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by nicoxz

マチャド氏がトランプ大統領にノーベル平和賞メダルを贈呈

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はじめに

2026年1月15日、ベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャド氏がホワイトハウスでトランプ米大統領と会談し、2025年に受賞したノーベル平和賞のメダルを「贈呈」するという異例の出来事がありました。

マチャド氏は長年、独裁者とされるニコラス・マドゥロ前大統領に対抗してきたベネズエラ民主化運動の象徴的存在です。彼女がノーベル平和賞という最高の栄誉のメダルを他者に贈るという行為は、国際的に大きな注目を集めています。

この記事では、マチャド氏の行動の背景、トランプ大統領との関係、そしてノーベル委員会の見解について詳しく解説します。

マチャド氏とは何者か

ベネズエラ民主化運動のリーダー

マリア・コリナ・マチャド氏は1967年生まれのベネズエラの政治家です。実業家の家庭に生まれ、カトリック大学で産業工学の学位を取得しました。2000年代に選挙の透明性を求める市民団体「スマテ」を設立し、チャベス前政権時代から一貫して反政府活動を続けてきました。

マチャド氏は「自由市場と民主主義の擁護」「小さな政府」「人権と多様性の尊重」を掲げる自由主義的改革派として知られています。彼女は最も尊敬する政治家としてマーガレット・サッチャー元英首相を挙げており、国営企業の民営化を支持する立場をとっています。

2024年大統領選挙と弾圧

マチャド氏は2024年の大統領選挙への出馬を予定していましたが、政権の影響下にある最高裁判所によって15年間の被選挙権を剥奪されました。それでも彼女は野党統一候補を決める予備選で9割を超える支持を獲得し、代理候補としてエドムンド・ゴンサレス氏を擁立しました。

2024年7月の大統領選挙では、政府発表ではマドゥロ氏が勝利したとされましたが、野党側が収集した投票所の集計記録では、ゴンサレス氏が2対1以上の差で勝利していたことが示されました。米国務省や国連の選挙監視団も野党側の主張を支持しています。

ノーベル平和賞受賞

2025年10月、マチャド氏は「ベネズエラの民主的権利を向上させるための不断の努力と、独裁政権から民主主義への公正かつ平和的な移行を達成するための闘争」に対してノーベル平和賞を受賞しました。

しかし、マドゥロ政権による弾圧のため、12月10日の授賞式には間に合わず、長女が代わりに受賞演説を代読しました。マチャド氏は米国の民間警備会社の協力を得て秘密裏にベネズエラを脱出し、翌11日にオスロに到着しました。

トランプ大統領へのメダル贈呈

会談の経緯

2026年1月15日、マチャド氏はホワイトハウスでトランプ大統領と初めて直接対面しました。この会談は、同年1月3日に米軍がマドゥロ前大統領を拘束した直後という重要なタイミングで行われました。

会談後、マチャド氏はノーベル平和賞のメダルをトランプ大統領に「贈呈した」と発表しました。メダルは金色の額縁に入れられ、「平和のための強さ、外交の推進、自由と繁栄の擁護における卓越したリーダーシップへの感謝」と記されていたと報じられています。

マチャド氏の意図

マチャド氏はこの行為について、歴史的な比喩を用いて説明しました。200年前、アメリカ独立戦争の英雄ラファイエット侯爵が南米解放運動の指導者シモン・ボリバルに贈り物をしたように、自分もベネズエラを「解放」したトランプ大統領に敬意を表したかったというのです。

実は、マチャド氏は2025年10月のノーベル平和賞受賞発表の直後から、「この賞をトランプ大統領に捧げたい」と繰り返し発言しており、物議を醸していました。親米派として知られる彼女は、トランプ大統領のベネズエラ政策への支持を明確にしてきました。

トランプ大統領の反応

トランプ大統領はメダルを受け取り、ソーシャルメディアでマチャド氏に感謝の意を表明しました。トランプ大統領は以前から、安倍晋三元首相やカンボジアのフン・マネット首相など複数の国の指導者からノーベル平和賞候補に推薦されており、この賞への強い関心を持っていることで知られています。

ノーベル委員会の見解

称号は譲渡不可

ノルウェーのノーベル委員会は、この件について明確な声明を発表しました。「メダルの所有者が変わることはあり得るが、ノーベル平和賞受賞者の称号を譲渡することはできない」というのが公式見解です。

2026年1月9日には、ノーベル研究所が「ノーベル賞は取り消すことも、分け合うことも、他者に譲渡することもできない」とする声明を改めて発表しました。つまり、マチャド氏がメダルという物理的なオブジェクトをトランプ大統領に贈ったとしても、2025年のノーベル平和賞受賞者はあくまでもマチャド氏であり続けるということです。

ノーベル賞の規則

ノーベル賞の選考過程は50年間非公開とされており、毎年厳格なルールに基づいて運営されています。受賞者は受賞を辞退することは可能ですが、一度授与された賞を他者に「譲る」という仕組みは存在しません。

過去には、ジャン=ポール・サルトルが1964年の文学賞を辞退した例や、レ・ドゥク・ト(北ベトナム)が1973年の平和賞を辞退した例がありますが、受賞を他者に譲渡しようとした例は前例がありません。

政治的背景と今後の展望

ベネズエラ情勢の現状

2026年1月3日、米軍の軍事作戦によりマドゥロ前大統領が拘束され、ニューヨークで裁判を受けることになりました。ベネズエラでは現在、デルシー・ロドリゲス副大統領が暫定大統領として90日間の任期を務めることが最高裁によって決定されています。

マチャド氏と野党陣営は、2024年の大統領選挙で勝利したとされるゴンサレス氏が正式に大統領に就任すべきだと主張しています。しかし、トランプ政権の姿勢は必ずしも明確ではなく、マチャド氏の政治的将来については不透明な状況が続いています。

マチャド氏の立場

報道によると、マチャド氏はホワイトハウスを去る際、トランプ大統領のブランドグッズが入った袋を持っていたものの、自身の政治的な立場についての明確な約束は得られなかったとされています。メダル贈呈という象徴的な行為が、トランプ政権からの具体的な支援につながるかどうかは、今後の展開を見守る必要があります。

まとめ

マリア・コリナ・マチャド氏がトランプ大統領にノーベル平和賞のメダルを贈呈したことは、政治的に極めて象徴的な出来事でした。しかし、ノーベル委員会が明確にしているように、メダルという物品は譲渡できても、ノーベル賞受賞者という称号は譲渡できません。

この出来事は、ベネズエラの民主化運動と米国の外交政策が複雑に絡み合う現在の国際情勢を反映しています。マチャド氏の行動がベネズエラの将来にどのような影響を与えるのか、また米国がベネズエラの政治移行をどのように支援するのかは、引き続き注目すべき重要なテーマです。

参考資料:

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