中国客減少リスク、最大は静岡県 外国人宿泊客の45%占める
中国客減少リスク、最大は静岡県
訪日中国人が占める宿泊客比率45% 地域依存の高い観光地にリスク強まる
2025年の1〜9月に国内で宿泊した外国人客を都道府県別に分析したところ、静岡県では外国人宿泊者のうち約45.0%が中国からの旅行者であることが明らかになった。富士山などを有する静岡県は、東京・京都・大阪を結ぶ観光の「ゴールデンルート」上に位置し、中国人旅行者に高い人気を誇ってきた。だが、中国政府が日本への渡航を自粛するよう呼びかける動きが広がる中、地域経済にとって重大なリスクとなっている。
「中国依存」の実態と静岡県の特徴
静岡県は国際的に人気の観光地であり、特に中国人観光客の割合が顕著に高いという特徴を持つ。観光庁の宿泊旅行統計によれば、静岡を訪れる外国人の中で中国人観光客が最も多く、全体の約半数を占めるという結果が出ている。
富士山という世界的なランドマークに加え、温泉地・景勝地・歴史文化資源などを含む観光資源が豊富なことから、訪日観光客に高い評価を受けてきた。しかし対中国依存の高さが裏目に出る懸念が強まっている。
渡航自粛要請が観光に与える影響
2025年11月、中国文化観光部などが自国民に対して**「日本への渡航を控えるよう勧告」**を出した。これは安全環境への懸念などを理由とするもので、航空会社による払い戻し対応が進むなど、実需への影響が広がっている。
中国からの旅行者は、2024年には訪日客数が前年比で大きく増加し、約700万〜800万人規模に達するなど日本のインバウンド回復を支えてきた。だが、2025年の動向ではこれが一転する可能性があるとして、観光・小売・交通産業への波及リスクが取りざたされている。
地域経済への波及と静岡の課題
静岡県のインバウンド需要に占める中国人の割合が高い背景には、富士山などの人気スポットがある一方で、他国・地域からの客層が相対的に薄いという構造的な脆弱性がある。このため、仮に中国人客が減少した場合、宿泊業・小売・飲食・観光サービスを中心に地域経済への直接的な打撃が想定される。
観光業者の中にはすでにツアーキャンセルや団体予約の取りやめが増えており、年内の宿泊動向にも影響が出る可能性が高い。
インバウンド全体の傾向と中国の位置づけ
日本全体の訪日外国人客の統計では、2025年1〜9月時点で約3,165万人が日本を訪れ、その中でも中国は最大の国別シェアとなっている。9月単月の推計でも訪日中国人は約77.5万人に達し、韓国や台湾を上回る動きが続いている。
このように中国人観光客は量・消費額の両面で日本の観光産業を支える重要な柱であり、中国市場の動向は国内観光業全体の体力を左右する要素となっている。
長期的な日中関係と観光戦略の転換
観光分野における中国依存の高さは、日本全体のインバウンド戦略全般にとっても課題と言える。中国経済の減速や政治的・外交的な緊張が観光行動にも影響を与えつつあり、今後の展開次第ではリスク管理が不可欠になる。
専門家からは、多様な市場からの誘客強化やプロモーションの再設計、地域ごとの資源活用と滞在消費の促進が必要との意見も出ている。特定国依存からの脱却が、観光や地域振興の長期的な安定性を高める鍵となる。
まとめ:観光依存比率の高い自治体の課題
静岡県をはじめ、中国人宿泊客が占める比率が特に高い地域では、短期的な市場変動が経済に大きく影響する構造を抱えている。今後、中国人観光客の動向は引き続き注視されるとともに、観光政策や自治体戦略において市場多様化と受け入れ基盤の強化が求められている。
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