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by nicoxz

四大監査法人のIPOシェアが過去最低の45%に低下

by nicoxz
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はじめに

日本のIPO(新規株式公開)市場で、監査法人の勢力図に大きな変化が起きています。2025年にIPOを果たした企業のうち、EY新日本、トーマツ、PwCジャパン、あずさの「ビッグ4」と呼ばれる四大監査法人が監査を担当した割合は45%にとどまり、過去最低を更新しました。

2017年まで約9割のシェアを誇っていた四大法人がわずか数年で半数を割り込んだ背景には、会計士の深刻な人手不足と、大型案件への経営資源の集中があります。代わりに台頭しているのが準大手・中小監査法人です。IPO監査市場の構造変化を詳しく解説します。

四大監査法人のシェア急落

2025年のIPO監査実績

2025年のIPO企業数は66社で、このうち四大監査法人が担当したのは合計30社でした。内訳はEY新日本が15社と最多で、PwCジャパンが7社、トーマツが6社、あずさが2社となっています。シェア45%は、四大法人がIPO監査を事実上寡占していた時代の終わりを象徴する数字です。

2024年時点で四大法人のIPOシェアは約50%でしたが、そこからさらに5ポイント低下しました。2017年の約9割と比べれば、わずか8年で半分以下にまで縮小した計算になります。

シェア低下の構造的要因

四大法人のシェア低下には複数の要因が絡み合っています。最大の要因は公認会計士の人手不足です。監査業務の品質管理強化が求められる中、シニアクラス以下の人員が慢性的に不足しており、新規のIPO監査案件を受注する余力が限られています。

また、IPO監査は上場企業の監査と比べて利益率が低い傾向があります。四大法人はコストに見合わない小規模案件を絞り込み、より収益性の高い上場企業の監査に経営資源を集中させる戦略を採っています。

準大手・中小監査法人の台頭

太陽監査法人がトップに

四大法人に代わって存在感を急速に高めているのが準大手監査法人です。2025年のIPO監査では太陽監査法人が14社を担当し、担当社数で四大法人の個別実績を上回ってトップに立ちました。準大手がIPO監査社数で首位になるのは史上初の快挙です。

太陽監査法人の躍進の背景には、中小企業への対応力の高さがあります。四大法人が受注を絞る中で、成長企業に対するきめ細かなサービスと機動力のある対応が評価されています。

中小法人のシェアも急伸

中小監査法人のシェアも過去最高水準に達し、4割弱にまで急伸しました。ESネクスト(2020年設立、4社担当)、史彩(2017年設立、3社担当)、新月(2010年設立、3社担当)といった比較的新しい監査法人が存在感を示しています。

これらの新興法人は、四大法人や準大手が対応しきれないIPO準備企業のニーズを受け止める形で急成長しています。中小法人の台頭は、IPO監査市場の裾野の広がりを示す現象です。

大型IPOへのシフトという戦略

四大法人の選別受注

四大法人はIPO社数のシェアでは後退していますが、大型案件では依然として圧倒的な存在感を維持しています。東証プライムに上場する企業のIPO監査は、ほぼ四大法人か太陽が担当しており、上場市場のランクが上がるほど大手法人への依存度は高くなります。

特に注目されるのは、大企業が非中核事業を切り離す形で実施する大型IPOです。親会社の監査を担当する四大法人が、子会社の上場監査も引き受けるケースが多く、この分野では四大法人の強みが発揮されています。

量より質への転換

四大法人の戦略は「量より質」への明確なシフトです。IPO社数では中小法人にシェアを譲りつつも、時価総額ベースでは高い割合を維持しています。監査品質の確保と収益性の向上を両立させるためには、案件の選別は合理的な経営判断ともいえます。

注意点・展望

この市場構造の変化にはリスクも伴います。中小監査法人の急速な拡大に伴い、監査品質の維持が課題となる可能性があります。IPO後に会計不正が発覚するケースが増えれば、中小法人への信頼性に疑問が投げかけられることも考えられます。

金融庁や日本公認会計士協会は、監査法人の規模にかかわらず品質管理体制の強化を求めており、今後は監査品質のモニタリングが一層重要になるでしょう。

一方で、IPO監査の担い手が多様化すること自体は市場の健全な発展につながります。企業にとっては監査法人の選択肢が広がり、競争原理が働くことでサービスの質と価格の両面で改善が期待できます。

まとめ

四大監査法人のIPOシェアが過去最低の45%となった背景には、会計士不足と大型案件へのシフトという構造的な変化があります。代わりに太陽監査法人がトップに立ち、中小法人のシェアも急伸するなど、IPO監査市場の勢力図は大きく塗り替わりました。

今後は監査品質の維持と市場の多様化のバランスが焦点になります。IPOを目指す企業にとっては監査法人選びの重要性がさらに増しており、各法人の特徴と強みを見極めた判断が求められています。

参考資料:

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