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by nicoxz

消費者物価2.0%上昇に鈍化、エネルギー安が押し下げ

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はじめに

総務省が2026年2月20日に発表した1月の全国消費者物価指数(CPI、2020年=100)は、生鮮食品を除く総合(コアCPI)が112.0となり、前年同月比で2.0%の上昇でした。伸び率は2カ月連続で縮小し、2024年1月以来の低い水準となっています。

この物価上昇率の鈍化には、2025年末に実施されたガソリン税の旧暫定税率廃止が大きく影響しています。一方で、エネルギーと生鮮食品を除いた「コアコアCPI」は2.6%の上昇を維持しており、物価の基調的な動きは依然として底堅い状況です。

本記事では、1月CPIの詳細な内訳と、今後の物価動向、日銀の金融政策への影響について解説します。

1月CPIの全体像と主要指標

3つのCPI指標が示す物価の姿

2026年1月のCPIは、以下の3つの代表的指標でそれぞれ異なる数字を示しています。

総合指数は112.9で前年同月比1.5%の上昇でした。生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)は112.0で同2.0%の上昇です。そして生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)は111.4で同2.6%の上昇となりました。

注目すべきは、コアCPIの2.0%という数字が日銀の物価安定目標とちょうど一致している点です。2022年4月から続くコアCPIの2%以上の上昇は、これで46カ月目に達しました。市場予測の中央値も2.0%であり、ほぼ想定通りの結果でした。

前月からの変化ポイント

2025年12月のコアCPIは前年同月比2.4%の上昇でしたので、1月は0.4ポイントの鈍化となります。この急激な伸び縮小の主因はエネルギー価格の変動にあります。

エネルギー全体の寄与度を見ると、ガソリン価格は前年同月比で14.8%の大幅な下落を記録しました。12月の6.4%下落からさらに下落幅が拡大しており、これがCPI全体を押し下げる最大の要因となっています。

エネルギー価格下落の背景と影響

ガソリン暫定税率廃止の効果

2025年末に実施されたガソリン税の旧暫定税率(1リットルあたり約25円)の廃止は、2026年の物価統計に大きなインパクトを与えています。この政策により、ガソリンの小売価格が直接的に引き下げられ、1月のCPIにフルに反映されました。

第一生命経済研究所の分析によると、ガソリン暫定税率の廃止だけでコアCPIを約0.2ポイント押し下げる効果があるとされています。これに加えて、2026年1月から3月まで実施されている電気・ガス代の補助金も物価を抑制する方向に作用します。

電気・ガス補助金の影響タイミング

政府は2026年1月から3月の使用分について、電気料金は1kWhあたり4.5円(3月は1.5円)、都市ガスは1立方メートルあたり18円(3月は6円)の補助を実施しています。

ただし注意すべき点があります。電気・ガス代のCPIへの反映は「使用月」ではなく「請求月」に行われます。そのため、1月使用分の補助効果がCPIに本格的に反映されるのは2月以降となります。第一生命経済研究所の試算では、ガソリン暫定税率廃止と電気・ガス補助金を合わせた影響は、2月から4月にかけてコアCPIを0.8〜0.9ポイント押し下げる可能性があります。

物価の基調と今後の見通し

コアコアCPIが示す根強いインフレ圧力

エネルギー価格の下落でコアCPIは2.0%まで鈍化しましたが、コアコアCPIは2.6%と依然として高い水準を維持しています。これは、エネルギーを除いた部分では物価上昇の圧力が根強いことを意味します。

特にサービス価格の上昇が続いている点が特徴的です。人手不足を背景とした賃金上昇がサービス価格に転嫁される動きは今後も続くと見られています。2026年の春闘でも高い賃上げ率が見込まれており、賃金と物価の好循環が定着しつつあります。

今後数カ月の物価見通し

今後のCPIの動きについては、いくつかの重要な要因が絡み合います。

下押し要因としては、電気・ガス補助金のCPIへの本格反映が2月以降に見込まれます。これにより、2月から3月にかけてコアCPIが2%を一時的に割り込む可能性も指摘されています。

一方、上振れ要因も存在します。円安の進行による輸入物価の上昇は、4月以降の食料品価格を押し上げるリスクがあります。また、春闘の結果次第では、サービス価格のさらなる上昇も考えられます。

日銀の金融政策への影響

利上げ路線は継続の見通し

日銀は2025年12月に政策金利を0.75%に引き上げ、約30年ぶりの高水準となりました。2026年以降もさらなる利上げが見込まれています。

野村證券のメインシナリオでは、日銀は2026年6月と12月、さらに2027年6月に0.25%ずつ利上げし、最終的な到達点(ターミナルレート)は1.50%になると予想されています。

1月のCPIが2.0%と日銀目標にちょうど届いた結果は、日銀にとって利上げ路線を継続する根拠を提供するものです。コアコアCPIが2.6%と高止まりしていることも、基調的なインフレが持続しているとの判断を後押しします。

高市政権との関係

ただし、高市早苗首相は積極財政と金融緩和を志向しており、日銀の利上げに対して慎重な姿勢を示す場面もあります。物価の伸びが鈍化するなかで、利上げのペースや時期をめぐって政府と日銀の間で微妙な駆け引きが続く可能性があります。

注意点・展望

物価統計を読み解く際には、いくつかの注意点があります。まず、1月のコアCPI2.0%という数字は、政策要因(ガソリン暫定税率廃止)による押し下げが大きく作用した結果です。エネルギーを除いた物価の基調は依然として2%台半ばにあり、「インフレが収束に向かっている」と判断するのは早計です。

また、2月以降は電気・ガス補助金の効果がさらに加わるため、コアCPIの数字はいっそう低下する可能性があります。しかし、これもあくまで一時的な政策効果であり、補助金終了後には反動で上昇に転じることが予想されます。

今後の注目ポイントは、春闘の賃上げ率と、それがサービス価格にどの程度波及するかです。賃金と物価の好循環が定着すれば、日銀が目指す「持続的・安定的な2%の物価上昇」が実現する道筋が見えてきます。

まとめ

2026年1月の消費者物価指数は、コアCPIが前年同月比2.0%上昇と2カ月連続で伸び率が縮小しました。ガソリン暫定税率の廃止によるエネルギー価格の下落が主因ですが、コアコアCPIは2.6%と高水準を維持しており、基調的なインフレ圧力は根強い状況です。

今後は電気・ガス補助金の効果で2〜3月にかけてさらなる鈍化が見込まれますが、円安や春闘賃上げの影響で4月以降は再び上昇に転じる可能性があります。日銀は利上げ路線を維持する見通しで、次の利上げ時期や物価動向が市場の大きな関心事となっています。

家計としては、エネルギー価格の低下という恩恵を受けつつも、食料品やサービスの価格上昇には引き続き注意が必要です。物価の動きを正しく理解し、家計管理に役立てていくことが重要です。

参考資料:

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