女子団体パシュート銅、21歳野明花菜が五輪初舞台で大役
はじめに
ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック第12日の2月17日、スピードスケート女子団体追い抜き(パシュート)の3位決定戦が行われ、日本が米国を下して銅メダルを獲得しました。平昌五輪の金、北京五輪の銀に続く3大会連続の表彰台です。
注目すべきは、五輪初出場の21歳・野明花菜選手(立教大学)がメンバーに抜擢されたことです。高木美帆選手(TOKIOインカラミ)と佐藤綾乃選手(ANA)という五輪経験豊富な先輩2人の絶妙なサポートを受けながら、大舞台で見事にその大役を果たしました。
3位決定戦の全貌
準決勝の悔しさを乗り越えて
日本は準決勝でオランダと対戦しましたが、フィニッシュライン直前で隊列がわずかに崩れてしまい、敗退を喫しています。メダルか4位かという天国と地獄を分ける3位決定戦に回ることになりました。
準決勝での敗退はチームに大きな衝撃を与えましたが、高木選手は「切り替えて臨んだ結果の銅。誇りに思う」とコメントしています。経験豊富なベテランの精神力が、チームを立て直す原動力となりました。
米国を3秒50差で圧倒
3位決定戦では、野明花菜選手、佐藤綾乃選手、高木美帆選手の3人で臨みました。日本は2分58秒50でゴールし、米国に3秒50の差をつけて圧勝しています。最後まで一糸乱れぬスケーティングを貫き、準決勝の悔しさを晴らす見事なレース運びでした。
「頭が真っ白ですごく緊張した」と語った野明選手でしたが、2番手としてしっかりとした滑りを披露。高木選手と佐藤選手が絶妙なペース配分でフォローしながら、チーム一体となってゴールに飛び込みました。
野明花菜、オリンピアン一家の新星
スケート一家に育った21歳
野明花菜選手は2004年11月28日生まれ、長野県諏訪郡下諏訪町の出身です。両親は共に元スピードスケート選手という恵まれた環境で育ちました。父・野明弘幸さんは元男子1,500メートルの世界記録保持者、母・上原三枝さんは1992年アルベールビル五輪の日本代表選手です。
「父と母が見た景色を見てみたい」という言葉通り、幼少期から五輪を夢見てスケートに打ち込んできました。3歳頃から氷上に立ち、小学4年生からは母親の指導を受けています。高校は父親が勤務する長野県岡谷南高等学校に進学し、父親に師事しました。
立教大学から五輪の舞台へ
現在は立教大学スポーツウエルネス学部に在学中です。競技と学業を両立できる環境を求めて進学しました。2024年1月の全日本ジュニアスピードスケート選手権で総合優勝を果たし、同年のISU世界ジュニア選手権ではチームパシュートで金メダルを獲得しています。
2025-26シーズンのISUワールドカップ第1戦(ソルトレークシティー)では、女子チームパシュートで優勝を達成。確かな実力を証明し、ミラノ五輪代表に内定しました。立教大学の学生としてオリンピックメダルを獲得するのは、同大学史上初の快挙です。
先輩たちの絶妙なサポート
高木美帆、通算10個目のメダル
今回の銅メダルで、高木美帆選手はオリンピック通算10個目のメダルを手にしました。平昌五輪と北京五輪の7個に、ミラノ五輪の3個(500メートル銅、1000メートル銅、団体パシュート銅)を加えた数字です。
これは夏冬通じて日本女子最多のメダル獲得記録であり、日本勢全体でも歴代3位に並ぶ偉業です。スピードスケート女子としては、クラウディア・ペヒシュタイン選手(ドイツ)の9個を上回り、単独2位に浮上しました。「3連続の銅はおなかいっぱい」と語りつつも、まだ残る大本命の1500メートルでの金メダルを虎視眈々と狙っています。
佐藤綾乃、3大会連続の貢献
佐藤綾乃選手も平昌五輪の金メダル、北京五輪の銀メダルに続く3大会連続のメダル獲得となりました。高木選手とともにチームの柱として安定した滑りを見せ、初出場の野明選手を支えるベテランの役割を見事に果たしています。
女子団体パシュート3大会の軌跡
日本女子の団体パシュートは、近年の冬季五輪で常にメダル争いの中心にいます。2018年平昌五輪では金メダルを獲得し、日本中を沸かせました。2022年北京五輪では銀メダル、そして今回のミラノ五輪で銅メダルと、3大会連続で表彰台に立っています。
金メダルは逃したものの、世代交代を進めながらメダルを維持する層の厚さは見事です。今大会で金メダルを獲得したのはカナダで、2大会連続の頂点に立ちました。オランダが銀メダルを獲得しています。
注意点・展望
3大会連続メダルは素晴らしい結果ですが、金から銀、そして銅とメダルの色が変わっている点は課題でもあります。2030年のフランス・アルプス五輪に向けて、若手の育成と戦略の見直しが求められます。
野明選手の成長は明るい材料です。今後4年間でさらに経験を積めば、次回大会では中心選手としてチームを牽引する存在になるでしょう。高木選手の後継者としての期待がかかります。
まとめ
ミラノ五輪スピードスケート女子団体パシュートで、日本が3大会連続となる銅メダルを獲得しました。五輪デビューの野明花菜選手が大役を果たし、高木美帆選手は通算10個目のメダルという歴史的偉業を達成しています。
オリンピアンの両親を持つ野明選手が、立教大学在学中に五輪メダリストとなったシンデレラストーリーは、次世代の日本スピードスケートへの希望を示すものです。先輩たちが築いた伝統を受け継ぎ、新たな歴史を刻む未来に期待が高まります。
参考資料:
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