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by nicoxz

米潜水艦がイラン軍艦を魚雷で撃沈、第二次大戦以来初

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はじめに

2026年3月4日、ヘグセス米国防長官とケイン統合参謀本部議長は記者会見を開き、米海軍の攻撃型潜水艦がインド洋においてイラン海軍のモッジ級フリゲート艦「デナ(IRIS Dena)」をMk-48魚雷1発で撃沈したことを明らかにしました。ヘグセス長官は「第二次世界大戦以来初めての魚雷による敵艦撃沈だ」と述べ、この攻撃の歴史的意義を強調しています。撃沈はスリランカ南方約40海里の公海上で発生し、乗員約180名のうち少なくとも80名以上が死亡、32名がスリランカ海軍によって救助されました。本記事では、この事件の詳細と、米イラン紛争という大きな文脈における位置づけを解説します。

撃沈の経緯と詳細

フリゲート艦「デナ」とは

撃沈されたイラン海軍のフリゲート艦「デナ」は、イラン国産のモッジ(Moudge)級フリゲート艦の一隻です。排水量は約1,300〜1,500トン、全長94メートル、全幅11メートルで、イラン製「ボニヤン4」エンジン4基(合計出力2万馬力)を搭載し、最大速度30ノット(時速約56キロメートル)の性能を持っていました。

武装面では、カデル対艦ミサイル4発、76mm艦砲「ファジュル27」、40mm対空機関砲「ファトフ40」、2基のエリコン20mm機関砲、12.7mm重機関銃、533mm三連装魚雷発射管などを備えていました。さらに、イラン海軍として初めて垂直発射システム(VLS)を搭載し、360度をカバーする射程300キロメートルの「アスル」レーダーを装備するなど、イラン海軍の中でも最新鋭の艦艇でした。ヘリコプター発着甲板も有しており、イラン海軍の遠洋作戦能力の象徴的な存在だったといえます。

撃沈の状況

米国防総省の発表によれば、攻撃は2026年3月4日の早朝に実施されました。米海軍の攻撃型潜水艦(ファストアタック・サブマリン)がMk-48 ADCAP(Advanced Capability)魚雷1発を発射し、「デナ」を「効果的に無力化」しました。

ヘグセス長官は記者会見で「米国の潜水艦が、国際水域にいれば安全だと思っていたイラン軍艦を撃沈した。代わりに魚雷によって沈められたのだ」と述べました。また、米軍はこの攻撃の映像を公開しており、爆発の瞬間が確認できます。

「デナ」はベンガル湾での海軍演習に参加した後、インド洋を航行中だったとされています。スリランカのゴール市南方約40海里の公海上で救助信号を発した後、海中に沈没しました。

Mk-48魚雷の威力

今回使用されたMk-48 ADCAP魚雷は、米海軍が保有する最も強力な潜水艦発射型重魚雷です。重量約1,680キログラム、全長約5.8メートル、直径533ミリメートルで、約295キログラムの高性能炸薬弾頭を搭載しています。ポンプジェット推進により水中速度は時速80キロメートル以上に達し、射程は低速時で最大約50キロメートルとされています。

Mk-48魚雷の対水上艦攻撃では、艦艇の竜骨(キール)の直下を通過して起爆する方式が採用されています。爆発で生じる巨大な圧力泡が船体を持ち上げ、キールを折断することで艦艇の「背骨」を破壊します。排水量1,300〜1,500トン級の「デナ」にとって、この攻撃は致命的だったと考えられます。

背景:米イラン紛争の激化

「エピック・フューリー作戦」の全体像

今回の撃沈は、単独の軍事行動ではなく、2026年2月28日に開始された米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦の一環として発生しました。米国側は「エピック・フューリー作戦(Operation Epic Fury)」、イスラエル側は「ローリング・ライオン作戦(Operation Roaring Lion)」と呼称するこの共同軍事作戦は、テヘラン、イスファハン、コム、カラジ、ケルマンシャーなどイラン国内の複数都市を標的としました。

この作戦において、イランの最高指導者アリー・ハメネイ師の司令部が破壊され、ハメネイ師本人が死亡しました。ハメネイ師の娘、娘婿、孫も犠牲となり、妻も3月2日に負傷により死亡が確認されています。さらに、元国家安全保障最高評議会書記のアリー・シャムハニ氏をはじめ、複数のイラン高官も殺害されました。

ヘグセス長官が「トランプ大統領の暗殺部隊も殺害した」と述べたのは、イランの対外工作機関や特殊部隊の要員を指すものと見られ、米国はイランによるトランプ大統領暗殺計画の存在を繰り返し主張してきた経緯があります。

イラン海軍への集中攻撃

海上戦力に対する攻撃も大規模に展開されています。米中央軍(CENTCOM)によれば、3月4日時点でイラン海軍の艦船20隻以上が攻撃・撃沈されており、イランの「最も作戦能力の高い」潜水艦も破壊されたとされています。トランプ大統領自身も、イラン海軍の艦船9隻を破壊し沈めたとSNSに投稿しています。

「デナ」の撃沈は、この海上作戦の中でも特に象徴的な出来事でした。なぜなら、潜水艦による魚雷攻撃で敵艦を撃沈するのは、1982年のフォークランド紛争で英原子力潜水艦「コンカラー」がアルゼンチン巡洋艦「ヘネラル・ベルグラーノ」を撃沈して以来のことだからです。米海軍の潜水艦に限れば、第二次世界大戦以来約80年ぶりの戦果となります。

イランの報復と紛争の拡大

イランは「真の約束IV作戦(Operation True Promise IV)」と名付けた報復攻撃を実施しました。500発以上の弾道ミサイルと2,000機以上のドローンをペルシャ湾全域に向けて発射し、イスラエルのほか、ヨルダン、クウェート、バーレーンの米軍基地を攻撃しました。さらに、リヤドの米国大使館がイラン製ドローンの攻撃を受けるなど、紛争は中東全域に拡大しています。

国際社会の反応と今後の展望

国際社会の反応

国連安全保障理事会は2月28日に緊急会合を招集しました。会合では米国とイランが互いを非難し合い、他の理事国からは双方に自制を求める声が相次ぎました。グテレス国連事務総長は米イスラエルの攻撃とイランの報復をともに非難し、「交渉の機会が無駄になったことは遺憾だ」と表明しています。

ロシアと中国は米イスラエルの攻撃を国際法違反として強く非難しました。一方、米国とイスラエルはイランの核兵器保有を阻止するための自衛的措置だと正当化しています。

スリランカは今回の事件において人道的な立場を取り、海軍報道官は「インド洋における我が国の捜索救助区域内で発生した遭難信号に対し、国際的な義務に基づいて対応した」と述べています。救助された32名の生存者はゴール市のカラピティヤ教育病院に搬送され、衰弱や爆発に関連した負傷の治療を受けています。

経済的影響

この紛争は世界経済に深刻な影響を及ぼしています。原油・天然ガス価格の急騰、航空・観光業の広範な混乱、株式市場の下落、金融市場のボラティリティ上昇など、多方面にわたる経済的打撃が報告されています。ペルシャ湾を通る海上交通路の安全性に対する懸念が高まっており、エネルギー供給への長期的な影響が懸念されています。

今後の見通し

紛争は2026年3月上旬の時点で継続しており、軍事作戦は依然として活発に行われています。ハメネイ師の死亡によりイランの指導体制に空白が生じていますが、報復攻撃の規模を見る限り、イランの軍事的対応能力は維持されています。今回の潜水艦による撃沈は、米軍がインド洋という広大な海域においてもイラン海軍を追跡・攻撃する能力を有していることを示しており、イラン海軍の行動範囲は大幅に制約される可能性があります。

まとめ

米海軍の攻撃型潜水艦によるイラン海軍フリゲート艦「デナ」の撃沈は、第二次世界大戦以来初の魚雷による敵艦撃沈という歴史的事態であり、2026年の米イラン紛争における象徴的な出来事となりました。この事件は、2月28日に始まった米国・イスラエルによるイランへの大規模軍事作戦の一環であり、最高指導者ハメネイ師の殺害を含む一連の攻撃と一体のものです。少なくとも80名以上のイラン海軍将兵が犠牲となり、紛争の人的被害の深刻さを改めて浮き彫りにしています。国際社会は双方に自制を求めていますが、紛争の終結に向けた具体的な道筋はいまだ見えていません。今後の情勢の推移を注視する必要があります。

参考資料

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