トライアルGO、AI顔認証レジで無人店舗化を推進

by nicoxz

はじめに

「コンビニのほぼ半額」—九州発のディスカウントストア、トライアルホールディングスが展開する「トライアルGO」が、コンビニ業界に衝撃を与えています。AIカメラによる顔認証決済システムや、電子棚札を活用した自動値下げなど、最先端技術を駆使した「スマートストア」が首都圏に進出し、小売業界の勢力図を塗り替えようとしています。

2025年11月には東京・西荻窪駅北店と富士見台駅北店の2店舗をオープン。365日24時間営業で、無人に近い運営を実現しながら、低価格を武器に顧客を獲得しています。

本記事では、トライアルGOの仕組み、導入されている最先端技術、そして小売業界への影響について解説します。

トライアルGOとは

小型スマートストア業態

トライアルGOは、トライアルホールディングスが展開する小型スマートストアです。従来のトライアルは1,200〜1,500坪の大型スーパーセンターが主力でしたが、トライアルGOは40〜300坪程度とコンパクトな店舗設計になっています。

この小型化により、都市部や住宅地など、土地に限りのあるエリアにも出店が可能になりました。コンビニエンスストアと同程度の立地条件で展開できるのが強みです。

24時間365日営業

トライアルGOは24時間365日営業を基本としています。深夜や早朝でも買い物ができ、生活者のあらゆる時間帯のニーズに対応します。

コンビニと同様の利便性を持ちながら、ディスカウントストアならではの低価格を実現している点が、消費者から支持されている理由です。

導入されている最先端技術

AIカメラによる24時間顔認証決済

トライアルGOの核となる技術が、AIカメラによる「24時間顔認証決済システム」です。2022年4月に福岡県宮若市にオープンした「トライアルGO脇田店」で、日本初となる顔認証による酒類購入が可能なシステムを導入しました。

顔認証システムにより、酒類購入時の年齢確認が不要になります。従来はスタッフによる確認が必要でしたが、顔認証で自動的に年齢確認が完了し、セルフレジでの購入が可能になりました。

電子棚札と自動値下げシステム

店内の商品には電子棚札が導入されており、AIカメラと連動して自動で値下げを行うシステムが稼働しています。

バーコード情報にある商品ごとの賞味期限から計算し、時間に応じて自動的に値下げを実施。これにより、食品ロスの削減と、消費者への割引提供を両立しています。人手を介さず、リアルタイムで価格が変動する仕組みです。

スマートショッピングカート

トライアルでは「スマートショッピングカート」も導入しています。カートにタブレット端末が搭載されており、商品をカートに入れる際にバーコードをスキャンすることで、レジに並ぶ時間を大幅に短縮できます。

顔認証決済とスマートショッピングカートを併用することで、店舗運営に必要な人員を大幅に削減し、省人化を実現しています。

首都圏進出の衝撃

コンビニ業界の警戒

日本経済新聞の報道によると、トライアルGOの首都圏進出に対し、コンビニエンスストア業界からは警戒の声が上がっています。「コンビニのほぼ半額」という価格設定は、既存のコンビニにとって大きな脅威です。

セブン-イレブンの店主からも、トライアルGOの動向を注視しているとの声が聞かれます。24時間営業、小型店舗、生活必需品の品揃えと、コンビニと競合する要素が多いためです。

西友との連携

トライアルホールディングスは西友の株式を取得しており、買収した西友の店舗で調理した「出来たて」の弁当や総菜をトライアルGOでも販売しています。

これにより、単なるディスカウントストアではなく、品質面でもコンビニに対抗できる体制を整えています。

低価格の実現方法

トライアルGOが低価格を実現できる理由は、AIやIoTを活用した徹底的な効率化にあります。必要な部分の人手は維持しつつ、無駄なオペレーションを自動化・効率化することでコストを抑えています。

また、大量仕入れによるバイイングパワーや、プライベートブランド商品の展開も低価格の要因です。

無人店舗化への道

将来的な完全無人化を目指す

トライアルは、将来的な完全無人店舗の実現を目指しています。現在でも深夜帯は最小限のスタッフで運営されていますが、顔認証決済やAIカメラの精度向上により、さらなる無人化が可能になります。

課題と展望

完全無人化に向けては、万引きなどの犯罪対策、システムトラブル時の対応、高齢者など機器操作に不慣れな顧客への配慮などの課題があります。

しかし、人手不足が深刻化する中、省人化・無人化は小売業界全体のトレンドとなっており、トライアルの取り組みは業界の先駆けとして注目されています。

小売業界への影響

「Amazon Go」との比較

米国では、Amazonが無人コンビニ「Amazon Go」を展開しています。トライアルGOは「日本版Amazon Go」とも呼ばれ、テクノロジーを活用した無人店舗の国内展開として注目を集めています。

既存小売業への影響

トライアルGOの成功は、既存のコンビニやスーパーマーケットに大きな影響を与える可能性があります。特に、価格競争力と24時間営業の両立は、従来のビジネスモデルへの挑戦です。

他の小売チェーンも、AIやIoTの活用、省人化への投資を加速させる動きが予想されます。

まとめ

トライアルGOは、AIカメラによる顔認証決済、電子棚札の自動値下げシステム、スマートショッピングカートなど、最先端技術を駆使したスマートストアです。40〜300坪の小型店舗で24時間365日営業を実現し、「コンビニのほぼ半額」という低価格で首都圏に進出しています。

将来的には完全無人店舗を目指しており、人手不足が深刻化する小売業界において、新たなビジネスモデルとして注目されています。コンビニ業界からの警戒の声も上がる中、トライアルGOの動向は、日本の小売業界の未来を占う試金石となりそうです。

参考資料:

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