日経平均続落697円安、過熱感とAI懸念が重荷
はじめに
2026年2月13日の東京株式市場で、日経平均株価は続落しました。終値は前日比697円87銭(1.21%)安の5万6,941円97銭で、一時は下げ幅が900円を超え、心理的節目の5万7,000円を割り込む場面もありました。
直前の衆議院選挙での自民党大勝を受けて日経平均は3,000円以上急騰しており、短期的な過熱感を意識した利益確定売りが広がりました。さらに、AIによるソフトウェア業務の代替懸念から米国株が下落した流れも波及しています。本記事では、日経平均続落の背景と今後の見通しを解説します。
衆院選後の急騰と反動
自民党歴史的大勝が生んだ3,000円高
2月8日投開票の衆議院選挙で、自民党は単独で定数の3分の2を超える316議席を獲得する歴史的大勝を収めました。高市早苗首相の積極財政路線や成長戦略の実現性が高まったとの見方から、翌9日の日経平均は一時3,000円超の急騰を記録しました。
10日には終値として初めて5万7,000円台に乗せ、史上最高値を更新しました。AI・半導体やバイオなどの成長分野への政策的後押しや、危機管理投資の推進が期待されたことが背景にあります。
わずか3日で過熱感が台頭
しかし、急騰のスピードが速すぎたことから、短期的な過熱感が強く意識されるようになりました。テクニカル指標でも買われすぎのサインが点灯し、利益確定売りが出やすい状況でした。
13日は朝方から幅広い銘柄に売りが先行し、下げ幅は一時900円を超えました。週末を前にポジションを縮小する動きも加わり、売り圧力が強まりました。
AIによるソフトウェア代替懸念
米国発のAI不安が波及
13日の下落には、米国発のAI関連の不安材料も影響しました。2026年に入ってからAI新興企業が次々と高性能なAIエージェント機能を発表しており、既存のソフトウェア企業の事業を代替するとの懸念が広がっています。
米国では、AIエージェント向けプラグインの発表を受けて法務ソフトウェア関連株が20%前後の急落を記録するなど、ソフトウェア株への売りが加速しました。S&P500のソフトウェア・サービス指数は1月末からの約2週間で15%下落し、マイクロソフトは年初来16%安、アマゾンも11%以上の下落となっています。
日本のハイテク・ソフトウェア関連にも波及
この流れは東京市場にも波及しました。12日の米国株下落を受けて、日本のハイテク関連銘柄やソフトウェア関連株にも売りが広がりました。高性能AIが業務を代替し、幅広い企業で採算が悪化するとの懸念は、業種を問わず投資家心理を冷やす要因となっています。
AIは日本株にとって成長テーマでもありますが、同時にディスラプション(破壊)のリスクも内包しています。この二面性が、市場の不安定さにつながっています。
好決算銘柄が下値を支える
決算シーズンの反応はまちまち
2月は企業決算の発表が相次ぐ時期です。13日の相場では、好決算を発表した銘柄には買いが入り、日経平均の下値を支える場面がありました。
午前中に一時900円超の下落となった日経平均ですが、売り一巡後は好業績企業を中心に押し目買いが入り、終値では下げ幅を697円まで縮小しました。市場全体が弱含むなかでも、個別の業績を見極めて投資する選別物色の動きが確認されています。
セクター別の動向
衆院選後の政策期待から、防衛関連やインフラ関連は比較的底堅い動きを見せました。一方、ソフトウェアやIT関連は米国のAI懸念の影響を受けやすく、売りが目立つ展開でした。半導体関連は、AI需要の恩恵を受ける面と代替懸念の両面があり、銘柄ごとに明暗が分かれています。
注意点・展望
短期的な調整か、トレンド転換か
今回の下落は、急騰後の健全な調整との見方が主流です。衆院選での自民党大勝という強力なカタリスト(材料)があり、政策期待は引き続き相場の下支えとなります。
ただし、調整がどこまで続くかは不透明です。5万7,000円を明確に回復できるかどうかが、当面の焦点となります。下回る展開が続けば、利益確定売りがさらに加速する可能性もあります。
今後の注目ポイント
13日夜に発表された米国の1月CPIが市場予想を下回ったことは、FRBの追加利下げ期待を高め、株式市場にはプラス材料です。この流れが翌営業日の東京市場にどう波及するかが注目されます。
また、高市政権の具体的な政策発表のスケジュールも重要です。積極財政やAI・半導体への成長投資の具体策が示されれば、相場の新たな上昇材料となります。一方で、AIによるソフトウェア代替懸念は構造的な問題であり、短期間で解消される性質のものではありません。
まとめ
日経平均の697円安は、衆院選大勝後のわずか3日間で3,000円以上急騰したことへの反動が主因です。米国発のAIによるソフトウェア代替懸念も加わり、幅広い銘柄に売りが広がりました。
ただし、好決算銘柄への買いが下値を支えており、相場の底堅さも確認されています。短期的な調整局面と見られますが、5万7,000円の回復が次の焦点です。今後は米国CPIを受けた利下げ期待の波及効果や、高市政権の具体的な政策展開が相場の方向性を左右するでしょう。
参考資料:
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