中道改革連合が新執行部を発足、分裂回避へ立民主導の布陣に
はじめに
2026年2月18日、中道改革連合の小川淳也代表は特別国会の召集日に合わせて新しい執行部の人事を発表し、議員総会で承認を得ました。代表選で争った階猛氏を幹事長に起用し、選挙対策委員長との兼務とする布陣です。
中道改革連合は2月8日の衆院選で公示前の172議席から49議席へと大幅に議席を減らす惨敗を喫しました。立憲民主党出身のベテラン議員が多数落選したことで、旧民主党の流れをくむ政党として初めて閣僚経験者がいない執行部が誕生しています。
この記事では、新執行部の顔ぶれと党の課題、分裂回避に向けた戦略について解説します。
新執行部の顔ぶれと狙い
代表選を経て挙党一致体制へ
中道改革連合は2月12日に代表選を告示し、翌13日に投開票が行われました。立候補したのは、いずれも立憲民主党出身で当選8回の階猛氏(衆院岩手1区)と小川淳也氏(衆院香川1区)の2人です。所属する衆院議員49人による投票の結果、小川氏が27票を獲得して階氏の22票を上回り、新代表に選出されました。
小川代表は就任直後から党内融和を最優先課題に掲げ、「一致結束した上で外に訴えていく。極めて慎重に、いろいろなバランスに配慮したい」と語りました。僅差の代表選だっただけに、敗れた階氏の処遇が挙党一致体制の試金石でした。
階猛幹事長が選対委員長を兼務
小川代表が2月16日に固めた主要人事は以下のとおりです。
- 幹事長・選対委員長(兼務):階猛氏(立憲民主党出身)
- 政調会長:岡本三成氏(公明党出身)
- 国対委員長:重徳和彦氏(立憲民主党出身)
- 代表代行:山本香苗氏(公明党出身)
階氏に幹事長と選対委員長を兼務させたのは、党運営の要と次の選挙戦略の両方を一体的に担わせる狙いがあります。衆院選での惨敗を踏まえ、党組織の立て直しと次期参院選に向けた候補者擁立を同時並行で進める必要があるためです。
また、政調会長に公明党出身の岡本三成氏、代表代行に同じく公明党出身の山本香苗氏を配置することで、旧立憲民主党と旧公明党の双方に目配りした人事となっています。
閣僚経験者が不在の執行部
今回の執行部は、旧民主党の流れをくむ政党として初めて閣僚経験者が1人もいない体制です。これは人事上の選択ではなく、衆院選での惨敗が直接の原因です。
副総理や外相を歴任した岡田克也氏、元官房長官の枝野幸男氏、元外相の玄葉光一郎氏、そして政界の重鎮である小沢一郎氏、海江田万里氏、共同幹事長を務めた安住淳氏など、閣僚経験を持つベテラン議員が軒並み落選しました。比例復活も果たせなかったケースが大半で、党の人材層が一気に薄くなりました。
結果として、否応なく世代交代が進んだ形です。経験不足という課題を抱える一方、過去のしがらみにとらわれない新しい党運営が期待される側面もあります。
衆院選惨敗の背景と分裂リスク
立民出身者と公明出身者で明暗
中道改革連合は2026年1月16日、立憲民主党と公明党の衆議院議員が合流して結成されました。自民党の高市政権と協力関係にある日本維新の会への対抗軸として、中道勢力の結集を目指したものです。結党時の所属議員数は立憲から144人、公明から21人の計165人でした。
しかし2月8日の衆院選では、両党の出身母体によって結果が大きく分かれました。公明党出身の候補者は全員が当選し28議席を確保したのに対し、立憲民主党出身の候補者は21議席にとどまりました。立憲出身者は元の議員数の7分の1程度にまで激減した計算です。
この結果は党内に微妙な空気を生んでいます。立民側からは「公明にしてやられた」との不満の声も漏れ、公明側には組織力の強さへの自負があります。
参院の合流は未定
中道改革連合は設立時、衆議院議員のみで構成されています。立憲民主党と公明党の参議院議員、地方議員は後に合流する構想でしたが、衆院選の惨敗を受けて合流は宙に浮いた状態です。
2月18日召集の特別国会では、立憲民主党と公明党は参議院で統一会派を組まないことが明らかになりました。立民の参院幹部は「頭を冷やして考える」と述べ、当面の合流に慎重な姿勢を示しています。
この参院議員の動向が、中道改革連合の今後の存続を左右する重要な要素です。参院議員が合流すれば衆参合計の議席数が増え、国民民主党を上回って野党第1党の座を確保できます。しかし合流が実現しなければ、衆院の49議席のみの少数政党にとどまることになります。
注意点・今後の展望
分裂回避のカギは「落選者への配慮」
党内からは「分裂しないポイントは落選者への配慮だ」との指摘が出ています。多数の立憲出身ベテランが議席を失ったなか、これらの元議員への処遇や支援が不十分であれば、不満が蓄積し党の求心力が低下するリスクがあります。
小川代表は「権力監視の仕事をしっかりやる。野党第1党として、将来の政権交代の基盤をつくる」と決意を示していますが、内部の結束を保ちながら外に向けた発信力を高めるという二重の課題に直面しています。
参院選に向けた態勢整備が急務
2028年の参院選に向けて、候補者の発掘と選挙区での態勢整備が急務です。階幹事長が選対委員長を兼務する体制は、この課題に早期から取り組む意図の表れといえます。
公明党出身の斉藤鉄夫前共同代表は「中道の灯を燃やし、拡大する体制をつくらなければいけない」と語り、党存続への意欲を示しています。立民・公明双方の参院議員や地方議員との関係をどう再構築するかが、中道改革連合の将来を決定づけます。
まとめ
中道改革連合の新執行部は、衆院選惨敗という厳しい状況のなかで発足しました。代表選で争った階猛氏を幹事長に迎え、立民・公明双方に配慮した人事構成とすることで、まずは分裂回避を図る姿勢を示しています。
閣僚経験者不在という前例のない体制は、世代交代の象徴ともいえます。参院議員の合流問題や落選者への対応など課題は山積していますが、小川代表が掲げる挙党一致の路線で党を立て直せるかどうかが、今後の野党政治の行方を左右します。
参考資料:
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