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by nicoxz

英国で個人の株式離れ続く、高値圏でもMMF選好

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はじめに

英国で個人投資家の株式離れが長期にわたって続いています。英国投資協会(IA)がまとめた投資信託の資金流出入データによると、2025年の英国株ファンドからの流出額は約111億ポンド(約2兆3,000億円)に達しました。

注目すべきは、この資金流出がFTSE100種総合株価指数の最高値圏で起きていることです。FTSE100は2026年1月に初めて10,000ポイントを突破し、2月にも過去最高値を更新し続けています。株価が上がっているにもかかわらず、英国の個人投資家はマネー・マーケット・ファンド(MMF)などの安全資産を選好する傾向を強めています。

10年続く英国株からの資金流出

Brexit以降の構造的変化

英国の個人資金が株式ファンドから流出する流れが始まったのは2016年です。英国のEU離脱(Brexit)を問う国民投票が行われたこの年を境に、英国株ファンドは毎年流出超となっています。

過去10年間で英国株ファンドから流出した資金は累計約710億ポンドに上ります。これは英国の個人投資家が自国株式市場から大規模に撤退し続けてきたことを意味しています。

2025年の資金フロー状況

英国投資協会の2025年データでは、リテールファンド全体で23億ポンドの純流出となりました。特に株式ファンドは168億ポンドの流出を記録しています。

地域別に見ると、英国株ファンドが111億ポンドの流出、グローバル株ファンドが48億ポンドの流出、北米株ファンドも下半期に20億ポンドの流出となりました。一方で、欧州株ファンドには7億6,100万ポンドの資金が流入しており、分散投資の動きが見られます。

MMFへの資金集中

2025年に最も資金を集めた資産クラスはMMFでした。年間69億ポンドの流入を記録し、過去最高の年間流入額を更新しています。MMFは元本の安全性が高く、2025年には年率約4.1%のリターンを実現していたことが人気の背景にあります。

投資家がリスク資産から安全資産へと資金を移す「リスクオフ」の動きが鮮明です。

FTSE100の最高値と個人離れの矛盾

史上初の10,000ポイント突破

FTSE100は2025年に20%以上の上昇を記録し、米国のS&P500指数(16.65%上昇)を上回るパフォーマンスを見せました。2026年1月2日には初めて10,000ポイントを突破し、2月12日には終値で10,472ポイントの最高値を記録しています。

この好調の背景には、金融セクターの堅調な業績、資源株の回復、そして海外からの機関投資家マネーの流入があります。

機関投資家が主導する市場

英国株市場で存在感を増しているのは海外を中心とする機関投資家です。FTSE100構成銘柄の多くは売上高の大部分を海外で上げるグローバル企業であり、外国人投資家にとって割安な投資先として注目されています。

カールスバーグによるブリトヴィックの買収など、英国企業への大型買収案件も相次いでおり、「割安な英国株」に対する海外資本の関心が高まっています。英国政府も国内投資家に自国株への投資を促す施策を打ち出していますが、個人投資家の心理は依然として慎重です。

なぜ個人投資家は英国株を避けるのか

個人投資家が英国株を敬遠する理由はいくつか挙げられます。

第一に、グローバル分散投資の流れです。英国株はMSCIワールド・インデックスの約4%しか占めておらず、パッシブ投資(インデックス投資)が普及するほど、英国株の比重は自然に低下します。

第二に、テクノロジーセクターの不在です。米国市場のようなテック大手が英国にはほとんど存在せず、近年の株式市場を牽引してきたAI・テクノロジー関連の成長銘柄への投資が英国株ファンドでは難しい状況です。

第三に、Brexitの影響です。EU離脱後の経済不確実性が長期にわたって投資家心理を冷やしてきました。10年経った今でも、その影響は個人投資家の行動に根強く残っています。

注意点・展望

今後の見通しとして、英国のイングランド銀行が利下げを継続すれば、MMFの利回りは低下し、その魅力は相対的に薄れていく可能性があります。2026年2月時点の政策金利は3.75%であり、さらなる利下げが予想されています。MMFの利回りがインフレ率(2025年12月時点で3.4%)を下回るようになれば、実質的にマイナスリターンとなります。

一方で、英国株の割安さは国際的に注目されています。FTSE100の株価収益率は米国株と比較して大幅に低く、配当利回りも魅力的な水準にあります。海外投資家の買いが続けば、いずれ英国の個人投資家も自国株の魅力を再評価する可能性があります。

ただし、10年にわたる資金流出の流れを反転させるには、テクノロジーセクターの育成やIPO市場の活性化など、英国株市場の構造的な課題を解決する必要があります。

まとめ

英国では個人投資家の株式離れが10年にわたって続いており、2025年だけで英国株ファンドから111億ポンドが流出しました。FTSE100が史上最高値を更新する中でも、個人資金はMMFなどの安全資産に向かっています。

この背景には、グローバル分散投資の普及、テクノロジー銘柄の不足、Brexit後の投資家心理の冷え込みといった構造的な要因があります。利下げ局面でMMFの魅力が低下する中、英国株が個人投資家の資金を取り戻せるかが今後の注目ポイントです。

参考資料:

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