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by nicoxz

共通テストで9科目満点、AIが難関大入学レベルの学力を実証

by nicoxz
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はじめに

2026年1月17日〜18日に実施された大学入学共通テストに、最新の人工知能(AI)モデルが挑戦しました。その結果、米OpenAIの最新モデルが主要15科目のうち9科目で満点を取り、全体の得点率は97%に達しました。

この成績は、文系で国内最難関とされる東京大学文科一類の合格ボーダーライン(河合塾予想で89%)を大きく上回るものです。満点科目が出たのは、こうした検証実験において初めてのことです。

本記事では、AIの共通テスト挑戦の詳細、各社AIモデルの比較、そしてこの結果が示す社会的意味について解説します。

AIが共通テストに挑戦した結果

OpenAIが圧倒的な成績を記録

AIスタートアップのライフプロンプト(東京・新宿)と日本経済新聞の共同調査によると、OpenAIの最新モデル「ChatGPT」は、主要15科目のうち9科目で満点を達成しました。全体の得点率は97%です。

同社は2023年から毎年「AI vs 共通テスト」の検証実験を実施しており、今年で4年目を迎えます。昨年2025年の実験ではAIが東大合格ラインを初めて突破し、今年は「満点は取れるのか?」という新たな挑戦に臨みました。

結果として、AIは「ほぼ満点の精度」を手に入れたことが確認されました。全科目を通じてミスは数問のみで、「もはやAIに解けない試験はない」と言えるレベルまで到達しています。

GoogleとAnthropicとの比較

今回の検証では、複数のAI企業のモデルが比較されました。

AI企業モデル得点率
OpenAIChatGPT最新版97%
GoogleGemini91%
AnthropicClaude91%

OpenAIが他社を6ポイント上回る結果となりました。この差は、複雑な推論を必要とする問題での正答率の違いによるものと考えられます。

別の検証でも確認された実力差

オンライン学習塾「ゴウカライズ」による別の検証では、ChatGPT 5.2 Pro、ChatGPT 5.2 Thinking、GoogleのGemini 3 Pro、Gemini 3 Flashなど、現時点で最強とされる推論モデルが「PDFを読み込ませて一発勝負」という形式でテストされました。

その結果、GPT 5.2 Proが抜きん出た成績を記録し、Gemini各モデルは8割未満にとどまりました。処理速度ではGeminiが圧倒的に速かったものの、正答率ではOpenAIが優位を示しています。

興味深いのは、AIが「国語はできないが優秀な高校生」のようなパフォーマンスを見せたことです。論理的な推論が求められる科目では高得点を記録する一方で、文脈理解や微妙なニュアンスの読み取りが必要な国語では比較的苦戦する傾向が見られました。

2026年共通テストの概要

受験者数と新たな取り組み

2026年の大学入学共通テストは1月17日に全国の会場で始まりました。新たな学習指導要領に対応したテストとしては2年目となり、志願者は49万6,237人と前年から1,066人増加しています。

今回から出願手続きがオンラインに移行し、受験システムのデジタル化が進みました。

出題傾向と難易度

2日間の試験を通じて、人工知能(AI)やガザ紛争など、現代的なテーマを巡る出題が目立ちました。大手予備校の分析によると、国語や数学、情報などの一部科目は難化したとされています。

AIをテーマにした問題が出題される一方で、AIがその試験を解くという皮肉な状況が生まれています。

AIの学力向上が示す意味

難関大入学レベルの知能を実証

今回の結果は、AIが難関大学入学レベルの知能を備えていることを改めて示しました。東大文科一類の受験生が選択する科目に絞っても、AIの得点率は97%と高水準を維持しています。

河合塾の予想によると、東大文科一類の合格ボーダーラインは得点率89%程度です。AIはこの水準を8ポイント上回っており、単に合格するだけでなく、上位での合格も可能なレベルにあります。

幅広いデスクワークへの適用可能性

この結果が示唆するのは、AIが「幅広いデスクワークを担える能力」を持っているということです。共通テストは高校教育の到達度を測る試験であり、基礎的な読解力、論理的思考力、計算能力、情報処理能力などを総合的に評価します。

これらの能力は、オフィスワークにおいて日常的に必要とされるものです。文書の読解、データの分析、報告書の作成、情報の整理といった業務は、AIが代替可能な領域に入りつつあると言えます。

AIの進化速度

2023年から続く検証実験の推移を見ると、AIの学力向上は急速に進んでいます。

  • 2023年:多くの科目で人間の平均点以下
  • 2024年:ほとんどの科目で人間の平均点を超える
  • 2025年:東大合格ラインを突破
  • 2026年:9科目で満点、得点率97%を達成

わずか4年で、AIは「受験生の下位」から「最上位」へと駆け上がりました。この進化速度は、今後も続くと予想されています。

注意点・今後の展望

AIと人間の能力の違い

AIが共通テストで高得点を取ったからといって、人間の知性と同等になったわけではありません。AIは大量のデータからパターンを学習し、統計的に最も適切な回答を導き出す仕組みです。

共通テストのような標準化されたテストでは高いパフォーマンスを発揮しますが、以下のような領域では依然として人間が優位とされています。

  • 創造性や独創的なアイデアの創出
  • 複雑な人間関係の理解と対応
  • 倫理的判断や価値観に基づく意思決定
  • 予測不能な状況への臨機応変な対応

労働市場への影響

ガートナージャパンが発表した2026年の戦略的テクノロジートレンドによると、「マルチエージェント・システム」の普及により、複数のAIが協調して人間に代わって仕事をするようになると展望されています。

これにより、中間管理職や事務部門が担っていた「実行・連携・調整」といった業務が「空洞化」する可能性があります。AIを業務フローに組み込める組織とそうでない組織との間で、労働生産性に決定的な差が生まれることが予想されています。

ロイター通信とIpsosの共同調査(2025年8月)では、「AIによって多くの人が職を失うだろうか」との問いに対して、71%が「心配している」と回答しています。

教育への示唆

AIがこれほどの学力を持つようになった現在、教育の在り方にも変化が求められています。単なる知識の暗記や計算能力ではAIに太刀打ちできない以上、人間ならではの能力を育てる教育がより重要になります。

批判的思考力、創造性、コミュニケーション能力、そして「AIをツールとして使いこなす力」が、これからの教育で重視されるべき領域と言えるでしょう。

まとめ

2026年の大学入学共通テストにおいて、OpenAIの最新AIモデルが9科目で満点、全体で97%の得点率を達成しました。これはGoogleやAnthropicの91%を上回り、AIの能力向上を改めて示す結果となりました。

この成績は、東大文科一類の合格ラインを8ポイント上回るものであり、AIが難関大入学レベルの知的能力を持っていることを実証しています。幅広いデスクワークを担える能力の証左とも言えます。

一方で、AIと人間の能力には本質的な違いがあり、創造性や倫理的判断といった領域では人間が優位を保っています。今後は、AIをどのように活用し、共存していくかが社会全体の課題となります。

参考資料:

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