Research

Research

by nicoxz

NVIDIAが好決算で時間外4%高、市場の注目点を解説

by nicoxz
URLをコピーしました

はじめに

米半導体大手NVIDIAが2026年2月25日(米国時間)に発表した2026会計年度第4四半期(2025年11月〜2026年1月)決算は、売上高・利益ともに市場予想を大きく上回る結果となりました。決算発表直後の時間外取引では、株価が一時4%上昇し202.92ドルをつける場面もありました。

時価総額約4.7兆ドル(約730兆円)で世界最大の上場企業であるNVIDIAの決算は、米国株式市場全体のセンチメントを左右する重大イベントです。この記事では、決算の主要数値と市場の反応、そして今後の注目ポイントを詳しく解説します。

売上高681億ドル、市場予想を4%上回る

全社業績のハイライト

NVIDIAの第4四半期売上高は681億2700万ドル(約10兆6000億円)に達しました。前年同期比で73%増、前四半期比でも20%増と、同社史上最大の四半期売上高を記録しています。市場のコンセンサス予想は約655億ドルでしたので、約4%の上振れです。

1株あたり利益(EPS)はGAAPベースで1.76ドル、Non-GAAPベースで1.62ドルとなりました。アナリストのコンセンサス予想1.52ドルを大きく上回り、いわゆる「ウィスパーナンバー」の1.56ドルも超える結果です。

純利益は429億6000万ドルで前年同期比94%増となり、四半期ベースでの過去最高を更新しました。粗利益率はGAAPベースで75.0%、Non-GAAPで75.2%と高水準を維持しています。

データセンター事業が牽引

売上高の91%以上を占めるデータセンター事業の売上は623億ドルに達し、前年同期比75%増という驚異的な成長を示しました。AI向けGPU需要の集中が鮮明です。

特に注目すべきは、最新のBlackwellアーキテクチャのGPUがデータセンター売上の約3分の2を占めるまでに急成長している点です。Blackwellは前四半期に出荷が本格化したばかりですが、AI推論のコスト効率を大幅に改善できることから、クラウド大手やAIスタートアップからの需要が急増しています。

市場予想を超えたガイダンスが最大のサプライズ

来期売上高780億ドルの衝撃

実績以上に市場を驚かせたのは、2027会計年度第1四半期(2026年2〜4月)の売上高ガイダンスです。NVIDIAは780億ドル(±2%)を提示しました。ウォール街の予想は約720億ドルでしたから、約8%の上振れとなります。

前年同期比で約50%の成長を見込むこのガイダンスは、AI需要がまだ加速段階にあることを示唆しています。特にBlackwellの供給が拡大するにつれ、これまで供給制約で取りこぼしていた需要を取り込めるようになるとNVIDIAは見ています。

アナリストの反応

決算発表後、11人のアナリストが今後の業績予想を上方修正しました。来期以降のEPS予想は1.67ドルから2.22ドルのレンジに引き上げられています。Stifelのルーベン・ロイ氏は、決算内容を受けて市場全体の業績予想がさらに上方修正される可能性を指摘しています。

ただし、時間外取引での上昇率は当初の約3%から一時4%に拡大したものの、決算説明会の進行中に0.5%程度まで縮小する場面もありました。このことは、好決算への期待がすでに株価に相当程度織り込まれていたことを示しています。

投資家が注目すべき3つのポイント

Blackwellの供給拡大ペース

現在、NVIDIAのAI向けGPUは需要が供給を大幅に上回る状態が続いています。Blackwellの量産が本格化する2026年後半にかけて、供給制約がどの程度解消されるかが業績のカギを握ります。

ジェンスン・ファンCEOは決算説明会で「エージェント型AIの転換点が到来した」と述べ、AI推論向けの需要がトレーニング向けと同等以上の規模に成長する見通しを示しました。推論需要の拡大は、GPUの追加導入を促す要因となります。

競合環境の変化

AMDやIntel、さらにGoogle、Amazon、Microsoftといったクラウド大手が自社開発のAIチップを強化しています。NVIDIAのCUDAエコシステムによる優位性は当面揺るがないと見られますが、中長期的には市場シェアの推移を注視する必要があります。

地政学リスク

米中間の半導体輸出規制は依然としてリスク要因です。中国向け売上は全体の10%程度とされますが、規制強化があれば業績への影響は避けられません。トランプ政権下での対中政策の動向も注視が必要です。

まとめ

NVIDIAの2026会計年度Q4決算は、売上高681億ドル・純利益430億ドルと市場予想を大きく上回り、AI需要の力強さを改めて証明しました。来期ガイダンスも780億ドルと予想を超え、Blackwellの本格稼働による成長加速が期待されます。

投資家にとっては、時価総額世界最大の企業の決算が市場予想を上回った安心感がある一方、時間外の上昇が限定的だったことは、今後の成長がどこまで持続するかに市場の関心が移りつつあることを示唆しています。AI半導体市場の動向を見極める上で、NVIDIAの次回決算と競合各社の動きを継続的にウォッチすることが重要です。

参考資料:

関連記事

最新ニュース