Tech Research Lab

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by nicoxz

りそな・JCBがステーブルコイン決済に参入、消費者利用が本格化

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はじめに

日本の決済インフラが大きな転換点を迎えています。りそなホールディングスとJCB、デジタルガレージが連携し、ステーブルコインで個人が買い物できる仕組みを2027年度に実用化する計画を発表しました。

ステーブルコインとは、法定通貨の価値に連動するよう設計されたデジタル通貨です。これまで企業間送金での活用が中心でしたが、いよいよ個人消費の場面にも広がろうとしています。

この動きは、従来のクレジットカード決済では3〜10%にも及ぶ加盟店手数料を大幅に削減できる可能性があり、店舗と消費者の双方にメリットをもたらします。本記事では、この新たな決済サービスの仕組みや特徴、日本のステーブルコイン市場の現状について詳しく解説します。

りそな・JCB・デジタルガレージの取り組み

2025年度に実証実験を開始

りそなホールディングスとJCB、デジタルガレージの3社は、2025年度中に一部のJCB加盟店で実証実験を開始する予定です。利用者はスマートフォンなどを通じてステーブルコインでの支払いが可能になります。

取り扱う予定のステーブルコインは、円建ての「JPYC」とドル建ての「USDC」です。JPYCは2025年8月に資金移動業者第1号として登録を受けた日本初の円建てステーブルコインであり、1JPYC=1円で日本円に償還できる仕組みを持っています。

大手3社連携の意義

この取り組みは、2024年9月にりそなホールディングスとJCBが締結した業務提携契約の延長線上にあります。りそなグループの金融データや顧客基盤と、JCBのキャッシュレス決済ノウハウ・決済ネットワークを組み合わせることで、新たな決済ソリューションの開発を目指しています。

デジタルガレージはフィンテック分野での知見を持つIT企業であり、決済システムの技術基盤を担当すると考えられます。大手金融機関、国際ブランド、テクノロジー企業の3者が連携することで、実用性の高いサービス構築が期待されます。

ステーブルコイン決済のメリット

店舗側:決済手数料の大幅軽減

現在、クレジットカード決済の加盟店手数料は業種や規模によって3〜10%程度が相場です。大手小売店では1〜3%程度に抑えられるものの、個人経営の店舗では3〜5%、場合によっては5%以上かかることもあります。

ステーブルコイン決済では、ブロックチェーン技術を活用することでこの手数料を大幅に削減できます。送金コストは安い場合で1円以下になるとも言われており、特に中小店舗にとっては大きなコスト削減につながります。

消費者側:即時決済と新たな利便性

ステーブルコイン決済には、24時間365日利用可能な即時送金、スマートコントラクトによる決済自動化、国際送金コストの削減といったメリットがあります。

従来の国際銀行送金では、200ドル(約3万円)を送金する際に17.5%もの手数料がかかることがありました。ステーブルコインなら1円から世界中に最短数秒で送金が完了し、手数料も大幅に抑えられます。

加盟店の概念を超えた普及

従来のクレジットカードやQRコード決済は「加盟店」という契約関係が前提でしたが、ステーブルコインは理論上、契約なしに誰でも受け取ることができます。この特性は、将来的に決済インフラの形を大きく変える可能性を秘めています。

日本のステーブルコイン市場の現状

2025年は「ステーブルコイン元年」

2023年6月に改正資金決済法が施行され、ステーブルコインは「電子決済手段」として法的に位置づけられました。この法改正は世界でも先駆的な取り組みとして評価されています。

2025年8月には、JPYC社が資金移動業者として登録を完了し、国内初のステーブルコイン発行認可を取得しました。同年10月には円建てステーブルコイン「JPYC」の発行と償還が開始され、2025年は「ステーブルコイン元年」と呼ばれています。

国内外の企業が続々参入

国内では、GMOあおぞらネット銀行が発行する「DCJPY」が2024年8月から運用を開始し、北國銀行のトークン化預金「トチカ」も2024年4月から稼働しています。

SMBCグループも2025年4月にFireblocks、TIS、Ava Labsとステーブルコインに関する共同検討を開始しており、メガバンクの本格参入も始まっています。TISとJPYCは2026年内に「ステーブルコイン決済支援サービス」の正式提供開始を目指しています。

世界市場の拡大

世界的にもステーブルコイン市場は急成長しています。2025年9月時点で約2,700億〜3,000億ドル(約40〜44兆円)規模に達しており、テザー社のUSDTとサークル社のUSDCが全体の8割強を占めています。

2025年7月には米国でGENIUS法が成立し、ステーブルコインの法的枠組みが整備されました。これを受けて消費者や企業によるステーブルコイン決済は急増しており、2025年8月には商品購入・送金額が100億ドルを超え、前年同月比で2倍以上になっています。

注意点と今後の課題

送金上限の制約

現在、JPYCは第二種資金移動業として登録されており、1回あたりの送金上限は100万円です。企業間の大口決済に利用するには制約があり、第一種資金移動業の認可を受けた発行者が増えることが市場拡大の鍵となります。

普及に向けたインフラ整備

ステーブルコイン決済を広く普及させるためには、ウォレットアプリの使いやすさ向上、加盟店でのPOSシステム対応、消費者への認知度向上といった課題があります。JCBの広大な加盟店ネットワークを活用できる点は、普及の大きな推進力になるでしょう。

規制環境の変化への対応

各国でステーブルコインの規制整備が進む中、日本の法制度も今後さらに変化する可能性があります。事業者は規制動向を注視しながら、柔軟にサービスを適応させていく必要があります。

まとめ

りそなホールディングス、JCB、デジタルガレージによるステーブルコイン決済サービスは、日本の決済インフラに大きな変革をもたらす可能性があります。2025年度の実証実験を経て、2027年度の実用化を目指すこの取り組みは、店舗の手数料負担軽減と消費者の利便性向上という双方のニーズに応えるものです。

世界的にステーブルコイン市場が拡大し、2030年には最大4兆ドル規模に達するという予測もある中、日本でも本格的な普及が始まろうとしています。今後の実証実験の結果や、競合他社の動向にも注目が集まります。

参考資料:

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