家庭のかくれ資産91兆円、不用品を賢く現金化する方法
はじめに
自宅のクローゼットや押し入れに、何年も使っていない服や家電が眠っていないでしょうか。メルカリが2025年11月に発表した「2025年版 日本の家庭に眠る”かくれ資産”調査」によると、日本全国のかくれ資産の総額は推計約91兆円にのぼり、国民一人あたり平均約71.5万円に達しています。リユース市場の拡大とフリマアプリの普及により、かつてはゴミとして捨てられていた不用品が思わぬ「お宝」に変わる時代が到来しています。
本記事では、かくれ資産の最新調査データをもとに、不用品を賢く現金化するための具体的な方法と、フリマアプリや買取業者の使い分けのコツを解説します。
かくれ資産の実態と急拡大の背景
91兆円市場の内訳
メルカリとニッセイ基礎研究所の共同調査によると、かくれ資産の総額は年々拡大を続けています。2018年の調査開始時には約37兆円だった総額が、2023年には約66兆円、そして2025年には約91兆円へと大幅に増加しました。国民一人あたりの金額も、2018年の約28万円から2025年には約71.5万円へと2.5倍以上に膨らんでいます。
カテゴリ別に見ると、ファッション用品が全体の約33.6%と最も大きな割合を占めています。次いでホビー・レジャーが約22.2%、書籍・音楽・ゲームが約21.2%、家具・家電・小物が約20.0%、美容・健康グッズが約2.9%と続きます。
年代・地域による違い
年代別では、60代の平均かくれ資産が100万円を超えており、20代の平均約48.8万円の約2倍に達しています。長年の生活で蓄積された不用品が、そのまま大きな潜在的価値を持っているといえます。
地域別のランキングでは、1位が中部地方、2位が近畿地方、3位が中国・四国地方という結果になっています。住居の広さや持ち家率の違いが、保管できる不用品の量に影響していると考えられます。
かくれ資産が拡大する社会的背景
かくれ資産が拡大している背景には、いくつかの要因があります。まず、フリマアプリの普及によって中古品の相場が可視化され、以前は「価値がない」と思われていたものにも値段がつくようになりました。また、サステナビリティへの意識の高まりにより、「捨てるよりも活かす」という消費行動が広がっています。さらに物価高の影響で、新品ではなく割安なリユース品を求める消費者が増えたことも、中古品全体の需要を押し上げています。
フリマアプリと買取業者の賢い使い分け
フリマアプリのメリットと注意点
メルカリやラクマなどのフリマアプリは、個人間で直接取引できるため、買取業者に比べて高い価格で売却できる可能性があります。人気商品であれば定価の50%から70%程度で取引されるケースもあるとされています。
ただし、フリマアプリには手間とコストがかかります。商品の撮影、説明文の作成、購入者とのやり取り、梱包、発送といった一連の作業を自分で行う必要があります。販売手数料(多くのアプリで約10%)と送料も考慮しなければなりません。
フリマアプリが特に向いているのは、コレクター需要のある限定品やブランド品です。特定のファンやコレクターがいるアイテムは、その価値を理解してくれる個人に直接売れるため、適正な市場価格での取引が期待できます。スニーカーやトレーディングカード、フィギュアなどはその好例です。
買取専門業者の活用法
一方、買取専門業者は手間をかけずに不用品を現金化したい場合に適しています。店舗に持ち込むか、出張買取や宅配買取を利用するだけで、査定から支払いまでを一括で対応してもらえます。
大量の不用品をまとめて処分したい場合や、大型の家具・家電など梱包や発送が困難な品物については、買取業者のほうが効率的です。専門業者であれば、ブランド品やジュエリー、時計などの真贋判定も確実に行ってもらえるため、偽物をつかまされるリスクもありません。
リユース市場全体を見ると、2024年の国内リユース市場規模は前年比約4.5%増の約3兆2,628億円に達しており、2009年以降15年連続で拡大を続けています。特に店舗販売(BtoC)は前年比約8.2%増と好調を維持しており、買取専門店の存在感が増しています。
品物ごとの最適な売却先
不用品を最大限に活かすには、品物の特性に応じて売却先を使い分けることが重要です。
ブランド品や限定スニーカーなど、コレクター需要が高いものはフリマアプリが有利です。スニーカーの場合、スニーカーダンク(スニダン)のような専門アプリでは鑑定サービスも提供されており、偽物リスクを軽減しながら適正価格での取引が可能です。2026年はニューバランスの「992」生誕20周年やアディダスの「サンバ」人気など、特定モデルの需要が高まっているとされています。
書籍やゲームソフトなど単価の低い商品は、まとめて買取業者に持ち込むほうが効率的です。1点ずつフリマアプリで出品する手間を考えると、多少買取価格が下がっても時間対効果では買取業者に軍配が上がります。
家具や家電など大型の不用品は、出張買取サービスの利用がおすすめです。自力での梱包・発送が難しいうえ、送料も高額になるため、フリマアプリでは利益が出にくいケースが多くなります。
不用品を高く売るための実践的なコツ
出品時のポイント
フリマアプリで不用品を高く売るためには、いくつかのコツがあります。まず、写真は明るい場所で複数の角度から撮影し、商品の状態がよく分かるようにすることが大切です。傷や汚れがある場合も正直に撮影・記載することで、購入者からの信頼を得られます。
商品説明にはブランド名、サイズ、購入時期、使用頻度、商品の状態を詳しく記載しましょう。検索で見つけてもらいやすくなるだけでなく、購入後のトラブル防止にもつながります。
価格設定では、同じ商品の過去の取引価格を参考にすることが重要です。手数料と送料を差し引いた後の手取り額を計算してから出品価格を決めましょう。
付属品の重要性
特に限定モデルやコラボ商品の場合、外箱、保証書、付属品の有無が査定額に大きく影響します。スニーカーであれば外箱や替え紐、タグ、購入時のレシートなどを保管しておくことで、査定額が大幅に変わる可能性があります。日頃から「いつか売るかもしれない」という意識を持って付属品を保管しておくことが、かくれ資産を最大化する秘訣です。
注意点・展望
よくある失敗と注意点
不用品の売却にあたっては、いくつかの注意点があります。まず、フリマアプリでの個人間取引では、商品の状態に関する認識の違いからトラブルになるケースがあります。「美品」の基準は人によって異なるため、客観的な状態説明を心がけましょう。
また、ブランド品の売買では偽物のリスクにも注意が必要です。購入時は鑑定サービスのあるプラットフォームを利用し、出品時は正規品である証明(購入店のレシートや証明書)を添付することが望ましいです。
確定申告の観点では、生活用品の売却益は基本的に非課税ですが、転売目的での継続的な売買や、1点30万円を超える貴金属・宝石類の売却は課税対象となる場合があります。
リユース市場の今後
リユース市場は2030年には4兆円を超える規模に成長するとの見通しがあります。一方で、フリマアプリ(CtoC)の成長率は鈍化傾向にあり、2024年は前年比約1.4%増にとどまっています。今後はAIを活用した自動査定や、店舗とオンラインを融合したオムニチャネル型のリユースサービスが主流になっていく可能性があります。
まとめ
日本の家庭に眠るかくれ資産は約91兆円、一人あたり約71.5万円という調査結果は、多くの人にとって驚きの数字ではないでしょうか。クローゼットの奥に眠る服やシューズ、使わなくなった家電やゲーム機が、思わぬ臨時収入をもたらす可能性があります。
まずは自宅の不用品を棚卸しし、フリマアプリの相場を調べてみることから始めてみてはいかがでしょうか。コレクター向けの限定品はフリマアプリで、大量の不用品や大型品は買取業者で、と品物に応じた使い分けが現金化を最大化するポイントです。不用品を「ゴミ」ではなく「資産」として捉え直すことが、家計改善の第一歩になるかもしれません。
参考資料:
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