アルファベットが時価総額4兆ドル突破で世界2位に

by nicoxz

はじめに

米Googleの持ち株会社であるアルファベットの時価総額が、2026年1月12日に史上初めて4兆ドル(約630兆円)に到達しました。これにより、アルファベットはエヌビディア、マイクロソフト、アップルに続く4社目の「4兆ドルクラブ」入りを果たしました。

この歴史的なマイルストーンの背景には、アップルがGoogleの生成AI「Gemini」を次世代Siriの基盤技術として採用すると発表したことがあります。本記事では、アルファベットの株価上昇の要因と、AI市場における同社の戦略について解説します。

4兆ドル突破の詳細

株価の推移

2026年1月12日、アルファベットの株価は約1.7%上昇し、終値で331.86ドルの過去最高値を記録しました。一時は334.04ドルまで上昇し、時価総額は約4.03兆ドルに達しました。

これにより、アルファベットはエヌビディア(約4.51兆ドル)に次ぐ世界第2位の企業となり、アップルを抜いて順位を上げました。マイクロソフトは約3.55兆ドルで4位に位置しています。

「4兆ドルクラブ」とは

4兆ドルの時価総額に到達した企業は、歴史上わずか4社しか存在しません。エヌビディアが2025年7月に史上初めてこの水準に到達し、その後マイクロソフト、アップルが続きました。

しかし、アップルとマイクロソフトはその後4兆ドルを下回る水準に後退しており、AI主導の株式市場のボラティリティの高さを示しています。アルファベットがこの水準を維持できるかどうかも、今後の注目点となります。

AppleがGemini採用を発表

歴史的な提携の内容

アルファベットの株価急騰の直接的なきっかけとなったのは、アップルによる発表でした。アップルは2026年1月12日、次世代のApple Intelligence(Apple独自のAI機能)の基盤として、GoogleのGeminiモデルとクラウド技術を採用することを発表しました。

これにより、今後のSiriやその他のAI機能は、Geminiをベースとした「Apple Foundation Models」によって動作することになります。アップルは「慎重な評価の結果、Googleの技術がApple Foundation Modelsにとって最も優れた基盤を提供すると判断した」と述べています。

年間10億ドル規模の契約

2025年8月にBloombergが両社の交渉を初めて報じ、同年11月にはより詳細な報道がありました。契約は年間約10億ドル規模とされ、アップルはカスタマイズされたGeminiモデルへのアクセスを得ることになります。

このカスタムモデルは1.2兆パラメータを持つとされ、アップルの現在のクラウドベースのApple Intelligenceモデル(約1500億パラメータ)の約8倍の規模です。

プライバシーへの配慮

アップルは、Apple Intelligenceは引き続きAppleデバイスとPrivate Cloud Compute上で実行され、業界最高水準のプライバシー基準を維持すると強調しています。ユーザーデータはGoogleのサーバーで直接処理されることはなく、既存のプライバシーモデルが維持されます。

アルファベットのAI戦略

2025年の躍進

アルファベットは2025年の「マグニフィセント・セブン」(米国の主要テック7社)の中で最も好調なパフォーマンスを示し、株価は年間で65%上昇しました。エヌビディアの39%上昇を大きく上回る結果となりました。

2025年9月中旬には、アルファベットは初めて時価総額3兆ドルに到達しました。この時期から投資家はアルファベットのAI戦略を「パラダイムシフト」と見なすようになり、生成AIの新製品ローンチやGoogle Cloudの堅調な収益成長が信頼を高めました。

Ironwoodチップの発表

2025年11月、アルファベットは第7世代のカスタムテンソル処理ユニット(TPU)「Ironwood」を発表しました。このチップはエヌビディアの高需要AIプロセッサの代替となる可能性があり、AI半導体市場での競争力強化を図っています。

Gemini 3のリリース

2025年12月には、最新のフラグシップAIモデル「Gemini 3」をリリースし、高い評価を得ました。これらの動きにより、アルファベットがAI競争において中心的な存在であり続けるという見方が強まりました。

反トラスト訴訟の解決

規制リスクの軽減

アルファベットの株価上昇には、2025年9月に決着した米国での反トラスト訴訟も影響しています。裁判所はGoogleに対し、検索エンジンのデータを競合他社と共有するよう命じましたが、会社の分割は必要ないと判断しました。

この判決を受けて、Googleの株価は約8%上昇しました。最悪のシナリオ(Chromeブラウザの売却など)が回避されたことで、投資家の懸念が和らぎました。

課される規制内容

判決では、Googleに対して以下の規制が課されました:

  • 検索インデックスの「スナップショット」を競合他社に提供すること
  • ユーザーのクリック・検索データの一部を継続的に共有すること
  • 検索エンジンやChromeブラウザに関する排他的契約の禁止
  • 新規のデフォルト検索契約は1年以内に終了すること

一方で、ChromeブラウザやAndroidの売却は命じられず、Googleはデバイスメーカーへの製品プリインストール料の支払いを継続できます。

今後の見通し

OpenAIとの関係

アップルは現在、OpenAIとも提携しており、ChatGPTをSiriとApple Intelligenceに統合しています。Gemini採用後もChatGPTとの統合は継続されるとアップルは述べていますが、長期的な両者の関係がどうなるかは不透明です。

ChatGPTはユーザーが任意で利用できるオプション機能として残る一方、GeminiはSiriやその他のシステムレベルのAI機能の基盤となる見込みです。

新しいSiriの登場時期

Geminiをベースとした新しいSiriは、2026年3月または4月にiOS 26.4とともに導入される予定です。新機能には、ユーザーの個人的なコンテキストの理解向上、画面認識機能、アプリごとの詳細な制御などが含まれます。

批判的な見方

この提携に対しては批判的な意見もあります。テスラCEOのイーロン・マスク氏は、Xで「GoogleはAndroidとChromeも持っている。Googleへの権力集中は不合理に見える」とコメントしています。マスク氏はGeminiの競合であるGrokを開発するxAIのCEOでもあります。

注意点・展望

株価のボラティリティ

4兆ドルという時価総額は歴史的な節目ですが、この水準を維持できるかどうかは別問題です。アップルとマイクロソフトも一時4兆ドルを達成しましたが、その後下落しています。AI関連株のボラティリティは依然として高く、投資家は慎重な姿勢が求められます。

AI競争の激化

GoogleのAI戦略は順調に見えますが、OpenAI、マイクロソフト、Metaなど競合も積極的に投資を続けています。技術革新のスピードが速いAI分野では、現在の優位性が長期的に続くとは限りません。

まとめ

アルファベットが時価総額4兆ドルを突破し、エヌビディアに次ぐ世界第2位の企業となりました。アップルがGeminiを次世代Siriの基盤として採用すると発表したことが直接的なきっかけとなり、AI投資への期待が株価を押し上げました。

2025年の反トラスト訴訟で最悪のシナリオを回避したことや、Ironwoodチップ、Gemini 3のリリースなど、複数の要因が重なって今回のマイルストーン達成につながりました。AI時代において、アルファベットは引き続き主要プレイヤーとしての地位を固めています。

参考資料:

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