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by nicoxz

データSIM本人確認義務化へ、SNS詐欺対策で法改正

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はじめに

政府が急増するSNS型投資詐欺やロマンス詐欺への対策を強化します。スマートフォンのデータ通信専用SIMカードについて、契約時の本人確認を携帯電話会社に義務付ける方針を固めました。2026年中に携帯電話不正利用防止法の改正案を国会に提出する予定です。

現行法では音声通話対応のSIMには本人確認義務がありますが、データ通信専用SIMは対象外となっていました。この規制の穴が詐欺グループに悪用されており、法改正による対策が急務となっています。

現行制度の問題点

データSIMの規制外

携帯電話不正利用防止法は、振り込め詐欺などの犯罪に携帯電話が悪用されることを防ぐために2006年に施行されました。しかし、規制対象は「携帯音声通信役務」に限定されており、データ通信専用SIMは対象外です。

このため、SMSやLINEなどの通信アプリを使用できるデータ通信専用SIMは、本人確認なしで契約できる状況が続いてきました。

詐欺への悪用

総務省の調査によると、データ通信専用SIMが詐欺に悪用される事例が複数確認されています。具体的には、契約時に本人確認書類を用いない手法を悪用して不正に取得したIDやパスワードで大量のSIMを契約したり、通信アプリのアカウントを不正に取得したりするケースが報告されています。

SNS型投資詐欺やロマンス詐欺では、犯行グループがこうした方法で入手した回線を使い、被害者とやり取りを行っています。

特殊詐欺の深刻な状況

過去最大の被害増加

警察庁の統計によると、2024年の特殊詐欺の認知件数は20,987件で前年比10.2%増、被害額は721.5億円で前年比59.4%増と過去最大の増加を記録しました。

特にSNSを使った投資詐欺やロマンス詐欺の被害が急増しており、従来の電話を使った振り込め詐欺から手口が変化しています。

本人確認書類の偽造問題

河野太郎前デジタル大臣のブログによると、特殊詐欺に悪用された携帯電話回線のうち、契約時の本人確認書類が把握された619回線のうち、偽造されたものが419回線に上りました。

本人確認書類の偽造技術が高度化しており、従来の目視確認では真偽を見分けることが困難になっています。

法改正の内容

データSIMへの本人確認義務付け

今回の法改正では、SMSも利用できるデータ通信専用SIMの契約時に本人確認を義務付けます。これにより、音声通話SIMと同等の本人確認が求められることになります。

また、回線数が多すぎる契約を携帯電話会社が拒否できるようにすることも検討されています。一人で多数の回線を契約することは、詐欺グループが回線を調達する手段として使われているためです。

2026年4月の別改正との関連

携帯電話不正利用防止法は2026年4月にも改正が予定されています。この改正では、オンラインでの本人確認方法が厳格化されます。

具体的には、本人の顔写真撮影と本人確認書類の撮影を組み合わせた方式が廃止され、マイナンバーカードのICチップ読み取りによる認証に原則一本化されます。本人確認書類の偽造が高度化していることへの対応です。

事業者への影響

対応の必要性

法改正により、携帯電話会社やMVNO(格安SIM事業者)は本人確認の仕組みを整備する必要があります。特にオンラインでの契約を主体とする事業者にとっては、ICチップ読み取り機能の導入などシステム対応が求められます。

ソフトバンクは2025年夏以降、オンラインの各契約手続き窓口でマイナンバーカードのICチップ読み取りによる本人確認方法を順次導入していく予定です。

罰則規定

携帯電話不正利用防止法には罰則規定があり、本人確認義務に違反した場合は懲役や罰金が科される可能性があります。事業者には厳格な法令遵守が求められます。

利用者への影響

契約手続きの変化

法改正後は、データ通信専用SIMの契約時にもマイナンバーカードなどの公的身分証明書の提示が必要になります。従来のように、メールアドレスだけで契約できるという手軽さは失われます。

一方で、詐欺被害の減少につながれば、社会全体としてのメリットは大きいと言えるでしょう。

プリペイドSIMへの影響

外国人観光客向けなどに販売されているプリペイドSIMも影響を受ける可能性があります。本人確認の義務付けにより、これまでのように空港の自動販売機で簡単に購入することが難しくなるかもしれません。

注意点・展望

詐欺の手口変化への対応

法改正により一定の効果は期待されますが、詐欺グループが新たな手口を開発してくる可能性もあります。海外のSIMを使用したり、他人名義の回線を不正に取得したりする手口への対策も継続的に必要です。

マイナンバーカード普及との関連

本人確認のICチップ読み取りへの一本化は、マイナンバーカードの普及が前提となります。カードを持っていない人への対応や、カード読み取り環境の整備も課題となるでしょう。

まとめ

データ通信専用SIMへの本人確認義務付けは、SNS型詐欺の増加に対応するための重要な法改正です。現行制度の穴を塞ぐことで、詐欺グループが回線を容易に調達できる状況を改善することが期待されます。

2026年中の法改正に向けて、携帯電話会社は本人確認システムの整備を進める必要があります。利用者にとっては契約手続きが若干煩雑になりますが、詐欺被害の抑止という社会全体の利益につながる対策として理解が求められます。

参考資料:

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