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by nicoxz

コメ高騰でパスタ市場が急伸、内食回帰の実態

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はじめに

2025年から続くコメ価格の高騰が、日本の食卓に大きな変化をもたらしています。かつて「主食といえばコメ」だった日本の消費者が、パスタやうどん、パンといった小麦製品へと購買行動をシフトさせています。

特に注目すべきは、コロナ禍で一度高まった内食(家庭内での食事)需要が、物価高を背景に再び勢いを増している点です。外食から内食への回帰が進む中、手軽で保存性に優れたパスタが「第二の主食」としての地位を確立しつつあります。

本記事では、コメ価格高騰の背景とパスタ市場の急成長、そして消費者の購買行動の変化について詳しく解説します。

コメ価格高騰が引き起こした主食シフト

令和の米騒動から続く価格上昇

2024年夏に発生した「令和の米騒動」以降、コメの価格は高止まりが続いています。2025年産米の価格は前年比で大幅に上昇し、2026年に入っても下落の兆しは見えていません。農林水産省のデータによると、家庭用コメの小売価格は2024年比で依然として高い水準を維持しています。

この背景には、2024年夏の猛暑による不作、インバウンド需要の増加、そして流通構造の変化があります。生産コストの上昇も加わり、コメは「安くて当たり前」の食品ではなくなりつつあります。

消費者の3人に1人がコメ消費を減少

コメ価格の高騰は消費者行動に明確な影響を与えています。調査によると、コメ価格高騰を受けて3人に1人が消費量を減らしたと回答しています。代わりにパン、うどん、パスタなどの小麦製品を積極的に取り入れる傾向が顕著です。

特に朝食や昼食での主食の切り替えが進んでおり、「夕食はコメだが、朝はパン、昼はパスタ」という使い分けが定着しつつあります。専門家は「代替ときどき米」というスタイルが長続きのコツだと指摘しています。

代替食品の価格優位性

冷凍うどんは1玉50円前後、パスタは1食(約80g)あたり80円ほどと、コメと比較して明確な価格優位性があります。2025年4月には政府の小麦売渡価格が平均4.6%引き下げられたこともあり、小麦製品はコメよりも割安感が強まっています。

食品スーパーの売上データでも、この傾向は明確です。2025年1月時点で、スパゲッティの売上は前年同月比8.7%増、包装餅が9.4%増、冷凍ピザ・グラタン類が8.2%増と、コメ代替となる食品が軒並み伸長しています。

パスタ市場の成長と業界の戦略

国内パスタ市場は年間供給量30万トンも視野に

日本のパスタ市場は着実な成長を続けています。日本パスタ協会のデータによると、国内のパスタ年間供給量は30万トンも視野に入る水準まで拡大しています。コメの価格高騰による主食代替需要が追い風となり、乾麺パスタ、冷凍パスタともに販売が好調です。

2024年8月には、米不足の影響を受けてスパゲッティの金額PIが前年比17.9%増と2ケタの伸長を記録しました。この勢いは2025年以降も継続しており、パスタは「非常時の代替品」から「日常の主食の一つ」へと位置づけが変化しています。

日清製粉ウェルナの攻勢

パスタ市場の拡大を受け、業界大手の日清製粉ウェルナは積極的な戦略を展開しています。2026年春には新製品60品(常温41品、冷凍19品)と業務用4品を投入し、売上目標100億円を掲げています。

同社の戦略の柱は3つあります。第一に、看板ブランド「青の洞窟」のリブランディングです。高級パスタソースの代名詞として知られる同ブランドを全面刷新し、新たな顧客層の開拓を図っています。第二に、生パスタ市場の創造です。乾麺に加えて「もちもち生パスタ」など、食感にこだわった製品で差別化を進めています。第三に、冷凍パスタ市場での高付加価値製品の展開です。

共働き世帯が支える簡便食需要

パスタ市場の成長を支えているのは、共働き世帯の増加です。袋のままレンジで2分という手軽さの常温生パスタや、本格的な味わいの冷凍パスタは、忙しい共働き世帯から高い評価を得ています。

「調理が簡単」「保存がきく」「味のバリエーションが豊富」というパスタの特性は、現代の消費者ニーズと合致しています。パスタソース市場も連動して拡大しており、「家で手軽に本格イタリアン」というニーズを取り込んでいます。

注意点・展望

小麦価格の変動リスク

パスタの原料である小麦(デュラム小麦)は、国際相場の影響を受けやすい食材です。現在は政府売渡価格の引き下げにより割安感がありますが、ウクライナ情勢や気候変動の影響で小麦価格が急騰するリスクは常に存在します。コメからパスタへの完全な切り替えは、別のリスクを抱えることになる点には注意が必要です。

栄養バランスへの配慮

パスタは低GI食品で血糖値を上げにくいという利点がありますが、コメと比較すると食物繊維やビタミン・ミネラルの構成が異なります。主食を多様化すること自体は栄養面でもプラスですが、具材の選び方で栄養バランスを補うことが重要です。

今後の市場見通し

グローバルパスタ市場は2026年から2034年にかけて79.81億ドルから120.13億ドルへと成長し、年平均成長率5.24%が予測されています。日本市場においても、コメ価格の高止まりが続く限り、パスタの主食代替需要は継続すると見込まれます。

まとめ

コメ価格の高騰は、日本人の主食に関する意識を大きく変えつつあります。パスタはその値頃感、保存性、調理の手軽さから、内食回帰の流れの中で存在感を高めています。

日清製粉ウェルナをはじめとする食品メーカーは、この好機を逃さず新製品を投入し、市場の拡大を図っています。消費者としては、コメとパスタを上手に使い分けながら、栄養バランスと家計の両立を目指すことが賢明な選択といえるでしょう。

参考資料:

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