東電が柏崎刈羽にデータセンター構想 AI電力需要を狙う新戦略
東電、柏崎刈羽原発でデータセンター開発へ
東京電力ホールディングス(HD)は、新潟県の柏崎刈羽原子力発電所の周辺でデータセンターを開発する計画を進めています。この取り組みは、原子力発電所からの電力と情報通信インフラを一体として活用し、AI向けの電力需要を取り込むことを狙いとした戦略です。
背景:電力需要と収益改善の狙い
生成AIや大規模言語モデルの普及により、データセンターの電力需要は急増しています。日本政府も既存原発の活用を進める方針を掲げており、AIインフラ需要との結びつきが強まっています。
東電にとっても、柏崎刈羽原発の再稼働による収益改善と並行して、新しい事業収益の柱を育てる狙いがあります。
計画の概要
- 柏崎刈羽原発の電力を利用したデータセンターを建設
- 異業種と連携し、電力・通信インフラを一体運営
- 生成AI・クラウド向けの高電力需要を取り込み
- 原発電力を水素製造にも活用し、脱炭素社会への貢献を目指す
柏崎刈羽原発との関係
この構想は、柏崎刈羽原発の再稼働計画と連動しています。地元同意の手続きが進み、1基の再稼働が視野に入る中で、再稼働電力の新たな利用先としてデータセンターが浮上しました。
なぜ原発近接地なのか
- 大容量の安定電力が確保できる
- 送電ロスが少ない
- 地元の雇用・経済活性化に寄与できる
- 脱炭素エネルギーとしてブランド価値が高い
課題と展望
- 原発立地に対する地域理解の確保
- AI電力需要の将来予測と設備投資のバランス
- 水素事業・再エネとの統合的運用
まとめ
東京電力は、電力会社から「データ×電源インフラ企業」への転換を模索しています。柏崎刈羽原発を軸に、AI需要や水素製造と連携した新しい電力活用モデルを打ち出すことで、脱炭素社会での存在感を強化しようとしています。
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