ダイエー首都圏撤退、2026年3月にイオングループ再編へ

by nicoxz

はじめに

かつて日本最大のスーパーマーケットチェーンとして一世を風靡したダイエーが、2026年3月に首都圏の店舗運営から撤退します。イオングループのスーパー事業再編の一環として、ダイエーは関東エリアの店舗をマックスバリュ関東に統合し、創業の地である近畿圏に経営資源を集中させます。

1957年に中内功氏が大阪で創業し、高度経済成長とともに全国展開を果たしたダイエー。しかし、バブル崩壊後の経営危機を経て2015年にイオンの完全子会社となり、店舗数を大幅に減らしてきました。

本記事では、ダイエー首都圏撤退の背景、イオングループ再編の全容、そしてダイエー再興への戦略について解説します。

イオングループ再編の全容

2026年3月に大規模再編

イオンは2025年8月、関東エリアと関西エリアのスーパーマーケット子会社を2026年3月に再編することを発表しました。この再編により、グループ内の事業効率化と地域特性に合わせた経営体制の構築を目指します。

関東エリアの再編

関東エリアでは、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(USMH)傘下の「マックスバリュ関東」に、ダイエーの関東店舗とピーコックストアを運営する「イオンマーケット」を統合します。

これにより、ダイエーは2026年3月1日付で関東エリアの店舗事業から完全に撤退。マックスバリュ関東が首都圏のスーパー事業を一元的に担うことになります。

関西エリアの再編

関西エリアでは、ダイエーに「光洋」(大阪府茨木市)を合併・統合します。これにより、光洋は企業として消滅し、ダイエーが近畿エリアの店舗を一元的に運営する体制となります。

ダイエーは関西の地場スーパーとして再出発することになります。

ダイエーの栄光と苦難

日本一のスーパーだった時代

ダイエーは1957年、中内功氏が大阪市千林に「主婦の店ダイエー」を開業したことに始まります。「よい品をどんどん安く」をスローガンに急成長し、1972年には小売業日本一の売上高を達成しました。

1990年代半ばには売上高2兆円に達し、プロ野球球団(福岡ダイエーホークス)を保有するなど、日本を代表する企業グループでした。

バブル崩壊後の経営危機

しかし、バブル期の過剰投資がバブル崩壊後に重くのしかかり、2000年代に入ると業績が急速に悪化。2004年には産業再生機構の支援を受け、2007年には丸紅との資本提携を経て経営再建を図りました。

その後もイオンとの資本業務提携を深め、2014年2月期まで赤字が続いた末、2015年1月にイオンの完全子会社となりました。

閉店が相次ぐ近年

イオン傘下に入った後も店舗閉鎖は続いています。2025年だけでも、2月に西宮店、新在家店、7月に曽根店、8月にいちかわコルトンプラザ店、9月に和泉店、10月に塚口店と立て続けに閉店。2026年1月には東川口店も40年間の営業を終了する予定です。

首都圏撤退の背景

イオンの戦略転換

今回の首都圏撤退には、イオンの明確な戦略転換があります。ダイエーをイオンにとって近畿圏攻略の中核企業に再定義するという方針です。

関東には既にマックスバリュ関東やイオンマーケットなど複数のスーパー子会社が存在し、重複する経営資源の統合が課題でした。ダイエーの関東店舗をマックスバリュ関東に移管することで、効率化を図ります。

近畿での存在感

一方、近畿圏ではダイエーのブランド力と店舗網が依然として強みとなっています。光洋との統合により、近畿での経営基盤を強化し、地域密着型のスーパーとして再興を図る狙いがあります。

ダイエー発祥の地である大阪を中心に、近畿圏での存在感を高めることで、競合する地場スーパーとの差別化を目指します。

「首都圏からダイエー消滅」の衝撃

首都圏に住む消費者にとって、「ダイエー」の看板が見られなくなることは一つの時代の終わりを感じさせます。特に、長年利用してきた地元住民には寂しさがあるでしょう。

ただし、店舗自体が閉店するわけではなく、運営会社がマックスバリュ関東に変わる形になります。屋号や品揃えが変更される可能性はありますが、店舗としては継続される見込みです。

小売業界の構造変化

総合スーパーの苦境

ダイエーが象徴する総合スーパー(GMS)業態は、全国的に苦戦が続いています。食品から衣料品、家電まで扱う大型店舗は、ネット通販や専門店との競争で優位性を失いつつあります。

イオン自身も総合スーパー事業の縮小を進めており、食品スーパーやドラッグストア、専門店モールへの転換を図っています。

地域密着への回帰

その中でダイエーが近畿圏に特化するという戦略は、「地域密着」への回帰といえます。全国チェーンとしての効率性より、地域の消費者ニーズに応える店づくりを優先する方向です。

近畿圏には独自の食文化や消費傾向があり、地場に根差した品揃えやサービスが求められます。

今後の展望

近畿での再興なるか

ダイエーが近畿圏での地場スーパーとして再興できるかは、今後の経営戦略にかかっています。光洋との統合によるシナジー効果、地域密着型の店舗運営、そしてイオングループの経営資源をどう活用するかが鍵となります。

競合する関西スーパー(オーケー傘下)やライフ、万代などとの競争も激しく、差別化戦略が問われます。

屋号の行方

マックスバリュ関東に移管される関東店舗の屋号がどうなるかも注目されます。「ダイエー」の看板を残すのか、「マックスバリュ」に変更するのか、あるいは新しい屋号となるのか—消費者にとっても気になるところです。

まとめ

ダイエーが2026年3月に首都圏の店舗運営から撤退し、近畿圏に経営資源を集中させることが決まりました。イオングループのスーパー事業再編の一環として、関東店舗はマックスバリュ関東に統合されます。

かつて日本一のスーパーマーケットチェーンとして全国に展開したダイエーですが、バブル崩壊後の経営危機を経て、今や近畿圏の地場スーパーとして再出発を図ることになります。創業の地・大阪を中心に、ダイエーの新たな挑戦が始まります。

小売業界の構造変化が進む中、「ダイエー」というブランドがどのように進化していくのか、今後の動向が注目されます。

参考資料:

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