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by nicoxz

東京スカイツリーでエレベーター停止、20人が5時間半閉じ込め

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はじめに

2026年2月22日(日)午後8時15分ごろ、東京都墨田区押上にある東京スカイツリーで、展望台へ向かうエレベーターが地上約30メートルの地点で急停止し、子ども2人を含む男女20人が約5時間半にわたって閉じ込められるという事故が発生しました。翌23日午前2時過ぎに全員が無事救助され、けが人や体調不良者は出ていません。この事故を受け、東京スカイツリーは23日と24日を臨時休業とし、エレベーターの総点検と原因調査を進めています。高さ634メートルを誇る日本一の電波塔で何が起きたのか、事故の経緯と救助の詳細、そして今後の課題について解説します。

事故の経緯と救助活動の全容

エレベーター停止の状況

事故が起きたのは、スカイツリー4階と地上350メートルの天望デッキを結ぶシャトルエレベーターです。東京スカイツリーには「春」「夏」「秋」「冬」と名付けられた4基のシャトルエレベーターがあり、通常は分速600メートル(時速36キロメートル)の速度で約50秒で展望台に到達します。事故当日、下降中だった「冬」のエレベーターが地上約30メートルの地点で突然停止し、乗っていた20人が閉じ込められました。同時にもう1基も停止しましたが、こちらには乗客がいませんでした。

停止の通報を受け、消防や警察が現場に駆けつけましたが、地上30メートルという高所での救助は容易ではありませんでした。エレベーターの構造上、外部からの直接的な扉のこじ開けが難しく、救助方法の検討に時間を要しました。

前例のない救助方法

最終的に採用された救助方法は、隣接する別のエレベーターを活用するというものでした。消防隊員らは、天望デッキに停車していた「秋」のエレベーターを、停止した「冬」と同じ高さまで降下させました。その上で、両基の緊急用ドアを開放し、長さ約1.2メートル、幅約40センチメートルのステンレス製の板を2基の間に渡して橋を作りました。

救助作業は23日午前1時44分に開始され、閉じ込められていた20人は1人ずつこのステンレス板の上を歩いて隣のエレベーターに移動しました。作業は約18分間で完了し、午前2時2分までに全員の救助が無事に終了しました。けが人や体調不良を訴えた方はいなかったと報告されています。

展望台の約1,200人にも影響

この事故は、エレベーター内に閉じ込められた20人だけでなく、展望台にいた多くの来場者にも影響を及ぼしました。安全確認のため、残りの「春」と「夏」のエレベーターも午後9時35分ごろまで一時停止させたため、展望デッキには約1,200人が一時的に取り残される事態となりました。運営会社は他のエレベーターの安全を確認した上で順次運行を再開し、午後11時ごろまでに展望台にいた全員が地上に降りることができました。

スカイツリーのエレベーター技術と過去の事例

世界最先端のエレベーター技術

東京スカイツリーのエレベーターは、東芝エレベータ株式会社と日立製作所が製造を担当しています。展望台行きのシャトルエレベーターは東芝エレベータが手がけており、40人乗りで定格積載量2,600キログラム、分速600メートルという国内最高速を誇ります。昇降行程は最長で約464メートルに達し、これは日本最長の距離です。

超高層建築物のエレベーターには数百メートルにおよぶワイヤーロープが使われており、安全装置として複数のセンサーが搭載されています。強風などで建物が揺れるとロープが振子のように振れ始め、安全装置がこの異常な振れを検知すると、エレベーターは自動的に減速し、最寄りの位置で停止する仕組みになっています。今回の停止が安全装置の作動によるものなのか、それとも別の原因によるものなのかは、現在調査が進められています。

過去にも発生していた停止トラブル

東京スカイツリーでは、2012年の開業以来、エレベーターに関するトラブルが複数回報告されています。開業初日の2012年5月22日には、強風のためにエレベーターが停止しました。ただし、これは故障ではなく安全を最優先した運営会社の判断による自主的な停止でした。

2015年と2017年にも閉じ込め事故が発生していますが、いずれも30分以内に解消されています。特に2017年3月には27人が約18分間閉じ込められるトラブルがありました。しかし、今回のように5時間半以上にわたる長時間の閉じ込めは、スカイツリーの歴史において前例のない事態でした。

過去の事例と比較すると、今回の事故は停止位置が地上30メートルという中途半端な高さだったことが救助の困難さにつながったと考えられます。通常の閉じ込めでは最寄りの階でドアを開けることで短時間で解消できますが、今回はどの階にも近くない位置での停止だったため、特殊な救助方法が必要になりました。

今後の課題と展望

原因究明と安全対策の見直し

2026年2月24日時点で、エレベーターが停止した原因は明らかになっていません。運営会社の東武タワースカイツリーは、23日と24日を臨時休業としてエレベーターの総点検を実施しています。25日以降の営業再開については、24日中に公式ウェブサイトで発表するとしています。

今回の事故では全員が無事に救助されましたが、5時間半という長時間の閉じ込めは、乗客にとって大きな精神的負担であったことは間違いありません。密閉されたエレベーター内にはトイレもなく、子どもを含む20人が深夜まで待ち続けなければならなかった状況は、緊急時の対応マニュアルの見直しを迫るものです。

今後は、原因の徹底究明はもちろんのこと、同様の事態が発生した場合により迅速に救助を行える体制の構築が求められます。また、年間約300万人が訪れる日本有数の観光施設として、来場者の安全と信頼を回復するための取り組みが注目されます。

まとめ

2026年2月22日に東京スカイツリーで発生したエレベーター閉じ込め事故は、子どもを含む20人が約5時間半にわたって地上30メートルの位置に取り残されるという深刻なものでした。隣接するエレベーターを横付けし、ステンレス板を渡して乗り移らせるという前例のない方法で全員が無事救助されましたが、展望台の約1,200人にも影響が及びました。原因は調査中で、24日も臨時休業が続いています。日本を代表する観光施設として、原因究明と再発防止策の早期確立が求められています。

参考資料

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