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by nicoxz

チャージスポット運営INFORICHがMBOで非公開化

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はじめに

スマートフォン向けモバイルバッテリーのシェアリングサービス「ChargeSPOT(チャージスポット)」を運営するINFORICH(インフォリッチ)が、MBO(経営陣が参加する買収)により株式を非公開化すると発表しました。米投資ファンドのベインキャピタルと組んでTOB(株式公開買い付け)を実施し、総額は約500億円規模となる見込みです。

国内モバイルバッテリーシェアリング市場で8割超のシェアを持つ同社が、なぜこのタイミングで非公開化を選択したのか。この記事では、MBOの詳細と背景、そして今後の展望について解説します。

MBOの詳細と狙い

TOBの条件

ベインキャピタルの特別目的会社「BCJ-102」がINFORICHの株式に対してTOBを実施します。TOB価格は1株あたり4,560円で、2月13日の終値2,105円に対して約117%のプレミアム(上乗せ)が付いています。買い付け期間は2月16日から3月31日までで、決済開始は4月7日を予定しています。

TOBが成立すれば、INFORICHは東京証券取引所グロース市場での上場が廃止される見通しです。

非公開化の目的

非公開化の最大の目的は、海外展開に向けた積極投資を加速することです。上場企業として四半期ごとの業績開示や短期的な株主還元を求められる環境では、大規模な先行投資が困難な側面があります。ベインキャピタルの支援のもとで非公開化することにより、中長期的な視点から海外市場への投資を推進する体制を整えます。

ベインキャピタルの日本での実績

ベインキャピタルは近年、日本企業のMBO案件を活発に手がけています。2025年には国際物流大手の日新(総額1,100億円超)のMBOを実施し、それ以前にも物流大手トランコムやアウトソーシングなどの非公開化を支援してきました。豊富な経験とグローバルネットワークを活かした企業価値向上に定評があります。

INFORICHの事業と成長性

国内市場での圧倒的シェア

INFORICHは2015年に創業し、2018年からChargeSPOTサービスを開始しました。「どこでも借りられて、どこでも返せる」をコンセプトに急成長し、2022年には東証グロース市場に上場しています。

国内のバッテリースタンド設置台数は約5万7,000台(2025年9月時点)に達し、市場シェアは約85%と圧倒的な存在感を示しています。コンビニエンスストア、商業施設、飲食店、駅など幅広い場所に設置されており、生活インフラのひとつとしての地位を確立しつつあります。

業績の拡大

2024年12月期の売上高は前期比39.3%増の107億100万円、営業利益は同175.3%増の16億6,200万円と、売上・利益ともに大幅な成長を遂げています。売上構成は国内レンタルが77%を占めるほか、海外レンタルが17%を占めており、海外事業の比率も着実に拡大しています。

海外展開の現状

INFORICHはすでに世界8エリアでChargeSPOTを展開しています。主な海外拠点としては、香港(約3,550台)、台湾(約8,700台)、中国本土(約4,890台)、タイ(約900台)のほか、シンガポール、イタリア、英国にも進出しています。さらに2025年にはオーストラリアのモバイルバッテリーシェアリング事業者「Ezycharge」を子会社化するなど、M&Aによる海外展開も積極的に進めています。

注意点・展望

MBO増加の背景

日本ではMBOによる上場企業の非公開化が増加傾向にあります。東京証券取引所が求める「資本コストを意識した経営」への対応や、PBR(株価純資産倍率)1倍割れの改善圧力が背景にあります。また、グローバル展開やデジタル化への大規模投資を行うには、短期的な株主プレッシャーから解放される非公開化が有効な選択肢となっています。

今後の成長戦略

非公開化後は、ベインキャピタルのグローバルネットワークを活用した海外展開の加速が期待されます。モバイルバッテリーシェアリング市場は、スマートフォンの普及率が高い東南アジアやヨーロッパでの成長余地が大きく、先行投資によるシェア獲得が重要な局面にあります。

また、バッテリースタンドのネットワークを活用した広告事業やデータ活用など、新たな収益源の開拓も課題となります。

投資家への影響

TOB価格は直近の株価に対して大幅なプレミアムが付いており、既存株主にとっては好条件での売却機会となります。一方、成長期の企業が非公開化することで、個人投資家がその成長の恩恵を受ける機会が失われるという側面もあります。

まとめ

INFORICHのMBOは、国内市場で圧倒的なシェアを確立した企業が、次なる成長ステージとして海外展開を本格化させるための戦略的な判断です。ベインキャピタルという実績あるファンドとの提携により、中長期的な視点での投資が可能になります。

モバイルバッテリーシェアリング市場はグローバルに拡大が続いており、非公開化後のINFORICHがどのような成長を遂げるのか、今後の展開が注目されます。

参考資料:

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