小林陵侑、ミラノ五輪ラージヒル6位から金メダルへの挑戦
はじめに
2026年2月14日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックのスキージャンプ男子個人ラージヒルがプレダッツォで開催されました。北京五輪ノーマルヒル金メダリストの小林陵侑選手は合計284.5点で6位にとどまり、2大会連続の個人メダル獲得はなりませんでした。
一方、22歳の二階堂蓮選手が295.0点で銀メダルを獲得し、日本スキージャンプ界に新たな光をもたらしました。大会9日目を迎えたミラノ五輪では、カーリング女子やデュアルモーグルなど他競技でも熱戦が繰り広げられています。
小林陵侑、1回目の出遅れが響く
ラージヒルでの戦い
小林陵侑選手は3度目のオリンピックに臨みました。北京五輪ではノーマルヒルで金メダル、ラージヒルで銀メダルという圧倒的な強さを見せたエースですが、ミラノ五輪では苦戦が続きました。
ラージヒル1回目、小林選手は131メートルの飛距離で134.9点を記録し、11位と出遅れました。2回目には138.5メートルの大ジャンプで149.6点をマークし追い上げたものの、合計284.5点で6位にとどまりました。メダル圏内にはわずかに届かない結果です。
ノーマルヒルでも8位
今大会の個人種目を振り返ると、ノーマルヒルでも260.6点で8位と、メダルには届きませんでした。北京五輪での圧倒的な強さと比較すると物足りない結果ですが、小林選手は「すごくエキサイティングなゲームで楽しかった」と試合を振り返りつつも、悔しさをにじませました。
一方で、混合団体では小林選手、二階堂蓮選手、髙梨沙羅選手、丸山希選手の4人で銅メダルを獲得しており、チーム力では存在感を示しています。
二階堂蓮、銀メダルの快挙
22歳の新星が躍進
ラージヒルで最も輝いたのは、日本の二階堂蓮選手でした。295.0点を記録し、見事に銀メダルを獲得しました。スロベニアのドメン・プレブツ選手が301.8点で金メダルを獲得し、二階堂選手は6.8点差の2位です。
二階堂選手の銀メダルは、日本スキージャンプ界にとって大きな意味を持ちます。北京五輪で小林選手が金メダルを獲得した際、二階堂選手はまだ国際舞台での実績が少ない若手でした。わずか4年で世界のトップレベルに到達したその成長は目覚ましいものです。
父から受け継いだ情熱
二階堂選手のバックストーリーも話題を集めています。大会中、父親から届けてもらったヘルメットで大ジャンプを決め、「親子2代の夢が詰まった舞台」でメダルを手にしました。
ミラノ五輪9日目の他競技見どころ
カーリング女子:フォルティウスの奮闘
カーリング女子日本代表のフォルティウスは、スキップ吉村紗也香選手を中心に戦っています。開幕2連敗と厳しい船出でしたが、第3戦では世界ランキング上位のスイスを7-5で破る大金星を挙げました。その後アメリカに4-7で敗れ、1勝3敗の状況です。
準決勝進出に向けて正念場が続きますが、スイス戦で見せた粘り強い戦いは、今後のリーグ戦で反撃の足がかりになるでしょう。
デュアルモーグル女子:五輪初採用の新種目
2月14日には、五輪初採用となるフリースタイルスキー女子デュアルモーグルの決勝トーナメントが行われました。2人の選手が並走して競うこの種目で、日本からは冨髙日向子選手、柳本理乃選手らが出場しました。
冨髙選手は準々決勝まで進出して7位入賞を果たしました。モーグル個人種目では4位とメダルにわずかに届かなかった冨髙選手でしたが、新種目でも安定した実力を発揮しました。金メダルはオーストラリアのジャカラ・アンソニー選手が獲得しています。
注意点・展望
小林陵侑選手にとって最後の種目となるのが、2月16日に行われる男子スーパーチームです。ミラノ五輪で初採用されるこの種目は、2人1組で競う新フォーマットです。日本は小林選手と二階堂選手のペアで臨みます。
ラージヒル後、小林選手は「蓮とも『次こそ金だな』って話した」と明かし、二階堂選手も「まだ1種目残っている。気持ちを切り替えて次は絶対に金を獲りに行きます」と宣言しています。個人種目では思うような結果が出なかった小林選手ですが、チーム戦では混合団体で銅メダルを獲得しており、二階堂選手との最強コンビで今大会初の金メダルを狙います。
テスト大会では小林・二階堂ペアが2位に入っており、本番でもメダル争いの中心となる実力は十分にあります。
まとめ
ミラノ五輪のスキージャンプ男子ラージヒルでは、小林陵侑選手が6位、二階堂蓮選手が銀メダルという結果になりました。小林選手にとっては悔しい大会が続いていますが、残るスーパーチームでの逆転劇に期待がかかります。
二階堂選手の銀メダルは、日本スキージャンプの次世代を担うエースの誕生を強く印象づけました。小林・二階堂の最強コンビが、2月16日のスーパーチームで有終の美を飾れるか、注目が集まります。
参考資料:
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