Tech Research Lab

Tech Research Lab

by nicoxz

日経平均「高市ラリー」一服、NVIDIA安とTSMC好決算の明暗

by nicoxz
URLをコピーしました

はじめに

2026年1月15日、東京株式市場で日経平均株価は反落し、前日比230円73銭(0.42%)安の5万4110円50銭で取引を終えました。週初から続いていた「高市ラリー」が一服した形です。

この下落の背景には、前日の米国市場でNVIDIA(エヌビディア)などハイテク株が下落した影響があります。一方で、午後に発表されたTSMC(台湾積体電路製造)の好決算が半導体関連株の買い戻しを誘い、日経平均の下げ幅を縮小させました。

本記事では、「高市ラリー」の実態とその一服の背景、そして半導体株を取り巻く明暗について詳しく解説します。

「高市ラリー」とは何か

衆院解散観測が株価を押し上げた背景

「高市ラリー」とは、高市早苗首相が衆議院解散を検討しているとの報道を受けて発生した株高相場を指します。2026年1月9日に解散観測が浮上すると、連休明けの1月13日には日経平均株価が史上初の5万3000円台に到達しました。

この急騰の背景には、高市内閣の高い支持率があります。日本経済新聞社の世論調査によると、高市内閣の支持率は2025年12月時点で75%に達し、内閣発足以来70%台を維持しています。市場では、衆院選で自民党が議席を増やし政権基盤が強化されるとの期待が高まりました。

「株高・円安・債券安」の典型パターン

高市首相の解散検討報道が伝わった1月9日、米国市場では日経平均先物が5万3500円を超えて急騰し、ドル円相場は158円台に乗せました。これは「株高・円安・債券安」という、いわゆる「高市トレード」の典型的なパターンです。

1月13日の東京市場では、日経平均が前日比868円高で寄り付いた後、一時1800円を超える上昇幅を記録し、5万3800円台まで駆け上がりました。

NVIDIA株安が東京市場に「冷や水」

米国市場での下落

1月14日の米国株式市場で、NVIDIAの株価は前日比2.67ドル(1.44%)安の183.14ドルで取引を終えました。2025年10月下旬に記録した史上最高値の約212ドルから見ると、大幅に水準を切り下げた状態が続いています。

NVIDIAの株価下落は、AIブームの恩恵を受けて急騰した反動という側面があります。長期間の上昇の後、マルチタイムフレームで弱さが見られ、売り圧力が高まっていると分析されています。

日本のハイテク株への波及

前日の米国市場でのNVIDIA株安を受け、1月15日の東京市場ではハイテク株を中心に売りが先行しました。日経平均の構成銘柄において、半導体関連株への売り圧力が強まり、週初からの上昇基調が途切れる形となりました。

TSMC好決算が半導体株を下支え

過去最高益を記録した第4四半期決算

1月15日午後、TSMCが2025年10-12月期の決算を発表しました。純利益は前年同期比35%増の5057億台湾ドル(約160億ドル)と過去最高を更新。AI向け半導体の需要急増が追い風となりました。

売上高も前年同期比20.45%増の約1兆460億台湾ドル(約331億ドル)となり、市場予想を上回りました。純利益が2桁成長となるのは7四半期連続で、アナリスト予想の4784億台湾ドルを大幅に上回る結果でした。

強気の業績見通しが市場に安心感

TSMCは2026年第1四半期の売上高が前年同期比で最大40%増の358億ドルに達する可能性があると発表。さらに、2026年通年の売上高は米ドルベースで約30%増加するとの見通しを示しました。

設備投資計画も最大37%増の560億ドルに拡大する方針を表明。「AIメガトレンド」を強調し、顧客から強い需要シグナルが送られているとコメントしています。

日本の半導体関連株に買い戻し

TSMCの好決算発表を受け、午後の東京市場では半導体関連株に見直し買いが入りました。アドバンテストは前日比1075円高(4.89%上昇)の2万3060円まで上昇。AI関連の高性能半導体向けテスタ需要の拡大期待が株価を押し上げました。

この買い戻しにより、日経平均の下げ幅は縮小し、230円安という比較的小幅な下落にとどまりました。

注意点・今後の展望

解散日程と株価の行方

高市首相は1月19日に記者会見を行い、衆院解散について正式に表明する予定です。衆院選の日程は「1月27日公示、2月8日投開票」が有力視されています。

選挙結果次第では、株価が再び大きく動く可能性があります。自民党が議席を増やせば「高市ラリー」が再燃する一方、予想外の結果となれば調整局面が訪れる可能性もあります。

半導体セクターの二極化に注意

TSMCの好決算はAI需要の堅調さを示していますが、NVIDIAの株価には依然として売り圧力がかかっています。AI半導体の需要は強い一方で、期待が先行しすぎた銘柄には調整圧力がかかるという二極化が進んでいます。

投資家は個別銘柄の業績と株価水準を慎重に見極める必要があるでしょう。

まとめ

1月15日の日経平均株価は、NVIDIA株安の影響を受けて反落したものの、TSMCの好決算が下支えとなり、下げ幅は限定的でした。「高市ラリー」は一服しましたが、衆院解散・総選挙の行方次第で相場は再び動意づく可能性があります。

半導体セクターでは、AI需要の恩恵を受ける銘柄とそうでない銘柄の選別が進んでいます。今後はTSMCの業績見通しを踏まえつつ、個別銘柄の動向を注視することが重要です。

参考資料:

関連記事

最新ニュース