安青錦が初場所2連覇達成、新大関Vは20年ぶりの快挙
はじめに
2026年1月25日、大相撲初場所千秋楽で新大関・安青錦(あおにしき)が2場所連続2度目の優勝を遂げました。12勝3敗で並んだ平幕・熱海富士との優勝決定戦を首投げで制しての栄冠です。
新大関での優勝は2006年夏場所の白鵬以来、実に20年ぶり9人目の快挙となりました。さらに、関脇から新大関としての2場所連続優勝は、双葉山以来89年ぶり史上2人目という歴史的記録です。
ウクライナ出身の21歳が相撲界に旋風を巻き起こしています。この記事では、安青錦の優勝、その経歴、そして横綱昇進への展望について解説します。
初場所優勝の詳細
優勝決定戦を制す
初場所千秋楽の本割で、安青錦は大関・琴桜を寄り切りで破り、12勝3敗としました。同じく12勝3敗とした熱海富士との優勝決定戦に臨み、首投げで勝利を収めて2度目の賜杯を手にしました。
熱海富士は西前頭4枚目の位置にいながら優勝争いに絡む健闘を見せましたが、決定戦では安青錦の力強さに屈しました。
横綱対決の結果
千秋楽の結びでは、横綱・豊昇龍と横綱・大の里の対戦も行われました。注目の横綱対決となりましたが、優勝争いの主役は新大関・安青錦でした。
歴史的快挙の数々
安青錦の今回の優勝は、複数の歴史的記録を塗り替えるものとなりました。
新大関優勝: 新大関での優勝は2006年夏場所の白鵬以来20年ぶり、史上9人目です。
関脇→新大関2連覇: 関脇から新大関としての2場所連続優勝は、年2場所制時代の1936年夏場所→1937年春場所で双葉山が達成して以来89年ぶり。現在の年6場所制では史上初の快挙です。
安青錦の経歴
ウクライナから角界へ
安青錦ことダニーロ・ヤウフスィシンは2004年3月23日、ウクライナ・ヴィーンヌィツャで生まれました。7歳から相撲を始め、2019年の世界ジュニア相撲選手権大会では3位入賞を果たしています。
日本の相撲に憧れ、特に貴乃花と朝青龍が全身でぶつかり合った2002年9月場所の一番に感銘を受け、「いつか日本の土俵に立ちたい」という強い思いを抱いていました。
戦禍を逃れて来日
2022年2月にロシアのウクライナ侵攻が始まり、18歳以上の男性は出国が制限されることから、相撲を続けられる環境を求めて同年4月に来日しました。
2019年の世界ジュニア選手権で知り合った関西大学相撲部主将の自宅に居候し、関西大学や報徳学園の相撲部で稽古を積みました。報徳学園の相撲部監督が元関脇・安美錦(現安治川親方)に紹介したことがきっかけで、2022年12月に安治川部屋の研修生となりました。
四股名の由来
「安青錦」という四股名は、師匠の安美錦から「安」と「錦」、「青」はウクライナ国旗の青色から取っています。ウクライナへの思いを土俵で体現する名前となっています。
驚異のスピード出世
史上最速の関脇昇進
安青錦は2023年9月場所で初土俵を踏みました。そこからわずか13場所で関脇に昇進。付出入門者を除く初土俵から所要13場所での関脇昇進は、年6場所制となった1958年以降では小錦の14場所を抜き史上最速となりました。
史上最速の大関昇進
2025年11月場所で初優勝を果たし、同月26日に大関昇進が正式決定しました。初土俵から所要14場所での大関昇進は、琴欧州の19場所を更新する史上最速記録です。
21歳8ヶ月での昇進は史上4位の年少記録でもあります。ウクライナ出身の大関は史上初という歴史的な昇進となりました。
初優勝から連覇へ
2025年11月場所の千秋楽では、本割で琴桜を内無双で破り、優勝決定戦では横綱・豊昇龍を送り投げで下して初の幕内最高優勝を達成しました。
そして今回の初場所でも優勝し、新大関として2場所連続優勝という偉業を成し遂げました。
優勝インタビューでの異例の行動
千秋楽の優勝インタビューで、安青錦は四方に体を向けて礼をするという異例の行動を見せ、場内を沸かせました。21歳の若さながら、ファンへの感謝を表現する姿勢が話題となりました。
解説者も「21歳ですよ」と感心した様子で、人間性の良さも角界で高く評価されています。
横綱昇進への展望
来場所が綱取り場所に
安青錦は次の春場所(3月場所)が横綱昇進への挑戦場所となります。大関昇進伝達式で「大関の名に恥じぬよう、またさらに上を目指して精進いたします」と述べたように、横綱を見据えた発言を重ねています。
高田川審判部長は「楽しみでしかない」と期待を寄せています。
大関2場所通過なら歴史的快挙
もし春場所でも優勝して横綱に昇進すれば、大関を2場所で通過することになります。これは昭和以降で双葉山、照国に続く3人目の快挙となります。
「自信はある」
記者会見で安青錦は「もう一つ上の番付がある。全部を強くしないと上がれないので、さらに稽古をしていく。自信はある」と横綱昇進への決意を披露しています。
ウクライナへの思い
母国を背負って
戦禍にあるウクライナを離れて来日した安青錦は、常に母国への思いを胸に相撲を取り続けています。ウクライナ国旗の青を四股名に入れ、土俵で活躍することで母国に元気を届けたいという思いがあります。
国際的な注目
ウクライナ出身力士の活躍は、日本国内だけでなく国際社会からも注目を集めています。相撲という日本の伝統文化を通じて、ウクライナと日本の架け橋となる存在として期待されています。
まとめ
安青錦の初場所2連覇は、新大関での優勝20年ぶり、関脇から新大関での2連覇89年ぶりという歴史的快挙となりました。
ウクライナから戦火を逃れて来日し、わずか3年半で角界の頂点に迫る21歳の活躍は、相撲ファンだけでなく多くの人々に感動を与えています。
来場所は横綱昇進がかかる重要な場所となります。「青い目のウルフ」とも呼ばれる安青錦が、さらなる歴史を刻むか注目です。
参考資料:
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