サーティワンが35年ぶりにロゴ刷新、大人層開拓の狙い
はじめに
B-Rサーティワンアイスクリームが、2026年4月1日から「サーティワンアイスクリーム」のブランドロゴを35年ぶりに全面刷新します。1991年から続いてきた青とピンクを主体としたおなじみのデザインから、グラデーションを取り入れた新しいデザインへと生まれ変わります。
今回のリニューアルは、従来の主要顧客であるファミリー層や女性だけでなく、大人の男性にも親しんでもらえるブランドへと進化する狙いがあります。6期連続の増収増益と好調な業績を背景に、さらなる成長を目指す戦略的な一手です。
新ロゴのデザインと変更点
グラデーションを採用した新デザイン
新ロゴは、創業者であるバスキンとロビンスの頭文字「B」と「R」の間に「31」を配した基本的なデザインコンセプトは維持しています。最大の変更点は、これまでのピンクとブルーの明確な色分けから、境目のないグラデーションへと移行したことです。
このグラデーションには、子どもから大人まで幅広い層のライフスタイルに寄り添いたいという思いが込められています。同時に、豊富なフレーバーバリエーションや、アイスクリームを通じて生まれるさまざまな幸せな瞬間も表現しているとのことです。
「アイスクリーム」の文字を削除
もう一つの大きな変更として、ロゴから「アイスクリーム」の文字がなくなりました。日本では「サーティワン」といえばアイスクリームを指すことが広く認知されているため、文字を省くことでよりシンプルで洗練された印象を目指しています。「Baskin Robbins」の表記も小さくなり、中心のピンク色の「31」がより際立つデザインとなっています。
パッケージ・店舗も一新
全面的なパッケージリニューアル
ロゴの変更に合わせ、商品パッケージも全面的に刷新されます。これまで1種類だったコーンスリーブとカップのデザインは、サーティワンのブランドカラーであるピンクとブルーの2色展開に変更されます。バラエティボックスや手提げ袋にもフレーバーロゴを取り入れた新デザインが採用されます。
看板や店舗内装も順次変更される予定で、ブランド全体の統一感を高める方針です。宣伝会議の報道によると、SNS上ではこの変更に対して賛否両論の声が上がっているとのことです。
大人が入りやすい店舗づくり
今回のリニューアルの根底にあるのは、「世代を問わずより多くの人に寄り添い、何気ない日常から特別な日まで、さまざまなシーンでサーティワンアイスクリームを楽しんでもらいたい」という考えです。特に、これまでファミリーや女性が中心だった客層に大人の男性を加えることで、市場の拡大を図る戦略が読み取れます。
好調な業績が後押しするブランド刷新
6期連続の増収増益
サーティワンの業績は近年好調に推移しています。2025年12月期の連結経常利益は前期比19.9%増の28.6億円を記録し、2026年12月期も前期比0.7%増の28.8億円と6期連続の増収増益が見込まれています。売上高も4年連続で過去最高を更新しており、経営基盤は盤石です。
成長を支える構造改革
この好業績の背景には、デジタル化の推進や販売拠点の拡大といったビジネス構造の変革があります。持ち帰りに特化した「サーティワン to go」の展開や、「バラエティボックス」などテイクアウト需要を取り込む商品開発が奏功しています。
オリコンニュースやダイヤモンド・オンラインの分析では、サーティワンはアイス専門店市場で「独り勝ち」の状態にあるとされ、毎月やシーズンごとの新商品投入と、選ぶ楽しさを重視した体験型マーケティングが消費者の支持を集めています。
注意点・展望
35年ぶりのロゴ刷新は、ブランドイメージの大きな転換点です。長年のファンからは愛着のあるデザインの変更に戸惑いの声もあり、SNSでは新旧デザインを比較する投稿が相次いでいます。ブランドの刷新は認知度向上のチャンスである一方、既存顧客の離反リスクも伴います。
ただし、サーティワンには先行事例があります。米国のバスキン・ロビンスは2022年にグローバルでロゴを刷新しており、より洗練されたデザインに移行して成功を収めています。今回の日本独自のリニューアルは、グローバルトレンドを踏まえつつ日本市場に合わせた展開といえます。
大人の男性層を取り込むためには、ロゴ変更だけでなく、メニューや店舗体験の面でもターゲット層に合った施策が求められます。今後、具体的なプロモーション戦略やメニュー展開が注目されます。
まとめ
サーティワンの35年ぶりのロゴ刷新は、好調な業績を背景にさらなる客層拡大を目指す戦略的な取り組みです。グラデーションを採用した新デザインは、子どもから大人まで幅広い層に訴求することを意図しています。4月1日からの切り替え後、消費者の反応や来店客層の変化に注目が集まります。アイスクリーム市場で独り勝ちの地位を築いたサーティワンが、次のステージでどこまで成長を加速できるかが見どころです。
参考資料:
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