フジHD株買い増し通告で緊迫 村上氏系レノが最大33.3%取得検討
フジ・メディアHDに旧村上ファンド系投資家が「買い増し通告」
最大33.3%取得で経営圧力、不動産再編応じなければ対抗策も
2025年12月15日、旧村上ファンド系の投資会社レノ(東京・渋谷)と村上世彰氏の長女・野村絢氏らが、フジ・メディア・ホールディングス(HD)に対し、株式のさらなる買い増し方針を通告したことが明らかになった。議決権ベースで**最大33.3%**の取得を視野に入れ、会社側との対立が新たな局面を迎えている。
通告の内容と狙い
野村氏らのグループは、フジHDの不動産事業の完全売却や、事業子会社サンケイビルのスピンオフ(分離上場)などを求めている。要求が受け入れられない場合には、株式の買い増しを進める構えを示した。
レノ側は以前からフジHDに対し、「本業である放送・コンテンツ事業への集中」を提案しており、今回の動きはその延長線上にあるとみられる。
フジHDの対応と買収防衛策
フジ・メディアHDは2025年7月、こうした動きを念頭に「有事導入型買収防衛策」を導入済み。特定株主が一定比率以上の株式を保有した場合、取締役会の判断で新株予約権の発行などを行える仕組みだ。
同社は声明で「株主の共同利益を守るための制度」と説明しているが、野村氏側からは「経営陣による防衛的対応だ」との批判も上がっている。
背景:旧村上ファンドのDNA
村上世彰氏は2000年代初頭に企業支配構造改革を唱え、ニッポン放送や阪神電鉄などで積極的な株式投資を行った人物。今回の動きは「村上ファンドの再来」とも呼ばれており、物言う株主(アクティビスト)として再び注目を集めている。
野村絢氏は近年、レノを中心に独自の投資活動を展開しており、企業価値向上を目的とする長期投資を掲げている。
今後の焦点
- フジHDが不動産再編などに応じるかどうか
- レノ側の株式保有比率がどこまで上昇するか
- 株主総会での他株主の動向と世論の影響
防衛策発動ラインの33.3%をめぐり、経営陣とアクティビストの綱引きは激しさを増している。2026年の株主総会は、フジ・メディアHDの経営体制にとって大きな転換点となる可能性がある。
まとめ
今回の通告は単なる株式買い増しではなく、フジHDに資産効率の改善と事業構造改革を迫る強いメッセージといえる。防衛策とアクティビストの対立構図は、ガバナンス改革の試金石として注目される。
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