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by nicoxz

高市内閣支持率69%維持、指導力評価が前政権と一線

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はじめに

2026年2月13日から15日にかけて実施された日経新聞・テレビ東京の世論調査で、高市早苗内閣の支持率が69%となり、高い水準を維持していることが明らかになりました。1月調査の67%からわずかに上昇し、内閣発足以来4カ月連続で6割から7割台を推移しています。注目すべきは、支持する理由として「人柄が信頼できる」と並んで「指導力がある」が上位を占めている点です。これは「人柄」に支持が偏っていた石破前政権や岸田元政権とは明確に異なる傾向であり、高市政権の特徴を浮き彫りにしています。

高市内閣の支持率推移と各社調査の全体像

発足から4カ月、安定した高水準

高市早苗内閣は2025年10月下旬に発足しました。日経新聞の調査では発足直後の支持率が74%を記録し、共同通信でも64.4%と、いずれも石破前内閣の発足時(日経51%、共同50.7%)を大幅に上回る好スタートでした。その後も12月には75%前後を維持し、1月は解散総選挙の観測が強まるなかでやや低下して67%となったものの、2月調査では再び69%へと持ち直しています。

各社の調査を横断的に見ても、時事通信の1月調査で61%、NHKの調査で62%、産経・FNN調査(2月14日から15日実施)で72%と、いずれも6割から7割台の高い水準を保っています。日次世論調査「世論レーダー」では2月第1週時点で66.5%となっており、内閣発足以来一貫して高水準を維持する安定した政権運営が数字に表れています。

衆院選大勝がもたらした追い風

2026年2月8日に投開票された第51回衆議院議員総選挙では、自民党が単独で316議席を獲得し、定数の3分の2を超える歴史的大勝を果たしました。連立を組む日本維新の会と合わせると352議席に達し、圧倒的な議席数を確保しています。この結果を受けて2月18日に第2次高市内閣が発足し、全閣僚が再任されました。衆院選での大勝は国民の支持を裏付けるものであり、高い支持率の持続に寄与していると考えられます。

「指導力」が支持される高市政権の特異性

支持理由に見る前政権との明確な差

2月の日経調査では、高市内閣を支持する理由として「人柄が信頼できるから」が37%、「指導力がある」が36%で、4カ月連続で1位と2位を占めました。この2つの項目がほぼ拮抗している点が、前政権との最大の違いです。

石破前内閣の場合、2024年11月の調査で支持理由のトップは「人柄」の45%でしたが、「指導力がある」はわずか5%にとどまっていました。岸田元内閣も同様に、支持理由は「人柄」に大きく偏る傾向がありました。つまり、石破氏も岸田氏も「人は良いが、リーダーとしては頼りない」という評価がついて回ったのに対し、高市首相は人柄と指導力の両方を評価される稀有なリーダーと位置づけられています。

指導力評価を支えるコミュニケーションスタイル

高市首相の指導力が評価される背景には、明確で断定的な発言スタイルがあると指摘されています。記者会見や国会答弁での短く簡潔な受け答えが、「決断力がある」「方向性が明確だ」という印象につながっているとみられます。また、積極財政路線や対中国での毅然とした外交姿勢など、政策の方向性をはっきり示す姿勢も、指導力への評価を高めている要因です。

時事通信の1月調査では、首相の対中姿勢について「評価する」が44.4%で「評価しない」の21.8%を大きく上回りました。外交面での明確なスタンスが、内政だけでなく対外的なリーダーシップの評価にも結びついていることがうかがえます。

若者層から圧倒的な支持を獲得

高市内閣のもう一つの特徴は、若年層からの突出した支持です。選挙ドットコムとJX通信社による調査では、18歳から29歳の支持率が92.4%、30代でも83.1%という驚異的な数字が記録されています。全年代の平均が60%台後半である中、若年層の支持は際立って高いと言えます。

この若者人気を象徴するのが「サナ活」と呼ばれる現象です。高市首相を「サナ」と親しみを込めて呼び、首相が公務で身に着けるファッションアイテムや愛用品をおそろいで購入したり、SNSで情報を共有したりする活動が広がっています。調査によれば、若者の39.0%が「サナ活」を認知しており、知ったきっかけの47.8%がX(旧Twitter)でした。また、「サナ活」をきっかけに政治への関心が高まったと答えた人が24.3%に上り、政治参加の入り口としても機能しています。

憲政史上初の女性首相であること、韓国コスメやドラム演奏、野球観戦といった趣味を積極的に開示する親しみやすさも、若い世代の共感を呼んでいます。Bloombergの分析では、こうした「推し活」的な支持の広がりが、従来の政治支持とは異なる新しい形の政治参加を生み出していると報じられています。

今後の課題と展望

高い支持率を維持する高市政権ですが、今後の政権運営にはいくつかの課題が指摘されています。まず経済政策について、大和総研の分析では、積極財政路線が成長力の向上につながるのか、財政リスクを高めるのかが問われています。高市政権発足後、長期金利の上昇や円安の進行が続いており、「責任ある積極財政」の実効性が今後試される場面が増えるでしょう。

東洋経済オンラインの論考では、政権発足時の「鮮度」が落ちてきた際の真価は「社会保障改革」で試されると指摘されています。2月の日経調査で消費税減税を議論する「国民会議」について問われた結果、「減税と社会保障の負担増や給付削減をセットで議論すべきだ」が76%を占めており、国民の側にも財政規律への一定の理解があることがうかがえます。積極財政への期待と財政健全化の両立を、どのようにかじ取りしていくかが政権の持続性を左右します。

また、衆院選で圧勝したことで巨大与党が形成されたものの、公明党の立ち位置や野党再編の行方次第では、政局が流動化する可能性も残されています。高支持率を政策実行力に変換できるかどうかが、第2次高市内閣の最大のテーマとなるでしょう。

まとめ

高市早苗内閣の支持率69%は、発足から4カ月を経てなお高い水準にあります。特筆すべきは、支持理由として「指導力」が「人柄」とほぼ同率で挙げられている点であり、これは「人柄」に偏っていた石破・岸田前政権とは明確に異なる特徴です。若者層からの圧倒的支持や衆院選での歴史的大勝も、政権の安定基盤を支えています。一方で、積極財政路線の持続可能性や社会保障改革といった中長期的な課題も山積しており、高い国民の期待に応える政策実行が求められる局面に入っています。

参考資料

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