Research
Research

by nicoxz

2026年4月から防衛増税開始、家計と企業への影響

by nicoxz
URLをコピーしました

はじめに

2026年4月、防衛力強化のための増税がいよいよ始まります。まず対象となるのは「たばこ税」と「法人税」の2つです。加熱式たばこは大手メーカーの銘柄で1箱あたり20〜50円の値上げ、法人税には基準税額に対して4%の付加税が課されます。さらに2027年1月からは所得税にも1%の付加税が新設されます。

この防衛増税は、日本の安全保障環境の変化を受けて防衛費をGDP比2%に引き上げるための財源確保策として決定されたものです。本記事では、各税目の具体的な変更内容と、家計や企業経営への影響を詳しく解説します。

たばこ税:加熱式たばこの税負担が大幅増

2段階での引き上げ

たばこ税の増税は、2026年4月と10月の2回に分けて実施されます。最大のポイントは、加熱式たばこの課税方式の見直しです。

従来、加熱式たばこは「重量」と「価格」の両方をもとに紙巻きたばこに換算して課税されていましたが、今回の改正で「重量のみ」に基づく課税方式に変更されます。この変更により、これまで紙巻きたばこより低かった加熱式たばこの税負担が、紙巻きたばこと同水準に引き上げられます。

銘柄別の値上げ幅

加熱式たばこの値上げ幅は銘柄によって異なり、1箱(20本)あたり計40〜90円程度の増税となります。主要銘柄では、IQOSイルマ用の「テリア」「センティア」シリーズや、「マールボロ」ヒートスティックなどが1箱あたり20〜40円程度値上がりする見込みです。

現在500円台半ばの価格帯が500円台後半〜600円台に上昇することになり、喫煙者にとっては年間で数千円〜1万円超の負担増となります。

2027年以降のさらなる増税

たばこ税の増税はこれで終わりではありません。2027年〜2029年にかけて、毎年4月に1本あたり0.5円ずつ、3段階で追加増税が行われます。3年間の合計で1箱あたり約30円の値上がりとなり、加熱式たばこの課税方式変更と合わせると、2029年までに1箱あたり最大100円以上の値上がりとなる銘柄も出てきます。

法人税:防衛特別法人税の新設

課税の仕組み

2026年4月1日以後に開始する事業年度から、「防衛特別法人税」が新設されます。具体的には、通常の法人税額(基準法人税額)から500万円を控除した金額に対して4%を付加する仕組みです。

この500万円の控除枠があるため、法人税額が500万円以下の企業には課税されません。留保金課税や税額控除を考慮しない場合、課税所得が約2,400万円までの企業は実質的に負担が生じない設計となっています。

中小企業への影響

控除枠の設定により、小規模な中小企業への直接的な影響は限定的です。しかし、課税所得が2,400万円を超える中堅・大企業にとっては、新たな税負担が発生します。

例えば、課税所得が1億円の企業の場合、法人税額は約2,300万円(税率23.2%)となり、500万円を控除した1,800万円に対して4%、つまり72万円の追加負担が生じます。大企業にとっては利益に対する実質的な税負担率が上がることになり、投資判断や人件費配分にも影響を及ぼす可能性があります。

所得税:2027年1月から付加税新設

復興特別所得税との関係

所得税については、2027年1月から「防衛特別所得税」(仮称)として税額に1%が付加されます。同時に、現在2.1%の復興特別所得税が1.1%に引き下げられるため、付加税率の合計は2.1%のまま変わりません。

つまり、毎年の給与明細上の税負担は変わらないように見えます。しかし、重要なのは復興特別所得税の課税期間が延長される点です。当初2037年までとされていた復興特別所得税は、税率引き下げ分を補うために2052年頃まで延長される見通しです。長期的にみれば、25年間にわたり1%の追加負担が続くことになります。

家計への影響シミュレーション

年収500万円の会社員(独身)の場合、所得税額は約15万円です。2027年以降、毎年の負担額自体は変わりませんが、復興特別所得税の課税期間が約15年延長されることで、生涯の総負担額は約20万〜30万円程度増加すると試算されます。

注意点・展望

防衛増税の3税目合計で、年間約1兆円の税収増が見込まれています。しかし、防衛費の増額に必要な財源は年間約4兆円であり、残りは歳出改革や決算剰余金の活用、税外収入で賄う計画です。

今後の安全保障環境次第では、さらなる増税が議論される可能性も否定できません。特に、米国のトランプ政権がNATO同盟国にGDP比5%の防衛費を求めている状況下で、日本に対しても追加的な負担増を求められる可能性があります。

また、加熱式たばこの増税は喫煙者の行動変容を促す可能性があります。禁煙に踏み切る人が増えれば、たばこ税収は想定を下回る可能性もあり、中長期的な財源確保の安定性には不透明さが残ります。

企業にとっては、防衛特別法人税への対応として、税務計画の見直しが必要です。特に3月決算の企業は2026年4月からの新事業年度で直ちに影響を受けるため、早期の準備が求められます。

まとめ

2026年4月から始まる防衛増税は、たばこ税(加熱式たばこの20〜50円値上げ)と法人税(4%付加税)が先行し、2027年1月に所得税(1%付加税)が続きます。家計への直接的な影響は喫煙者を中心に生じ、企業は法人税の追加負担への対応が必要です。

安全保障環境の変化に伴う防衛費増額は避けられない課題ですが、国民負担の増加も確実に進んでいます。各自の家計や経営に与える影響を把握し、早めの対策を講じることが重要です。

参考資料:

関連記事

最新ニュース