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by nicoxz

ファミマ駐車場が新車展示場に変身、5000店で開始へ

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はじめに

コンビニエンスストア大手のファミリーマートが、店舗駐車場を活用した新たな収益源の開拓に乗り出します。駐車場の一角を自動車メーカーや販売店に貸し出し、新車の展示場として活用するサービスを2026年に開始する計画です。

日本全国に約1万6,000店舗を展開するファミマにとって、駐車場は大きな遊休資産です。この空きスペースを活用することで、店舗の収益力向上と自動車メーカーの販売機会拡大の両立を目指します。

この記事では、新サービスの詳細、すでに実施された試乗会の成果、そして海外メーカーにとってのメリットについて解説します。

新サービスの概要

約5000店舗が対象

ファミリーマートは、十分な広さの駐車場を備える全国約5000店舗を対象に、新車展示場としての貸し出しを行います。常時車両を展示するのではなく、メーカー側からの依頼を受けた後、1週間や1ヶ月単位で複数店舗の駐車場を貸し出す形式です。

駐車場にはメーカーの販売員が常駐し、購入希望者を接客します。店舗の近隣エリアで無料試乗ができるほか、イートインスペースを利用した商談にも対応します。

納車もファミマで可能に

契約が成立した場合、ファミマの店舗で納車することも検討されています。購入から納車まで、すべてをコンビニで完結できる可能性があります。

また、店頭に設置されているデジタルサイネージ(電子掲示板)の広告枠も自動車メーカーに販売します。展示場と連動した広告展開により、来店客への訴求効果を高める狙いがあります。

ヒョンデ試乗会の成功事例

300人超が試乗、即購入者も続出

この新サービスの背景には、すでに実施された試乗会の成功があります。韓国発の自動車メーカー、ヒョンデモビリティジャパンが2025年4〜5月、ファミリーマートの計10店舗の駐車場で試乗会を実施しました。

結果は予想を上回るものでした。300人超が試乗に参加し、体験から1週間以内に購入を決めた人が数十台に上りました。コンビニという身近な場所での試乗会が、自動車購入のハードルを大きく下げたと言えます。

コンビニならではの気軽さ

従来の自動車ディーラーでは、入店すること自体に心理的なハードルを感じる消費者も少なくありません。一方、コンビニは日常的に訪れる場所であり、「ついでに見てみよう」という気軽な気持ちで車に触れる機会を提供できます。

ファミマでは2024〜25年に、米テスラの電気自動車(EV)の試乗会も首都圏の店舗で開催しました。これらの取り組みで一定の販売実績を得られたことから、本格的な事業化を決定しました。

海外メーカーにとってのメリット

販売拠点の少なさを補完

日本国内で海外自動車メーカーが直面する課題の一つが、販売拠点の少なさです。国産メーカーと比較してディーラー網が薄く、消費者との接点を確保しにくい状況があります。

特に新規参入メーカーや、EVシフトを進めるメーカーにとって、全国に販売店を展開するには膨大なコストがかかります。ファミマの店舗網を活用すれば、低コストで幅広いエリアの消費者にリーチできます。

「売らないショールーム」との補完関係

近年、輸入車販売業界では「クルマを販売しないショールーム」が増えています。メルセデス・ベンツの「メルセデス・ミー」やボルボのEV専用拠点など、ブランドイメージの発信に特化した施設が東京都心を中心に展開されています。

これらのショールームはブランド体験を提供する場ですが、実際の試乗や購入はディーラーで行う必要があります。ファミマでの展示・試乗会は、こうした都心型ショールームを補完し、郊外や地方の消費者にもアプローチできる手段となります。

コンビニ駐車場活用ビジネスの広がり

空きスペース活用の新潮流

コンビニの駐車場を収益化する動きは、より広い「空きスペース活用ビジネス」のトレンドの一部です。店舗や施設の空きスペースを有効活用することで、新たな収入源を確保する取り組みが各業界で進んでいます。

キッチンカーへの場所貸し、時間貸し駐車場、シェアリングサービスなど、様々な形態が登場しています。ファミマの新車展示サービスは、こうしたトレンドの延長線上にある取り組みと言えます。

EV充電インフラとの連携

ファミリーマートは2010年から店舗への急速充電器の設置を推進しており、流通・小売業界ナンバーワンの全国約580店舗で展開しています。EV販売との親和性が高く、試乗後にそのまま充電体験もできる環境が整っています。

この充電インフラは、EVメーカーにとって大きな魅力です。「コンビニで充電できる」という利便性をアピールしながら、試乗会を実施できるからです。

注意点と今後の展望

フランチャイズ運営との調整

コンビニの多くはフランチャイズ店舗として運営されており、駐車場の活用には各オーナーとの調整が必要です。また、商品の仕入れトラックの駐車スペース確保など、店舗運営への影響も考慮しなければなりません。

ファミマは本部主導で仕組みを構築し、オーナーにとってもメリットのある収益分配モデルを設計する必要があります。

自動車販売の新たなチャネルとして定着するか

コンビニでの自動車販売が定着すれば、日本の自動車流通は大きく変わる可能性があります。特に、オンライン販売との組み合わせにより、ディーラーを介さない直接販売モデルが広がるかもしれません。

ヒョンデのように、オンライン購入をサポートする「Hyundai Citystore」を展開するメーカーにとって、ファミマでの試乗は購入前の体験機会として最適です。

まとめ

ファミリーマートの駐車場を新車展示場として活用するサービスは、コンビニと自動車業界の双方にメリットをもたらす取り組みです。ヒョンデの試乗会では300人超が参加し、即購入者も続出するなど、すでに成果が出ています。

全国約5000店舗という規模は、海外メーカーにとって魅力的な販売チャネルとなります。ディーラー網の構築コストを抑えながら、幅広い消費者にリーチできるからです。

2026年のサービス開始後、どれだけのメーカーが参入するか注目されます。コンビニで車を買う時代が、本格的に到来するかもしれません。

参考資料:

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