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by nicoxz

第2次高市内閣が始動、積極財政で描く成長戦略

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はじめに

2026年2月18日、高市早苗首相が衆参両院の本会議で第105代内閣総理大臣に指名され、第2次高市内閣が発足しました。2月8日投開票の衆議院選挙で自民党が戦後最多となる316議席を獲得する歴史的大勝を収め、高市政権を取り巻く政治環境は一変しています。

「責任ある積極財政」を政策の本丸に据え、2年間で国民が経済成長を実感できる環境の構築を目指す高市首相。全18閣僚を再任し、政策の継続性を重視する姿勢を鮮明にしました。本記事では、第2次内閣の経済政策の全容と、市場が注視する財政規律の課題を解説します。

衆院選大勝がもたらした政治基盤の変化

自民党316議席の衝撃

2月8日の衆院選で自民党は単独で定数の3分の2を超える316議席を獲得しました。ひとつの政党が衆院の3分の2の議席を得るのは戦後初めてのことです。2009年に民主党が政権奪取した際の308議席をも上回る圧勝でした。

連立を組む日本維新の会は36議席を確保し、与党全体で圧倒的多数を形成しています。一方、立憲民主党と公明党が結成した中道改革連合は選挙前の172議席から49議席へと激減しました。

少数与党から安定政権へ

2025年10月の首相就任時は衆参両院ともに「少数与党」の状況でしたが、衆院選を経て政権基盤は劇的に強化されました。参議院では依然として与党が過半数に達していないものの、衆院の3分の2を確保したことで、参議院が否決した法案の再可決が可能となっています。

高市首相は記者会見で「白紙委任を得たつもりは全くない」と述べつつも、「いくつの公約を実現できるか」と政策推進への意欲を示しました。

「責任ある積極財政」の具体像

17分野への戦略的重点投資

高市政権の経済政策の中核をなすのが、AI・半導体、宇宙、造船、エネルギーなど17分野への重点投資です。これらの分野を「国の産業基盤を左右する戦略領域」と位置づけ、官民協調で投資を促進します。

具体的には、企業が研究開発や設備投資をしやすくするため「複数年度予算や長期にわたる基金による政策支援」を導入する方針です。単年度予算の枠組みを超えた支援体制を構築することで、企業が中長期的な視点で投資判断を行える環境を整えます。

2025年12月に成立した補正予算は一般会計総額約18兆3,000億円で、AI開発や造船業支援のほか、電気・ガス料金の補助や食料品支援を含む重点支援地方交付金の拡充が盛り込まれました。

食品消費税ゼロへの挑戦

高市首相は衆院選で「食料品消費税率2年間ゼロ」を公約に掲げ、選挙後の記者会見でも「できるだけ早期に実現したい」と意欲を示しました。夏前に国民会議を通じた中間とりまとめを行う方針で、財源については「赤字国債に頼らない」と明言しています。

ただし、消費税をめぐる高市首相の姿勢には変遷があります。当初は「消費減税は私の悲願」と語っていたものの、首相就任後は「即効性がない」と慎重姿勢に転じた時期もありました。衆院選を前に再び積極姿勢を打ち出した経緯があり、実現に向けた具体的な道筋はまだ明確ではありません。

経済安全保障の法整備

経済政策と並んで注目されるのが安全保障面での法整備です。高市首相は国家情報局の設置法案と、対日投資を審査する「対日外国投資委員会」設置のための法案を今国会に提出する方針を表明しました。米国のCFIUS(対米外国投資委員会)に相当する仕組みを日本にも導入し、経済安全保障を制度面から強化する狙いです。

市場の視線と財政規律の課題

国債市場が発する警告

積極財政路線に対し、金融市場は警戒感を示しています。高市首相が20兆円超の大型補正予算を打ち出して以降、日本の長期金利は加速的に上昇し、10年物国債利回りは約1.6%から2%に向けて上昇しました。

超長期債を中心に「高市財政」への懸念が根強く、市場関係者からは「悪い金利上昇」との指摘が出ています。これは経済成長に伴う金利上昇ではなく、財政悪化への不信感が反映されたものだという見方です。

インフレ圧力との両立

高市首相は第2次内閣発足の記者会見で「市場をしっかり見て運営する」と述べ、インフレ懸念の払拭と積極財政の両立を図る姿勢を示しました。物価安定目標としてインフレ率2%の達成を掲げつつも、生活者の実感としては物価高が続いており、財政出動がさらなるインフレ圧力を生む可能性は否定できません。

大和総研の分析では、積極財政が経済の成長力を高めるか、それとも財政リスクを高めるかは、投資対象の選定と財源確保の具体策にかかっていると指摘されています。

問われる「責任ある」の中身

「責任ある積極財政」が本当に責任あるものとなるかは、2年間の政策運営で問われることになります。政府債務残高の対GDP比を経済成長によって引き下げるという理論は、十分な成長率が実現できなければ機能しません。

高市首相は「放漫な財政運営は許さず、将来の政権にも負担をかけない」と強調していますが、17分野への重点投資と食品消費税ゼロの両立は、財源面での難題を抱えています。

まとめ

第2次高市内閣は、衆院選の歴史的大勝という追い風の中で始動しました。「責任ある積極財政」を掲げ、17分野への重点投資、食品消費税ゼロ、経済安全保障の法整備と、意欲的な政策メニューを並べています。

しかし、国債市場の金利上昇が示すように、大規模な財政出動への市場の目は厳しいです。高市首相が掲げる「2年間で国民が経済成長を実感できる環境」を実現できるかどうかは、投資の成果を早期に形にできるかと、財政規律への信認を維持できるかの2点にかかっています。安定した政治基盤を得た今、その政策の真価が問われる局面に入りました。

参考資料:

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