日経平均が急反発、中東緩和と日米会談が焦点に
はじめに
2026年3月18日、東京株式市場で日経平均株価が急反発し、一時1400円を超える上昇を記録しました。3月に入ってから中東情勢の悪化を受けて5000円超の大幅下落を経験していた日経平均ですが、ホルムズ海峡を通る原油輸送の再開が確認されたことで、過度な警戒感が後退しています。
一方で、翌19日には高市首相とトランプ大統領の日米首脳会談が控えており、今回の反発が持続的な回復につながるかは不透明です。本記事では、急反発の背景と今後の注目ポイントを整理します。
3月の大幅下落と反発の背景
中東情勢悪化がもたらした急落
2月28日に米国とイスラエルがイランへの攻撃を実施して以降、中東情勢は一段と緊迫化しました。3月2日にはホルムズ海峡が実質的に封鎖されたとの見方が広がり、原油価格の急騰とリスク資産の大幅な売りにつながりました。
日本は輸入原油の約9割をホルムズ海峡経由で調達しているため、影響は特に深刻です。3月9日には日経平均が前週末比2892円安の5万2728円で取引を終え、下落幅は歴代3位を記録しました。WTI原油先物が一時119ドル台に迫る局面では、日経平均が一時4200円超の急落を見せる場面もありました。
ホルムズ海峡の通航再開が転機に
3月17日、ハセット米国家経済会議(NEC)委員長がホルムズ海峡をタンカーが通過し始めていると発言しました。これを受けて原油供給に対する過度な警戒感が後退し、投資家心理が改善しています。
市場の恐怖指数であるVIX指数も続落しており、ショック的な売りの局面からは脱しつつあるとの見方が広がっています。18日の東京市場では、寄り付きから448円高でスタートした後、午前中に上げ幅を拡大。午前の終値は前日比1198円(2.23%)高の5万4898円となり、午後にはさらに上げ幅を広げて一時1400円超高を記録しました。
日米首脳会談の行方と市場への影響
翌日に控える高市・トランプ会談
3月19日には、高市首相が就任後初めて訪米し、トランプ大統領との首脳会談に臨みます。安全保障や経済など幅広い分野で日米連携の強化が図られる見通しです。
特に注目されるのが、中東情勢への対応です。高市首相は米国産原油の輸入拡大を伝達する方針を固めており、アラスカ州での原油増産に日本が投資で協力し、その原油を輸入する案が検討されています。ホルムズ海峡リスクを踏まえた中東依存度の低減策として、市場にはポジティブに受け止められる可能性があります。
トランプ政権からの要求に警戒感
一方で、会談の焦点はトランプ大統領からの要求にどう対応するかです。ホルムズ海峡での艦船派遣要求や、関税をめぐる交渉が懸念材料として挙げられています。外務省内では複数の要求シナリオに対する想定問答の準備が進められているとされています。
市場では、対米投融資に絡む銘柄群への期待が高まる場面もありますが、トランプ政権からの無理難題に対する警戒感も根強く、全体相場の持続的なラリーにはつながりにくいとの見方もあります。
注意点・今後の展望
今週は日米首脳会談に加えて、米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合という主要な金融イベントが集中しています。18日には米国の2月生産者物価指数(PPI)も発表予定で、1月分は市場予想を上振れ、関税転嫁が進んでいることが示唆されていました。
今回の反発はあくまで中東リスクの「過度な警戒」が後退したことによるもので、地政学リスク自体が解消されたわけではありません。ホルムズ海峡の通航が安定的に継続するかや、イラン情勢の今後の展開次第では再び売りが強まる可能性も残されています。
野村證券は2026年末の日経平均見通しを6万円としていますが、中東情勢が長期化した場合には4万6000円から5万3000円のレンジにとどまるとのシナリオも示されています。
まとめ
3月18日の日経平均急反発は、ホルムズ海峡のタンカー通過再開という具体的な好材料がきっかけとなりました。3月の5000円超の下落局面からの底入れ期待が広がりつつありますが、翌日の日米首脳会談やFOMC、日銀会合など、今週は重要イベントが目白押しです。
投資家としては、中東情勢の推移と首脳会談の結果を見極めつつ、慎重に判断する局面です。短期的なリバウンドに飛びつくのではなく、原油価格や為替動向を含めた複合的な視点で市場環境を分析することが重要です。
参考資料:
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