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by nicoxz

リーガルが希望退職50人募集、革靴市場の構造変化に直面

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はじめに

日本を代表する革靴ブランド「リーガル(REGAL)」を展開するリーガルコーポレーションが、大規模な構造改革に踏み切りました。2026年2月9日、希望退職者50人の募集と生産子会社チヨダシューズの操業停止を発表しています。

同時に発表された2026年3月期通期の業績見通しは、純利益が前期比49%減の3億6,000万円へと大幅に下方修正されました。従来予想の8億円(前期比14%増)から一転しての減益見通しです。

ビジネスシューズの需要縮小が加速する中、100年を超える歴史を持つ老舗靴メーカーはどのような変革を迫られているのか。本記事では構造改革の詳細と革靴市場の現状を解説します。

構造改革の詳細

希望退職の概要

リーガルコーポレーションが発表した希望退職の詳細は以下の通りです。

  • 募集人数: 50人程度
  • 対象者: 50歳以上の社員および63歳以下の再雇用社員
  • 募集期間: 2026年2月12日〜3月11日
  • 優遇措置: 特別退職金の支給、希望者への再就職支援

50人という数字は、同社の従業員規模を考えると決して小さくありません。ベテラン社員を対象としている点から、人件費の削減効果を重視した判断であることがわかります。

チヨダシューズの操業停止と清算

構造改革のもう一つの柱が、100%子会社であるチヨダシューズの操業停止です。チヨダシューズは1924年に設立された老舗靴工場で、新潟県加茂市に拠点を構えていました。

主にリーガルブランドの革靴をグッドイヤーウエルト式製法で製造しており、日本のものづくりの伝統を受け継ぐ工場として知られていました。全従業員63人は2月28日の操業停止をもって退職となり、その後は解散・清算の手続きに入ります。

希望退職と合わせると、合計113名の人員削減となります。

業績悪化の実態

第3四半期で営業赤字が拡大

2026年3月期第3四半期(4-12月)の連結業績を見ると、売上高は158億2,800万円と前年同期比4.3%減少しました。営業損益は6億6,200万円の赤字となり、前年同期の2,300万円の赤字から大幅に悪化しています。

経常損益も4億8,000万円の赤字に転落し、最終損益は5,000万円の赤字(前年同期は9,000万円の黒字)となりました。

通期見通しの大幅下方修正

通期業績見通しも大きく下方修正されています。純利益は従来予想の8億円から3億6,000万円へと55%の下方修正となり、前期の7億円から一転して49%の減益見通しとなりました。経常利益も57.7%減益の2億1,000万円を見込んでいます。

構造改革に伴う特別損失の計上が減益の主因ですが、本業の収益力低下も深刻な課題です。

ビジネスシューズ市場の構造変化

コロナ禍が変えた「足元」

革靴、特にビジネスシューズの需要減少は、コロナ禍以降加速しました。テレワークの普及により出社頻度が減り、革靴を履く機会が大幅に減少したのです。

出社する場合でも、服装のカジュアル化が進み、スーツにスニーカーを合わせるスタイルが一般化しています。かつてビジネスマンの必需品だった革靴は、特別な場面でのみ履くものへと位置づけが変わりつつあります。

スニーカー市場との対照的な動き

靴市場全体を見ると、スポーツシューズやスニーカーの需要は堅調に推移しています。健康志向の高まりやカジュアルファッションの定着が追い風となり、ナイキやアディダス、ニューバランスなどのブランドが売上を伸ばしています。

一方で、紳士靴・婦人靴を中心とする革靴市場は縮小傾向が続いており、この二極化が靴業界全体の構造変化を象徴しています。

国内生産の難しさ

チヨダシューズの閉鎖は、国内靴製造業の厳しさも浮き彫りにしています。グッドイヤーウエルト式製法は手間と技術を要する伝統的な製法で、高品質な革靴の証ともいえるものです。しかし、需要の減少に加え、原材料費や人件費の上昇により、国内での採算確保が難しくなっています。

リーガルコーポレーションは国内生産子会社を再編することで事業の効率化を図る方針ですが、これは同時に日本の靴づくりの伝統が一つ失われることも意味します。

注意点・展望

革靴ブランドの生き残り戦略

革靴市場の縮小は不可逆的なトレンドとみられます。その中で老舗ブランドが生き残るには、従来のビジネスシューズ一辺倒の商品構成からの脱却が必要です。

カジュアルラインの拡充、スニーカーソールを採用したハイブリッド型革靴の開発、女性向け商品の強化など、時代の変化に合わせた商品戦略が求められます。リーガルブランドの持つ「品質」や「信頼性」といった無形資産をどう活かすかが鍵です。

構造改革の効果はいつ出るか

今回の構造改革により、人件費や固定費の削減効果が期待されます。ただし、2026年3月期は構造改革費用の計上により減益となる見込みです。効果が業績に反映されるのは2027年3月期以降になると考えられます。

一方で、単なるコスト削減だけでは売上の回復にはつながりません。収益力を取り戻すためには、コスト削減と並行して新たな需要の開拓に取り組む必要があります。

まとめ

リーガルコーポレーションの希望退職50人募集とチヨダシューズ操業停止は、ビジネスシューズ市場の構造的な縮小に対応するための決断です。合計113名の人員削減と国内生産拠点の再編により、事業の効率化を目指しています。

コロナ禍以降、テレワークの定着や服装のカジュアル化により革靴の需要は減少を続けており、老舗ブランドも抜本的な変革を迫られています。短期的にはコスト構造の改善が課題となりますが、中長期的にはリーガルブランドの価値をどのように新しい時代に適応させていくかが問われます。100年を超える歴史を持つ老舗靴メーカーの再生への挑戦は、日本の伝統的製造業が直面する課題の縮図ともいえるでしょう。

参考資料:

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