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by nicoxz

ベトナムに中国人観光客が急増、東南アジア一番人気の理由

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はじめに

ベトナムが中国人観光客にとって東南アジアで最も人気の渡航先に浮上しています。2025年にはベトナムへの中国人観光客が530万人を超え、前年比41.3%の急増を記録しました。

かつてはタイが「東南アジアの観光大国」として君臨していましたが、その構図が変わりつつあります。背景には、中国版Instagram「小紅書(Xiaohongshu、レッド・ノート)」を通じた情報収集の普及や、団体旅行から個人旅行への大きなシフトがあります。

この記事では、ベトナムが中国人観光客を引きつける理由と、東南アジアの観光地図がどう変わりつつあるのかを解説します。

数字で見るベトナム観光の急成長

過去最高を更新した観光客数

ベトナムは2025年に国際観光客数2,150万人を達成し、過去最高を更新しました。そのうち中国人観光客は約530万人で、全体の約25%を占める最大の送客国です。

ベトナム政府は2026年に国際観光客2,500万人、国内観光客1億5,000万人、観光収入1.12兆ベトナムドン(約380億米ドル)を目標に掲げています。2025年の観光収入は既に1兆ベトナムドン(約380億米ドル)を突破しました。

タイを逆転した中国人渡航者数

注目すべきは、中国人観光客数でベトナムがタイを初めて上回った点です。Nation Thailand紙によれば、ベトナムは東南アジアにおける中国人渡航先で初めてタイを超える実績を残しました。

中国のトラベルデスクの予測では、2026年の中国人観光客に人気の渡航先トップ3は韓国、ベトナム、タイとなっています。ベトナムの人気は一過性のものではなく、構造的な変化を反映しています。

個人旅行と小紅書が変える旅のスタイル

団体旅行から個人旅行へ

中国人観光客の旅行スタイルは、パッケージツアー中心から個人手配の旅行へと大きく転換しています。Alipayのデータによれば、2025年には中国人旅行者の69%が年に1〜2回の海外旅行を計画し、76%が出発1カ月以内に旅行を計画する「直前予約」の傾向が確認されています。

こうした個人旅行者にとって、情報収集の主な手段がSNSです。特に小紅書(Xiaohongshu)の影響力は絶大です。

小紅書が旅の入口に

小紅書は中国人旅行者の52%が渡航先情報の最も重要な情報源として利用しています。2024年5月時点で、海外旅行に関する検索数は前年比107%増の4億9,900万件に達しました。

ベトナムの宿泊施設や飲食店の多くは、小紅書経由で集客に成功しています。宿泊施設のMyBanLaoは、宿泊客の大半が小紅書で施設を発見したと報告しています。写真映えする客室ツアー、朝食の紹介、観光地へのアクセスガイドなど、視覚的なコンテンツが旅行者の意思決定に大きな影響を与えています。

ホーチミン市のベンタイン市場などの観光名所では、ツアーではなく小紅書で独自に情報収集して訪れる中国人個人旅行者の姿が目立つようになっています。

ベトナムが選ばれる理由

地理的・文化的な近さ

ベトナムは中国と陸続きで、広西チワン族自治区からクアンニン省モンカイへの陸路越境も可能です。2025年にはモンカイ・東興間のスマート国境ゲートの建設が始まり、観光客と貨物の分離が進んでいます。直行便の充実も追い風です。

コストパフォーマンスの良さ

中国人観光客のベトナムでの平均支出は1人あたり379〜569米ドルとされ、日本や韓国と比べてコストパフォーマンスに優れています。一方でベトナムの外国人観光客1日あたりの平均支出は670米ドルを超えており、観光産業にとって重要な収入源となっています。

ビザ政策と両国の協力体制

ベトナムは中国人旅行者向けに電子ビザ(e-visa)を整備しています。シングルエントリー25米ドル、マルチプルエントリー50米ドルで、最大90日間の滞在が可能です。オンラインで申請が完結し、通常3営業日で発行されます。

さらに、両国は2025年を「中越人文交流年」と位置づけ、省レベルの姉妹都市提携や文化観光協力を推進しています。広西省とクアンニン省、雲南省とラオカイ省などの国境地域では、毎年恒例の会合が開催されています。

注意点・展望

安全面への懸念

2025年1月には、中国人俳優の王星氏がタイでオーディションを装った罠に誘われ、ミャンマーの詐欺拠点に誘拐される事件が発生しました。この事件は中国国内で大きな注目を集め、東南アジアでの安全意識が高まっています。ベトナムは治安面での優位性をアピールする機会となっています。

観光インフラの課題

急増する観光客に対して、宿泊施設やサービスの質の維持が課題です。特にピーク期の混雑や価格高騰への対応が求められています。ベトナム政府は2026年に向けてインフラ整備と受け入れ体制の強化を進めています。

日中関係の影響

2025年後半には日中間の緊張を受けて、中国人旅行者の一部が日本から韓国や東南アジアへシフトする動きも報じられています。この地政学的要因がベトナム人気をさらに押し上げる可能性があります。

まとめ

ベトナムは地理的な近さ、コストパフォーマンス、ビザの利便性、そしてSNSを通じた情報発信の充実により、中国人観光客にとって東南アジアで最も魅力的な渡航先となりました。

団体旅行から個人旅行への転換は、旅行者自身が情報を集めて体験を選ぶ時代の到来を意味します。ベトナムの観光産業がこのトレンドにどう対応していくかが、今後の持続的な成長のカギを握っています。

参考資料:

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