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by nicoxz

ビットコイン急回復の背景 イラン有事で際立つ独自の強さ

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はじめに

2026年2月末に始まった米国・イスラエルによるイラン攻撃は、世界の金融市場に大きな衝撃を与えました。株式市場が下落し、原油が急騰する中で、意外にも力強い回復を見せたのがビットコインです。

一時6万3,000ドル台まで急落したビットコインは、わずか2週間あまりで約14%上昇し、7万5,000ドル台に到達しました。株式やゴールドを上回るパフォーマンスを記録し、「有事のビットコイン」という新たな評価が浮上しています。

本記事では、ビットコインがイラン紛争後に一人勝ちとなった背景と、さらなる上昇の素地となる米国の規制環境の変化について詳しく解説します。

イラン紛争後のビットコイン、なぜ急回復できたのか

24時間取引の構造的優位性

ビットコインの急回復を理解するには、まず暗号資産市場の構造的な特徴に注目する必要があります。米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始したのは土曜日でした。株式市場や債券市場が閉まっている中、唯一取引可能だった流動性の高い市場がビットコインだったのです。

このため、ビットコインは地政学リスクを最初に織り込んだ資産となりました。CoinDeskの分析によれば、開戦直後の売りは8.5%にとどまり、その後の反発は他のどの資産クラスよりも早く、力強いものでした。週明けに株式市場が大幅下落する一方、ビットコインはすでに回復基調に入っていたのです。

他資産との比較で際立つ強さ

開戦から約2週間で、各資産クラスのパフォーマンスには明確な差が生まれました。Bloombergの報道によると、原油は40%以上急騰し、MSCI世界株価指数は約4%下落、金も約5%のマイナスとなりました。一方でビットコインは約14%のプラスを記録しています。

特に注目すべきは、ビットコインがネガティブなニュースのたびに下落しながらも、そのたびにより高い安値を形成し、6万4,000ドルから7万ドル超の範囲で上昇トレンドを描いたことです。7万3,000〜7万4,000ドル付近のレジスタンスを突破し、一時7万5,000ドル台に到達しました。

「リデンプション・トレード」としてのビットコイン

投資家がビットコインを買い進めた背景には、「リデンプション・トレード(救済取引)」と呼ばれる動きがあります。地政学的な混乱がドルの信認を揺るがし、伝統的な金融システムへの不安が高まる中で、国家や中央銀行に依存しないビットコインの特性が再評価されたのです。

DL Newsの報道では、地政学的な逆風がむしろビットコインにとって追い風となり、投資家が暗号資産をヘッジ手段として積極的に活用し始めていると分析されています。

上昇を支える構造的な追い風

ETF資金流入の回復

2026年2月のイラン攻撃直後には、ビットコインETFから大規模な資金流出が発生しました。しかし3月に入ると状況は一変します。CoinDeskの報道によれば、機関投資家を中心に「押し目買い」が進み、スポットビットコインETFに約17億ドルの資金が流入しました。

その後も2週間連続で資金純流入が続き、ビットコイン価格が7万2,000ドルを超えた3月5日には1億5,500万ドルの流入を記録しています。年初からの累計では依然として流出超過の状態ですが、トレンドの転換は明確です。

米国の規制環境が劇的に改善

ビットコインの中長期的な上昇を支えるもう一つの柱が、米国における暗号資産規制の進展です。2025年4月にポール・アトキンス氏がSEC(米証券取引委員会)委員長に就任して以降、暗号資産業界に対する姿勢は大きく転換しました。

具体的には、2025年半ばに「GENIUS法」が成立し、ステーブルコインに対する連邦レベルの規制枠組みが整備されました。さらに2026年1月にはSECが「イノベーション免除制度」を発表し、暗号資産スタートアップがより軽い規制のもとで新製品をテストできる環境が整いつつあります。

上院銀行委員会では「CLARITY法」の審議が進んでおり、2026年前半には本会議での議論に入る可能性があります。この法案が成立すれば、デジタル資産の法的分類がより明確になり、機関投資家の参入障壁がさらに低下すると期待されています。

戦略的ビットコイン準備金の創設

2026年3月、米国政府はビットコイン戦略準備金(Strategic Bitcoin Reserve)の枠組みを正式に発表しました。連邦政府は推定約32万8,000BTCを保有しており、世界最大の国家保有者となっています。

シンシア・ルミス上院議員が推進した「BITCOIN法」では、財務省が5年間で最大100万BTCを取得することが義務付けられています。最低20年間の保有が法定要件として定められており、ビットコインを国家の金融インフラとして位置づける動きが本格化しています。

テキサス州やニューハンプシャー州など、州レベルでも独自のビットコイン準備金を設立する動きが広がっており、制度面からの需要拡大が続いています。

注意点・今後の展望

楽観一辺倒にはリスクも

ビットコインの回復基調は力強いものですが、注意すべき点もあります。まず、イラン紛争が長期化・激化した場合、リスク資産全体が売られる局面でビットコインも巻き込まれる可能性は否定できません。過去の分析では、2025〜2026年の地政学ストレス局面で金が8.6%上昇した一方、ビットコインは6.6%下落した局面もあり、「デジタルゴールド」としての機能はまだ完全には確立されていません。

また、年初からのETF累計フローは依然として流出超過であり、本格的な資金流入トレンドへの転換にはもう少し時間がかかる可能性があります。

アナリストの価格見通し

それでも中長期的な見通しは概ね楽観的です。Grayscaleのレポートでは、2026年前半に新たな最高値を記録する可能性が指摘されています。複数のアナリストは、2026年末までにビットコインが13万〜20万ドルの範囲で取引される可能性があると予測しています。

規制の整備、ETFを通じた機関投資家の参入拡大、そして戦略準備金による需要の底上げが、価格上昇の三本柱として機能する構図です。

まとめ

イラン紛争という地政学的ショックの中で、ビットコインは株式や金を上回るパフォーマンスを記録し、24時間取引可能な流動性資産としての独自の価値を改めて示しました。開戦後の約14%の上昇は、単なる投機的な動きではなく、ETF資金の回復、米国の規制整備、戦略準備金の創設という構造的な要因に支えられています。

2025年秋以降の下落局面を経て、ビットコインに「春の足音」が聞こえ始めているのは確かです。ただし、中東情勢の行方や短期的な価格変動リスクには引き続き注意が必要です。投資判断を行う際は、最新の情報を確認しながら慎重に検討することをおすすめします。

参考資料:

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