラノ・コルティナ五輪では、ショートプログラムで首位から6.9点差の5位と出遅れました。しかし、フリースケーティングで圧巻の演技を披露し、世界歴代最高得点となる158.13点を記録。合計231.24点で2位に9.49点の大差をつけ、見事な逆転で金メダルをつかみました。
日本フィギュア界への貢献
この金メダルは、オリンピックのペア種目で日本勢が初めてメダルを獲得するという歴史的快挙でした。日本フィギュアスケート界では、2018年平昌大会の羽生結弦選手以来の金メダルとなり、競技への注目度を大きく高めました。
五輪後、りくりゅうペアはテレビ出演や雑誌取材が相次ぎ、週刊女性セブンや女性自身など多くのメディアで特集が組まれています。その中で、海外遠征中の食事として愛用している「うちのや」の惣菜が紹介されたことが、爆発的な注目を集めるきっかけとなりました。
「うちのや」とは何か
兵庫・西宮で創業した老舗惣菜メーカー
うちのやは、兵庫県西宮市で約50年前に創業した惣菜専門メーカーです。正式な社名は有限会社ウチノで、「ほんまに安心。ほんまに安全。ほんまにおいしい。お惣菜づくり」をモットーに掲げています。
もともと「uchipac(ウチパク)」というブランド名で常温惣菜を展開していましたが、「うちのや」にリブランディングを行いました。主食からスープ、おかずまでを常温で提供する「常温備食生活」という新しい食のスタイルを提案しています。
無添加・常温保存を実現する独自技術
うちのやの最大の特徴は、保存料や着色料、増粘剤、pH調整剤を一切使用せずに、常温で長期保存を可能にしている点です。その秘密は、40年以上にわたって培ってきた独自の製造技術にあります。
調理した惣菜を出来たてのまま真空パックし、高温加圧殺菌製法で完全に滅菌処理を施します。これにより雑菌・細菌がゼロの状態となり、食中毒菌の心配もありません。賞味期限は製造日から1年7カ月と長く、冷蔵庫に入れる必要がないため、保管場所を選びません。
累計販売数は500万パックを突破しており、Amazonではベストセラー商品にランクインするなど、以前から一定の支持を集めていました。「おもてなしセレクション金賞」も受賞するなど、品質面での評価も高い商品です。
アスリート支援と売上急増の背景
海外遠征の食事問題を解決
フィギュアスケートのペア種目は、国際大会が世界各地で開催されるため、選手は年間を通じて海外遠征を繰り返します。海外では日本食を手に入れることが難しく、体調管理や栄養バランスの維持が大きな課題です。
りくりゅうペアは約3年前から、うちのやの常温惣菜を海外遠征に携帯していました。常温保存が可能なため、クーラーボックスや冷蔵設備が不要で、スーツケースに入れて持ち運べます。さらに無添加であるため、アスリートが気にするドーピングや添加物の問題もクリアしています。
うちのやは2024年秋頃から、りくりゅうペアへの惣菜の無償提供を開始しました。約2年にわたってサポートを続け、同社代表は「金メダル獲得に役立っていればうれしい」とコメントしています。
SNSとメディアで拡散、注文が殺到
りくりゅうペアの金メダル獲得後、両選手がうちのやの惣菜を愛用しているという情報がSNSやネットメディアで一気に拡散しました。テレビ番組「シューイチ」(日本テレビ)でも紹介されるなど、メディア露出が急増しました。
その結果、うちのやの公式サイトへのアクセス数は通常の数十倍に急増。売り上げは一時、約10倍に跳ね上がりました。通販新聞の報道によると、デイリーベースでのアクセス数が数十倍に達し、新規顧客の獲得にも大きく貢献しているとのことです。
なお、りくりゅうペアの両家の母親同士がうちのやに連名の手紙を送るなど、選手と企業の間には温かい交流があることもスポーツ報知の取材で明かされています。
アスリートへの幅広い支援
うちのやは、りくりゅうペアだけでなく、空手の全日本ナショナルチーム選手やプロテニス選手など、さまざまなアスリートへの食事サポートを行っています。ドーピングや栄養管理に気を配る必要があるアスリートや、海外で活動する人々にとって、無添加かつ常温保存可能な惣菜は理想的な選択肢です。
同社は今後もアスリート支援を継続する方針を示しており、スポーツと食のつながりを重視した企業活動を展開しています。
注意点・展望
常温惣菜市場の成長可能性
うちのやの成功は、常温惣菜という市場カテゴリの成長可能性を示しています。近年、防災備蓄やローリングストック(備蓄品を日常的に消費しながら補充する方法)への関心が高まっています。農林水産省もローリングストックを推奨しており、常温で長期保存できる食品の需要は今後さらに拡大すると見込まれています。
また、単身世帯の増加や高齢化の進展に伴い、調理の手間なく栄養バランスの取れた食事を取りたいというニーズも増加しています。うちのやの商品は、こうした社会的なトレンドにも合致しています。
アスリートマーケティングの効果と持続性
今回の売上急増は、有名アスリートの「愛用品」として自然に広まった結果であり、従来型の広告とは異なる説得力があります。ただし、こうしたブームは一過性で終わる可能性もあります。うちのやにとっては、急増した新規顧客をリピーターとして定着させることが今後の課題です。
一方で、実際に3年間愛用していたという事実に裏打ちされた信頼性は、単なるタイアップ広告とは一線を画しています。商品の品質が伴っているからこそ、長期的な顧客獲得につながる可能性が高いといえます。
まとめ
りくりゅうペアのミラノ五輪金メダルをきっかけに、常温惣菜ブランド「うちのや」が脚光を浴びています。約50年の歴史を持つ惣菜メーカーが培った無添加・常温保存技術は、アスリートの海外遠征という厳しい環境でその真価を発揮しました。
売り上げが一時10倍に跳ね上がるという急成長は、品質の高い商品がアスリートの支持を得ることで生まれた、自然発生的なマーケティング効果の好例です。防災備蓄やローリングストックへの関心の高まりとも相まって、常温惣菜市場は今後さらなる拡大が期待されます。うちのやの公式オンラインショップやAmazonなどで購入できるため、気になる方はぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
参考資料:
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