天皇ご一家6年ぶり大相撲観戦、愛子さまの相撲愛とは
はじめに
2026年1月18日、両国国技館で6年ぶりとなる天覧相撲が行われました。天皇、皇后両陛下と長女の愛子さまが貴賓席から大相撲初場所8日目の取組を観戦され、取組が終わるたびに盛んに拍手を送られました。
天覧相撲は2020年初場所14日目以来で、令和になってからは2度目です。新型コロナウイルスの感染拡大により2021年から2025年までの5年間は実施されておらず、多くの相撲ファンにとって待望の再開となりました。
本記事では、愛子さまの相撲ファンとしての一面、天覧相撲の歴史と意義、そして今場所の見どころについて解説します。
愛子さまの知られざる相撲愛
幼稚園時代から始まった「スー女」歴
皇室の相撲好きは広く知られていますが、愛子さまの相撲愛は特に熱心なものとして有名です。学習院大学の幼稚部に通われていた頃から始まり、幼稚園から帰宅されるとすぐにテレビの衛星放送をつけ、幕下の取り組みからご覧になっていたといわれています。
愛子さまが初めて国技館にお出ましになったのは2006年、まだ4歳の頃でした。場所が始まると毎日テレビを見て星取り表までつけておられたそうです。主な力士をフルネームで覚え、決まり手を職員らを相手に再現するなど、並々ならぬ興味を示されていました。
専門家も驚く相撲知識
2020年の天覧相撲の際には、説明役の八角理事長(元横綱北勝海)に対して「土俵の高さは何cmですか?」などと専門的な質問をされ、周囲を驚かせました。
また、愛子さまはモンゴル出身力士への敬意も深く、その故郷を愛する気持ちを尊重してモンゴル名でお呼びになっているとのことです。熱心な相撲ファン「スー女」の間では、お気に入りの力士をモンゴル名で呼ぶのは定番であり、愛子さまもその文化に通じておられます。
今回の観戦でもメモを取る熱心さ
今回の天覧相撲でも、愛子さまは薄い桜色の振り袖姿で来館され、手元のパンフレットを見ながら、星取表や決まり手とみられるメモを熱心に取っておられました。愛子さまの天皇皇后両陛下への同行は、皇太子夫妻時代を含めて通算4回目となります。
天覧相撲の歴史と意義
古代から続く天皇と相撲の関係
天覧相撲の歴史は非常に古く、相撲の起源自体が『日本書紀』に記された垂仁天皇7年(紀元前23年頃)の天覧相撲にあるとされています。当麻蹴速(たいまのけはや)と野見宿禰(のみのすくね)による勝負を天皇がご覧になったという伝承です。
その後も歴代天皇が相撲を楽しまれ、明治維新後も皇室と相撲界の関係は続いています。特に1884年(明治17年)3月10日に行われた明治天皇の天覧相撲は、欧風化の風潮の中で苦闘していた相撲界復活の契機として、大きな転機となりました。
戦後の天覧相撲
1955年(昭和30年)夏場所10日目に戦後初の天覧相撲が行われ、国技館の本場所で天皇が国民とともに観戦されるのは初めてでした。以来、昭和天皇の天覧相撲は40回を数え、上皇陛下(平成)は22回観戦されています。
現在の天覧相撲では、国技館正面玄関で横綱以下役力士全員または理事が出迎え、八角理事長が両陛下を貴賓席(両国国技館2階正面の最前列)まで案内します。日曜日に行われることが慣例で、1月場所の中日(なかび)が最も多く選ばれています。
特別な作法「御前掛かり土俵入り」
天覧相撲や台覧相撲(天皇以外の皇族による観戦)の際には、「御前掛かり土俵入り」という特別な作法の土俵入りが行われます。力士たちは正面に向かって4列5段で並び、普段の略式とは異なる「本式」の土俵入りを披露します。
天覧相撲は天皇にとって公務ではなく私的な活動と位置づけられていますが、相撲協会にとっては非常に名誉なことであり、場所全体の雰囲気が引き締まるとされています。
初場所8日目の見どころ
横綱・大関総崩れの波乱
天皇ご一家が観戦された初場所8日目は、まさかの横綱・大関総崩れという波乱の展開となりました。1敗対決に勝った霧島が優勝争いで急浮上し、場内は大きな盛り上がりを見せました。
ご一家は取組が終わるたびに盛んに拍手を送られ、説明役の八角理事長と言葉を交わされる場面も見られました。
2026年初場所の注目点
今場所は7年ぶり、令和になって初めて東西の横綱(大の里、豊昇龍)が揃って出場しています。また、2025年九州場所で初土俵からわずか14場所で幕内最高優勝を果たした安青錦(ウクライナ出身)が新大関として注目を集めています。
東の大関・琴櫻、返り咲き組の関脇・霧島と高安など、幕内上位陣の熱戦が繰り広げられており、チケットは早々に完売。2026年も大相撲人気の継続が確実視されています。
皇室と国技の特別な関係
相撲界にとっての天覧相撲
天覧相撲が行われる際には、関係者に「行幸啓記念」と赤文字で書かれた大入り袋が配られます。通常の大入り袋とは異なる特別なもので、力士や親方にとって大きな名誉となっています。
しかし、不祥事などにより協会が招待を辞退する場合もあり、皇室との関係は相撲界の姿勢を問うものでもあります。
6年ぶりの再開が意味するもの
新型コロナウイルスの影響で5年間中断されていた天覧相撲が再開されたことは、社会が正常化に向かっていることの象徴的な出来事でもあります。
日本の国技として、また伝統文化として、大相撲は皇室とともに歩んできました。愛子さまのように次世代にも相撲への関心が受け継がれていることは、この伝統が今後も続いていくことを示しています。
まとめ
6年ぶりとなった天覧相撲は、皇室と大相撲の深いつながりを改めて示す機会となりました。幼少期から熱心な相撲ファンである愛子さまが、メモを取りながら観戦される姿は、多くの国民に親しみを与えたことでしょう。
天覧相撲には古代から続く長い歴史があり、相撲界にとっては最高の名誉です。今回の8日目は横綱・大関総崩れという波乱の展開となり、ご一家には記憶に残る観戦となったのではないでしょうか。
初場所は1月25日の千秋楽まで続きます。今場所の優勝力士がどなたになるか、横綱・大関の巻き返しがあるか、ファンの注目が集まっています。
参考資料:
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