高市内閣支持率67%でも自民党支持42%の理由を分析
はじめに
2026年1月の世論調査で、高市早苗内閣の支持率が67%である一方、自民党の政党支持率は42%にとどまっています。その差は25ポイントに及び、「高市人気」が自民党全体には波及していない状況が浮き彫りになっています。
本日1月27日に公示される第51回衆議院議員総選挙を前に、この支持率のねじれが選挙結果にどう影響するのか注目が集まっています。
この記事では、内閣支持率と政党支持率の乖離の背景、過去の衆院選との比較、そして今回の選挙への示唆を解説します。
最新の世論調査結果
日経・テレビ東京調査(1月23〜25日)
日本経済新聞社とテレビ東京が1月23〜25日に実施した世論調査によると、高市内閣の支持率は67%でした。12月調査の75%からは8ポイント低下しましたが、依然として高水準を維持しています。
一方、自民党の政党支持率は42%でした。内閣支持率との差は25ポイントに達しており、「高市人気」を自民党が生かし切れていない状況が続いています。
他社調査との比較
複数の調査会社のデータを見ると、内閣支持率と自民党支持率の乖離は共通した傾向です。
グリーン・シップの「世論レーダー」(1月第1週)では、高市内閣支持率77.7%に対し、自民党支持率は30.1%でした。差は約47ポイントと、さらに大きな乖離が見られます。
時事通信の1月調査では、高市内閣支持率61.0%に対し、自民党支持率は20%台にとどまっています。
調査手法や時期によって数値は異なりますが、内閣支持率が政党支持率を大きく上回る傾向は一貫しています。
支持率乖離の背景
「高市人気」の要因
高市内閣が高い支持率を維持している理由について、日経新聞の調査では「人柄が信頼できる」が41%で最多でした。明確な発信力や、対中国姿勢などの政策への期待が支持の背景にあると分析されています。
時事通信調査でも、対中姿勢を「評価する」との回答が4割を超えており、外交・安全保障政策への支持が高いことがうかがえます。
長期政権となった小泉純一郎内閣や第2次安倍晋三内閣との類似性を指摘する声もあり、「人気首相」としての評価が定着しつつあります。
自民党への不信感
一方、自民党の政党支持率が伸び悩んでいる背景には、「政治とカネ」問題への不信感があります。2024年以降、派閥の政治資金問題が相次いで発覚し、自民党への信頼は大きく低下しました。
2024年10月の衆院選では、自民党は191議席にとどまり、公明党と合わせても過半数を割り込む大敗を喫しました。その後、公明党は連立を離脱し、政権基盤は大きく揺らぎました。
有権者は高市早苗氏個人のリーダーシップには期待を寄せつつも、自民党という政党組織への信頼回復には至っていないと考えられます。
無党派層の動向
世論レーダーの調査では、「支持政党なし」が22.0%となっています。無党派層の多くが高市内閣を支持していると推測され、「高市内閣は支持するが、自民党は支持しない」という層が一定数存在します。
1月に入って自民党支持率が30%台に回復した調査もあり、無党派層からの流入の兆しが見られます。しかし、内閣支持率との差は依然として大きく、選挙への影響は予断を許しません。
過去の衆院選との比較
2024年衆院選時の石破内閣
前回2024年10月の衆院選直前の調査では、石破茂内閣の支持率は51%、自民党支持率は41%でした。その差は10ポイント程度であり、今回の高市内閣ほどの乖離はありませんでした。
それでも自民党は大敗し、過半数を失いました。内閣支持率が高くても、それが議席数に直結するとは限らないことを示しています。
選挙での投票行動
朝日新聞の1月世論調査では、衆院選比例区で自民党に投票するとした割合は34%にとどまりました。これは2024年衆院選直前の36%とほぼ同程度です。
高い内閣支持率にもかかわらず、投票先としての自民党支持は石破内閣時と大きく変わっていない可能性があります。
「青木の法則」との関係
政界では「青木の法則」として知られる指標があります。内閣支持率と自民党支持率の合計が50ポイントを切ると、時の首相が退陣に追い込まれるというものです。
現在の高市内閣は、内閣支持率だけで60%を超えており、この法則からは安全圏にあります。しかし、自民党単独での支持基盤の弱さは、選挙戦術の面で課題となる可能性があります。
衆院選への影響
与党過半数の行方
高市首相は党首討論で、与党で過半数を目標にすることを表明し、下回った場合は「即刻退陣する」と明言しています。
自民党は維新との連立を組んでいますが、選挙区で競合する地域も多く、協力関係は盤石とは言えません。高い内閣支持率を議席につなげられるかが焦点となります。
小選挙区での戦い
2024年衆院選では、自民党は大都市部で苦戦しました。東京、神奈川、埼玉、千葉の小選挙区での当選者数は、選挙区が増えたにもかかわらず減少しました。
小選挙区では候補者個人の資質も重要ですが、政党への支持が投票行動を左右する面もあります。自民党支持率の低さが、特に都市部での接戦区に影響を与える可能性があります。
注意点・今後の展望
選挙戦での戦略
「高市人気」を自民党全体に波及させるため、首相自身が積極的に選挙応援に入ることが予想されます。首相の人気が比例票や小選挙区での上積みにつながるかが、自民党にとっての勝負どころとなります。
一方、野党は「高市首相は支持するが自民党は変わっていない」というメッセージで、自民党への不信感を喚起する戦略をとる可能性があります。
選挙後の政権基盤
仮に与党が過半数を維持しても、自民党単独での支持基盤の弱さは政権運営の不安材料となります。維新との連立関係の強化や、他党との協力拡大が課題となる可能性があります。
逆に過半数を割れば、高市首相の退陣表明が現実となり、政局は一気に流動化します。
まとめ
高市内閣の支持率67%に対し、自民党の政党支持率は42%と、25ポイントもの差が生じています。高市早苗氏個人への期待は高いものの、自民党という政党組織への信頼回復は道半ばです。
過去の衆院選を見ると、内閣支持率の高さが必ずしも議席数に直結するとは限りません。本日公示される衆院選で、「高市人気」がどこまで自民党の議席につながるかが注目されます。
2月8日の投開票まで、世論の動向から目が離せない状況が続きます。
参考資料:
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