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by nicoxz

NVIDIA決算が市場予想超え、売上681億ドルの衝撃

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はじめに

2026年2月25日、NVIDIAが2025年11月〜2026年1月期(2026会計年度第4四半期)の決算を発表しました。売上高は前年同期比73%増の681億2,700万ドル(約10兆円)に達し、四半期ベースで過去最高を更新しています。1株当たり利益(EPS)も1.62ドルとなり、市場予想の1.52〜1.54ドルを大きく上回りました。

AI向け半導体の需要が衰えを見せない中、NVIDIAはデータセンター部門を中心に圧倒的な成長を続けています。本記事では、今回の決算内容を詳しく分析し、次世代GPU「Rubin」の動向や来期見通しを含めて、投資家や技術関係者が押さえるべきポイントを解説します。

過去最高を更新した第4四半期決算の全容

売上高と利益の主要数値

NVIDIAの第4四半期売上高681億2,700万ドルは、前四半期比でも20%の増加となりました。純利益は前年同期比94%増の429億6,000万ドルに達しています。市場コンセンサスの売上高予想が約661億ドルだったことを踏まえると、約20億ドル上振れした計算です。

通期(2026会計年度)では、売上高が2,159億ドル、前年比65%増を記録しました。この数字は、わずか数年前にはAI半導体市場全体の規模に匹敵するものであり、NVIDIAの成長速度がいかに異例であるかを物語っています。

モルガン・スタンレーのアナリスト、ジョセフ・ムーア氏は今回の決算を「半導体業界史上最大かつ最もクリーンなビート・アンド・レイズ(予想超え+上方修正)」と評しています。

データセンター部門が売上の91%超を占める

今回の決算で最も注目されるのは、データセンター部門の圧倒的な存在感です。同部門の売上高は623億ドルで、前年同期比75%増、前四半期比22%増となりました。NVIDIAの総売上高に占める割合は91%を超えており、同社がAIインフラ企業へと完全に変貌したことを示しています。

内訳を見ると、CPUおよびGPU関連が513億3,400万ドル(前年比58%増)、ネットワーキングハードウェアが109億8,000万ドル(前年比263%増)です。特にネットワーキング分野の急成長は、大規模AIクラスターの構築においてGPU間の高速通信がボトルネックとなっていることを反映しています。

ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)はデータセンター売上の50%強を占め、引き続き最大の顧客カテゴリーとなっています。Amazon、Microsoft、Google、Oracleなどのクラウド大手が、AI基盤整備のために巨額の設備投資を継続していることが、NVIDIAの業績を支える構造は変わっていません。

次世代GPU「Rubin」と来期の強気見通し

Blackwellからの世代交代が始まる

ジェンセン・ファンCEOは決算説明会で、次世代アーキテクチャ「Vera Rubin」のサンプル出荷を開始したことを明らかにしました。コレット・クレスCFOによると、発表週のうちにリード顧客へ最初のサンプルが届けられており、量産は2026年後半に予定されています。

Rubinプラットフォームは、AI推論のコストを大幅に削減することを目的としています。特に注目すべきは、同じMoE(Mixture of Experts)モデルのトレーニングに必要なGPU数をBlackwell比で4分の1に削減できるという性能向上です。ファンCEOは「エージェント型AIの変曲点が到来した」と述べ、推論ワークロードの急増に対応する次世代チップの重要性を強調しました。

現行のBlackwellについても、需要は依然として「チャートを振り切るほど」の水準にあります。Amazon、Microsoft、Google、Oracleから合計360万基のBlackwell GPUの受注があり、Metaだけでも130万基を目標としていることが明かされています。

来期売上見通しは780億ドル

2027会計年度第1四半期(2026年2〜4月)の売上見通しは780億ドル(プラスマイナス2%)と発表されました。アナリストコンセンサスの720億ドルを大幅に上回る数字であり、NVIDIAの成長モメンタムの強さを裏付けています。

この見通しには、中国向けデータセンター事業の売上は含まれていません。米国の対中輸出規制の影響で中国向けビジネスには不確実性が残りますが、それを除いても780億ドルという数字は、前年同期比で約40%の成長を意味します。

供給面では、TSMCのCoWoS(Chip on Wafer on Substrate)パッケージング技術の生産能力が依然としてボトルネックとなっています。TSMCは2026〜2027年のCoWoS容量の半分以上をNVIDIA向けに確保しているとされますが、需要と供給が均衡するのは早くても2026年度後半と見られています。

注意点・展望

好決算にもかかわらず、株式市場の反応は複雑でした。決算発表直後の時間外取引では一時4%程度上昇したものの、翌2月26日の通常取引では5%以上下落しています。

この「好決算なのに株価下落」という現象は、投資家が毎四半期「並外れた結果」を期待するようになっていることの表れです。ジム・クレイマー氏はこの下落を「ミステイク(間違い)」と評しましたが、市場では巨額のAI設備投資が本当に長期的なリターンを生むのかという根本的な疑問がくすぶっています。

今後の焦点は、Rubinの量産立ち上がりのスムーズさと、AIの推論ワークロードがどこまで拡大するかにあります。エージェント型AIの本格普及が進めば、データセンター需要はさらに加速する可能性がありますが、景気後退やAI規制強化などのリスク要因にも注意が必要です。

まとめ

NVIDIAの2026年1月期第4四半期決算は、売上高681億ドル、純利益430億ドルと過去最高を記録しました。データセンター部門が売上の91%超を占め、AI半導体企業としての地位を不動のものにしています。次世代GPU「Rubin」のサンプル出荷も始まり、来期見通しの780億ドルはアナリスト予想を大きく超えました。

投資家にとっては、短期的な株価の振れに惑わされず、AI基盤投資の構造的なトレンドとNVIDIAのロードマップの実行力を注視することが重要です。BlackwellからRubinへの世代交代が順調に進むかどうかが、今後数四半期の最大の注目ポイントとなるでしょう。

参考資料:

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