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by nicoxz

衆院選で経済政策が激突 消費税・中間層復活が争点に

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はじめに

2026年1月23日、高市早苗首相は衆議院を解散し、1月27日公示・2月8日投開票の日程で第51回衆議院議員総選挙が実施されることになりました。解散から投開票までわずか16日間という戦後最短の選挙戦が始まります。

解散翌日の24日、各党党首はニコニコ生放送の党首討論に登壇し、経済政策をめぐって舌戦を繰り広げました。高市首相は「豊かな経済、安心な社会をつくる」と訴え、野田佳彦・中道改革連合共同代表は「中間層の復活」を掲げています。物価高に苦しむ国民生活を背景に、消費税政策が最大の争点として浮上しています。

本記事では、各党の経済政策の違いと、有権者への影響について詳しく解説します。

高市首相の経済政策:食料品消費税ゼロと成長投資

2年間限定の食料品消費税ゼロ

高市首相の目玉政策は、2年間に限り食料品を消費税の対象としない「食料品消費税ゼロ」です。首相は1月19日の記者会見で「飲食料品は2年間に限り消費税の対象としないこと。これは私自身の悲願でもあった」と述べ、長年の持論である消費減税を前面に打ち出しました。

1月25日のフジテレビ討論番組では、2026年度中の実現を目指す考えを表明。衆院選後に超党派の「国民会議」を早期に立ち上げ、財源やスケジュールの検討を加速すると強調しています。

食料品の消費税率をゼロにするには年間約5兆円の財源が必要とされます。この巨額の財政負担をどう賄うかが課題となっており、長期金利はすでにじりじりと上昇し始めています。

エネルギー安全保障と成長分野への投資

高市首相は党首討論で、エネルギー安全保障の強化と成長分野への積極投資を強調しました。積極財政派として知られる首相は、財政出動による経済活性化を重視する姿勢を鮮明にしています。

ただし、2025年9月の自民党総裁選では、財政規律派の麻生太郎副総裁からの支援を得るため、消費減税の主張を封印していた経緯があります。今回の選挙戦での方針転換は、野党の消費税政策に対抗する必要性から生じたものとの見方もあります。

自民党内の反応と課題

自民党内では首相の消費減税発言に対し、賛否が分かれています。「野党との争点をつぶす必要がある」と理解を示す声がある一方、「いったん下げれば2年で区切れなくなる」との懸念や、「首相は連立合意以上のことを言うべきではなかった」との批判も出ています。

財源確保の見通しが不透明なまま減税を進めることへの不安が、党内に広がっているのが実情です。

野田佳彦氏と中道改革連合の経済政策

新党「中道改革連合」の結成

2026年1月、野田佳彦元首相は立憲民主党と公明党を中心とする新党「中道改革連合」の結成を発表しました。野田氏は公明党の斉藤鉄夫氏とともに共同代表に就任し、19日に立憲を離党して新党に移籍しています。

1月22日の結党大会では、立憲・公明両党の衆院議員ほぼ全員が参加し、165人規模の野党第1党が誕生しました。1次公認として小選挙区199人、比例代表28人の計227人を擁立する予定です。

「中間層の復活」を掲げる政策

野田氏は「格差を是正し、分厚い中間層を復活させる」ことを経済政策の柱に据えています。「かつて日本では分厚い中間所得層の存在こそが、安定した成長と活力の源泉であった」と訴え、格差拡大で傷んだ中間層の再建を目指しています。

具体的な政策として、低所得者への恩恵が大きい「給付付き税額控除」の創設、教育無償化の実現などを掲げています。減税と現金給付を組み合わせることで、より効果的に中間層を支援する考えです。

食料品消費税ゼロの恒久化

中道改革連合は食料品の消費税ゼロを目玉政策に掲げていますが、与党との違いは「恒久化」を主張している点です。野田氏は今秋からの導入を訴え、2年限定とする与党案との差別化を図っています。

財源については「ジャパン・ファンド(政府系ファンド)」の創設を提案。国の資産を一体運用して財源を生み出す構想を示し、「我々は財源を明示している。中道は財政規律を守っていこうという政党だ」と強調しています。

各党の消費税政策の違い

日本維新の会

藤田文武共同代表は「2026年度内にこれを実現するための法案を成立させる」と述べ、食料品消費税ゼロについて高市首相に同調する姿勢を示しています。

国民民主党

玉木雄一郎代表は食料品に限定した消費減税に反対の立場です。「2026年度に減税するなら、2026年度予算案の閣議決定はやり直しだ」と政府に迫り、減税の実現可能性に疑問を呈しています。

共産党・れいわ新選組・参政党

共産党は消費税の一律5%への引き下げを提起し、れいわ新選組と参政党は消費税の全廃を訴えています。より抜本的な税制改革を求める立場です。

注意点・今後の展望

有権者が注目すべきポイント

消費税政策を判断する際、有権者は以下の点に注意が必要です。

まず、財源の確保です。食料品消費税ゼロには年間5兆円が必要とされ、その財源をどこから捻出するかが各党で異なります。国債発行に頼れば財政悪化と金利上昇を招く恐れがあり、他の歳出削減や増税で賄えば別の負担が生じます。

次に、期間限定か恒久化かという点です。与党の2年限定案は財政負担を抑える一方、期限後の対応が課題です。中道改革連合の恒久化案は安定的ですが、より大きな財源が必要になります。

選挙戦の行方

解散から投開票までわずか16日間という短期決戦となる今回の選挙。物価高に苦しむ国民生活を背景に、経済政策が最大の争点となっています。各党の政策を比較検討し、自身の生活への影響を見極めることが重要です。

野田氏は「現有勢力以上の議席獲得」を目標に掲げ、政界再編の契機にしたいと意気込んでいます。一方、高市首相は消費減税で野党との差別化を図りつつ、政権維持を目指します。

まとめ

2026年衆院選では、高市首相の「2年限定・食料品消費税ゼロ」と、野田氏率いる中道改革連合の「恒久的な消費税ゼロ・中間層復活」という経済政策の対立軸が鮮明になっています。

有権者にとって重要なのは、各党の政策が実際に自分の生活にどう影響するかを見極めることです。財源の裏付け、実現時期、期限後の対応など、政策の詳細を比較した上で投票先を決めることが求められます。

2月8日の投開票日に向け、各党の政策論争はさらに激化することが予想されます。

参考資料:

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