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by nicoxz

米軍イラン作戦の全容、サイバー攻撃と大規模空爆

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はじめに

2026年3月2日、ヘグセス米国防長官とケイン統合参謀本部議長がイラン攻撃後初の記者会見を開き、「オペレーション・エピック・フューリー」の詳細を明らかにしました。この作戦は米国とイスラエルが2月28日に開始した対イラン軍事作戦です。

ヘグセス長官はこの作戦を「史上最も致命的で、最も複雑で、最も精密な航空作戦」と評しました。サイバー・宇宙空間からイランの防空網を無力化し、空と海からの数万発に及ぶ空爆と組み合わせる多領域統合作戦の全容が、初めて公式に語られました。

本記事では、この前例のない軍事作戦の構造と意味について解説します。

サイバー作戦の詳細

防空網の無力化

米サイバー軍(サイバーコマンド)と宇宙軍は、物理的な攻撃に先立つ「ファーストムーバー」として作戦を開始しました。ケイン統合参謀本部議長によれば、「調整されたサイバー・宇宙作戦により、通信網とセンサーネットワークを効果的に妨害し、敵が視認・連携・対応する能力を奪った」とされています。

具体的には、イランの防空レーダーや通信システムをサイバー攻撃で機能不全に陥らせた上で、航空・海上からの大規模爆撃を実施するという多層的な作戦構造が取られました。

情報戦とメディア掌握

サイバー作戦は軍事的な妨害だけにとどまりませんでした。イスラエルはまずイラン国営放送(IRIB)の2つのチャンネルの施設を爆撃し、その後イスラエル軍がその放送を乗っ取りました。ハイジャックされた放送では、トランプ大統領とネタニヤフ首相がイラン国民に向けた演説が流されました。

さらに、テヘラン市内のハッキングされた交通カメラの映像が、ハメネイ師の居場所特定に活用されたとの報道もあります。サイバー空間での優位性が物理的な作戦成果に直結した事例です。

軍事作戦の規模

投入戦力

ケイン統合参謀本部議長が明らかにした作戦の規模は以下の通りです。

  • 数千人の米軍人員が参加
  • 数百機の高性能戦闘機を投入
  • 数十機の空中給油機が支援
  • 2つの空母打撃群が展開

これは「前例のない」規模であり、米軍の統合戦闘力を最大限に発揮した作戦と位置づけられています。ヘグセス長官は作戦規模のさらなる拡大も表明しました。

攻撃対象

2月28日の最初の攻撃は、大胆にも日中に実施されました。数百カ所のミサイル関連施設と防空拠点が標的とされ、イランの指導部も壊滅的な打撃を受けました。最も重要な成果として、1989年から最高指導者を務めてきたハメネイ師とその他の上級政府高官が死亡しました。

作戦の目標

ヘグセス長官は作戦目標を「レーザーフォーカス(極めて焦点を絞ったもの)」と表現し、以下の4点を挙げました。

  1. 同盟国を脅かすミサイル能力の解体
  2. 国際水域の不安定化に使われる海軍資産の劣化
  3. 代理民兵組織に武器を供給する機構の破壊
  4. イラン政権が核兵器で世界を脅かすことを永久に阻止

イランの反撃と紛争の拡大

多方面からの報復

最初の攻撃に対し、イランは複数方面からの報復作戦を展開しています。革命防衛隊はホルムズ海峡の封鎖を宣言し、米軍基地や大使館への攻撃も報告されています。紛争はイラン国内にとどまらず、中東地域全体に拡大する様相を呈しています。

トランプ大統領の見解

トランプ大統領は「4週間以内に終わる」と発言していますが、3名の米軍兵士が死亡したとの報道もあり、作戦のリスクは明らかです。

注意点・展望

今回の作戦で注目すべきは、サイバー・宇宙・航空・海上の各領域を統合した「マルチドメイン作戦」の実態が初めて公式に確認された点です。従来の爆撃作戦とは質的に異なる新しい戦争の形態が示されました。

一方で、法的な議論も巻き起こっています。元軍高官らは、今回の攻撃が戦争権限法に違反する可能性を指摘しています。議会の承認なしに行われた大規模軍事作戦の合法性は、今後の政治的争点となりそうです。

作戦の「成功」は短期的には明らかですが、イランの政治的空白がもたらす長期的な不安定化のリスクは予断を許しません。体制転換後のイランがどのような方向に進むのかが、地域の安定と世界のエネルギー供給を左右する重大な問題です。

まとめ

「オペレーション・エピック・フューリー」は、サイバー攻撃による防空網の無力化と大規模空爆を組み合わせた前例のない軍事作戦です。数千人の米軍、数百機の戦闘機、2つの空母打撃群を投入し、イランの軍事・指導体制に壊滅的な打撃を与えました。

サイバー空間での優位性が物理的な戦場での成果に直結するという、現代戦争の新たな姿が示されました。今後はイランの反撃と紛争の拡大、そして国際社会の対応が焦点となります。

参考資料:

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