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by nicoxz

みずほ銀が楽天証券と銀行代理業で若年層の口座獲得へ

by nicoxz
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はじめに

楽天証券は2026年3月10日、みずほ銀行を所属銀行とする銀行代理業務を開始しました。楽天証券のウェブサイトから、みずほ銀行の円普通預金口座の開設手続きが可能になります。

この提携の狙いは明確です。楽天証券が抱える1,100万口座超の顧客基盤、とりわけ若年層にみずほ銀行の預金口座を広げることです。メガバンク各行がネット証券との連携を強化するなか、みずほとしても若年層へのリーチを一気に拡大できる施策といえます。

本記事では、今回の銀行代理業開始の背景と具体的なサービス内容、さらにメガバンク各行のデジタル戦略競争について解説します。

銀行代理業の具体的な内容

サービスの仕組み

今回開始された銀行代理業では、楽天証券の顧客が証券口座の利用環境のなかで、みずほ銀行の口座開設に関する情報を確認できます。楽天証券のウェブサイトからみずほ銀行の口座開設サイトへスムーズに移動し、円普通預金口座を開設できる仕組みです。

口座開設前には、みずほ銀行の手数料や金利などのサービス内容を確認できる導線が整備されています。利用者にとっては、情報取得から申し込みまでを一体的に進められるため、銀行サービスへのアクセス性が大幅に向上します。

既存の連携サービスとの統合

楽天証券とみずほ銀行の間では、すでに複数の連携サービスが稼働しています。2025年3月には「らくらく出金」と「投信積立スマート買付」が開始され、みずほ銀行口座からの出金手続きなしに自動で投資信託を購入できるようになりました。

さらに、楽天証券とみずほ銀行の口座間での円貨・外貨(米ドル)の入出金がすべて手数料無料で利用可能です。2025年7月からは、みずほダイレクトアプリ上で楽天証券の残高を確認できる機能も追加されています。今回の銀行代理業は、こうした連携サービスの延長線上にある施策です。

提携の背景と戦略的意義

みずほ×楽天の資本関係

両社の連携は2022年10月に始まりました。みずほ証券が楽天証券ホールディングスの株式19.99%を取得し、戦略的資本業務提携を締結したのがきっかけです。2023年11月にはさらに29.01%を追加取得し、保有比率は49%に達しています。

この資本関係を基盤に、オンラインとリアルを連携した新しい資産形成・運用サービスの構築が進められてきました。今回の銀行代理業は、証券側から銀行側へ顧客を送客する新たなチャネルとして位置づけられます。

若年層獲得の必然性

楽天証券の顧客基盤には大きな特徴があります。口座開設者の30代以下が58.1%、女性が50.7%、投資初心者が79.2%を占めています。2024年4月には証券総合口座数が国内最多の1,100万口座を突破し、NISA口座数は2026年1月時点で業界最多の700万口座、新NISAの預かり資産残高は10兆円を超えました。

一方、みずほ銀行をはじめとするメガバンクは、若年層の取り込みが課題です。デジタルネイティブ世代は従来の対面型サービスではなく、スマートフォンを起点とした金融サービスを好みます。楽天証券のプラットフォームを通じて口座開設への導線を作ることは、みずほにとって若年層にリーチする最も効率的な手段の一つです。

メガバンクのデジタル経済圏競争

三井住友×SBI連合

三井住友フィナンシャルグループは、SBI証券との連携を軸にデジタル経済圏「Olive」を展開しています。2026年春には、三井住友銀行・SMBC日興証券・SBI証券の3社で最上位サービス「Olive Infinite」を開始予定です。

SBI証券のオンライン取引機能と、SMBC日興証券・三井住友銀行のコンサルティングを組み合わせた「フレキシブルコンサルティング」が特徴で、デジタル富裕層をターゲットにしています。

三菱UFJの「エムット」

三菱UFJフィナンシャル・グループは、新しい金融サービス「エムット」を展開しています。グループ内の銀行・証券・信託の機能を統合し、独自の経済圏構築を目指しています。

競争の構図

メガバンク3行の戦略を整理すると、三井住友はSBI・PayPayとの連携による「Olive経済圏」、みずほは楽天との連携による「楽天経済圏」の活用、三菱UFJは自社グループ内での統合サービスという、それぞれ異なるアプローチを取っています。共通しているのは、若年層・デジタル層の獲得が最重要課題となっている点です。

注意点・展望

利用者が押さえておくべきポイント

今回の銀行代理業では、楽天証券はあくまでみずほ銀行の口座開設を「媒介」する立場です。口座開設後の預金口座の管理・運用はみずほ銀行が行います。楽天銀行の口座とは別のサービスである点に注意が必要です。

楽天証券はすでに楽天銀行との銀行代理業務も行っており、利用者は楽天銀行とみずほ銀行の両方の口座を目的に応じて使い分けることが可能になります。

今後の見通し

メガバンクとネット証券の提携は今後さらに深化すると見られています。証券口座と銀行口座の垣根がなくなり、投資・預金・決済が一つのプラットフォームで完結する「ワンストップ金融」の実現が加速するでしょう。

新NISA制度の定着により若年層の投資参入が増え続けるなか、証券会社の顧客基盤を銀行口座の獲得に結びつける今回のモデルは、業界全体に波及する可能性があります。

まとめ

楽天証券によるみずほ銀行の銀行代理業開始は、メガバンクの若年層獲得戦略における重要な一手です。1,100万口座超の顧客基盤を持つ楽天証券を通じ、みずほ銀行は若年層への接点を大きく拡大できます。

メガバンク各行はネット証券との連携を軸に、それぞれ独自のデジタル経済圏を構築しつつあります。利用者にとっては、銀行・証券の連携サービスが充実することで、資産形成の選択肢が広がる好機です。自身の投資スタイルや利用するサービスに合わせて、最適な組み合わせを選ぶことが重要になります。

参考資料:

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