NYダウ4日ぶり反落、最高値更新後の利益確定売り優勢
はじめに
2026年1月13日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均が4営業日ぶりに反落しました。前日比398.21ドル安の4万9,191.99ドルで取引を終え、一時は300ドル超の下落幅を記録しました。
前日まで連日で最高値を更新していたダウ平均は、1月に入ってから1,500ドルあまり上昇していました。高値圏での利益確定売りや持ち高調整が優勢となり、相場は調整局面を迎えています。
反落の背景
連続最高値更新後の調整
ダウ平均は前日(10日)まで3営業日連続で最高値を更新し、1月の上昇幅は1,500ドルを超えていました。短期間での急騰を受けて、投資家の間で利益確定や持ち高調整の動きが広がりました。
取引開始直後から売りが先行し、午前中には下げ幅が300ドルを超える場面もありました。最高値圏では買い手が慎重になりやすく、売りが出やすい地合いとなっていました。
FRBの独立性への懸念
トランプ政権によるパウエルFRB議長への圧力が、市場の不透明感を高めています。司法省がパウエル議長に対して刑事捜査を開始したことで、FRBの独立性が損なわれるリスクが意識されています。
中央銀行の金融政策が政治的な影響を受ける可能性は、長期的な市場の安定性にとってマイナス要因です。投資家はこうしたリスクを織り込みながら、慎重な姿勢を維持しています。
決算発表を控えた様子見
主要企業の2025年10〜12月期決算発表が本格化する中、内容を見極めたいとする様子見姿勢も相場の重しとなりました。市場予想を上回る好決算が続けば株価を押し上げる一方、期待外れの結果となれば調整が深まる可能性もあります。
個別銘柄の動き
金融セクターに売り
13日朝に決算を発表したJPモルガン・チェースが売られました。特別項目を除く1株利益は市場予想を上回ったものの、純営業収益が市場予想に届かなかったことが嫌気されました。
同業のゴールドマン・サックスも連れ安となり、金融セクター全体に売りが波及しました。金利環境の変化に敏感な金融株は、FRBの政策見通しの不透明感からも影響を受けています。
その他の主要銘柄
ダウ平均の構成銘柄では、ビザ、アムジェン、メルクが下落しました。ハイテク株も軟調で、マイクロソフトやエヌビディアが値を下げています。
一方、ナイキ、ボーイング、キャタピラーは上昇しました。セクターによって明暗が分かれる展開となっています。
ナスダックも下落
ナスダック総合指数は3日ぶりに反落し、前日比24.031ポイント安の2万3,709.873ポイントで取引を終えました。ハイテク株への利益確定売りが相場を押し下げました。
下支え要因
CPIが市場予想を下回る
同日発表された2025年12月の米消費者物価指数(CPI)は、相場の下支え要因となりました。エネルギーと食品を除くコア指数は前年同月比2.6%上昇し、市場予想の2.8%を下回りました。
インフレ圧力の緩和を示す内容は、FRBの利下げ継続期待を高める材料となります。CPIの結果がなければ、下落幅はさらに大きくなっていた可能性があります。
今後の見通し
決算シーズンの行方
1月は米国企業の決算発表が本格化する時期です。主要企業の業績が市場予想を上回れば、株価の上昇基調が続く可能性があります。一方、景気減速や利益率悪化の兆候が見られれば、調整が長引くリスクも考えられます。
金融政策への注目
FRBの金融政策を巡る不透明感は、当面の相場の変動要因となりそうです。パウエル議長の任期は2026年5月に満了を迎えるため、後任人事や政策方針の変化が注目されます。
投資家は企業業績、金融政策、地政学リスクなど複数の要因を見極めながら、慎重な投資判断を続けることになりそうです。
まとめ
2026年1月13日のNYダウは4日ぶりに反落し、最高値更新後の調整局面を迎えました。利益確定売りが優勢となったほか、FRBの独立性への懸念や決算発表を控えた様子見姿勢も重しとなりました。
CPIがインフレ鈍化を示したことは下支え要因となりましたが、今後の株価動向は企業決算の内容や金融政策の行方に左右されそうです。
参考資料:
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