広島カープ羽月容疑者を逮捕、ゾンビたばこ使用容疑
はじめに
2026年1月27日、プロ野球・広島東洋カープの羽月隆太郎容疑者(25)が、「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物「エトミデート」を使用した疑いで広島県警に逮捕されました。
羽月容疑者は昨季、代走の切り札として74試合に出場し、自己最高の成績を残した俊足の内野手です。2月1日からのキャンプインを目前に控えた日本球界に衝撃が走っています。
本記事では、逮捕の詳細、「ゾンビたばこ」とは何か、そしてプロ野球界への影響について解説します。
逮捕の詳細
逮捕容疑
広島県警は1月27日午後5時32分、広島中央警察署で羽月容疑者を逮捕しました。逮捕容疑は、2025年12月16日頃、日本国内において指定薬物のエトミデート若干量を自己の体に摂取して使用した疑い(医薬品医療機器法違反)です。
羽月容疑者は「指定薬物のエトミデートを使った覚えはありません」と容疑を否認しています。
発覚の経緯
県警によると、2025年12月16日に関係者から110番通報があり、警察官が現場に向かったところ、通報者と羽月容疑者がいました。場所は広島県内とされています。
警察は羽月容疑者を任意同行し、尿検査を実施したところ陽性反応が出ました。その後の鑑定でエトミデートの成分が確認され、今回の逮捕に至りました。
球団の対応
広島カープ球団は、28日に幹部が協議を行う予定と発表しています。具体的な処分内容については、現時点で明らかになっていません。
カープOB会名誉会長の安仁屋宗八氏は、逮捕当日の昼間に大野練習場で羽月容疑者と会話していたと明かし、「きょうもいつもと変わらず明るい笑顔だった。なにかの間違いであってほしい」と重い口調で話しました。
「ゾンビたばこ」とは
エトミデートの正体
エトミデートは合成化学物質で、海外では鎮静剤や麻酔導入薬として使用される医薬品成分です。しかし、日本では未承認であり、厚生労働省は2025年5月26日から「指定薬物」に指定しました。これにより、製造、輸入、販売、所持、使用などが原則禁止されています。
なぜ「ゾンビたばこ」と呼ばれるのか
エトミデートは電子たばこで吸引できるようリキッド状になっています。使用すると脳の中枢神経に作用し、以下のような症状が現れます。
- 手足のけいれん
- ふらつきながら歩く
- 意識がぼんやりする(精神錯乱)
- 意識を失う
- 体をコントロールできなくなる
この「ゾンビのような」動きをすることから「ゾンビたばこ」と呼ばれるようになりました。
強い依存性の危険
専門家は「即効性があり、依存性が高く危険」と警鐘を鳴らしています。使用すると強い幸福感や幻覚作用が得られ、一度使うと依存に陥って抜け出せなくなる可能性があります。
友人や先輩から軽い気持ちで勧められることが多く、若年層への広がりが社会問題となっています。
若者への広がり
沖縄から全国へ
日本では2025年2月以降、沖縄でエトミデート使用とみられる救急搬送事例が相次ぎました。沖縄県では指定薬物となった5月以降、9月末までに所持容疑で10人が逮捕・書類送検されています。そのほとんどが10代〜20代の若者で、高校生も含まれていました。
沖縄では交通事故を起こしたケースも報告されており、社会問題となっています。
SNSを通じた流通
ゾンビたばこはSNSを中心に販売されており、10代〜20代の若年層に広がっています。国際的な調査によると、2024年12月にはタイ・バンコクの製造拠点が摘発され、複数の中国人容疑者の関与が判明しました。
東南アジアで製造された製品が香港や台湾を経由し、SNSや暗号化メッセージアプリを通じて日本へ流入する経路が確認されています。
広島県内初の摘発
羽月容疑者の逮捕は、広島県内でのエトミデート関連の摘発としては初めてのケースです。これまで沖縄を中心に広がっていた問題が、全国に拡大していることを示唆しています。
羽月容疑者の経歴
プロ入りから飛躍
羽月隆太郎容疑者は、鹿児島・神村学園高からドラフト7位で2019年に広島東洋カープに入団しました。俊足を武器とした内野手で、プロ7年目となる2025年シーズンは代走の切り札として活躍しました。
自己最多の74試合に出場し、打率.295、17盗塁といずれも自己最高の成績を残しました。昨オフの契約更改では800万円増の年俸3100万円(推定)で更改しています。
キャンプ直前の逮捕
26日には春季キャンプの1・2軍振り分けが発表され、羽月容疑者は2軍スタートとなることが決まっていました。2月1日からの一斉キャンプインを目前に控えての逮捕となり、球団やファンに大きな衝撃を与えています。
プロ野球界への影響
現役選手の薬物事件は異例
現役プロ野球選手が薬物事件で逮捕されるのは極めて異例です。過去には清原和博氏が引退後の2016年に覚せい剤所持容疑で逮捕された事件がありましたが、現役中の逮捕は球界に大きな波紋を広げています。
球団の処分は
過去のドーピング違反などでは、1年間の出場停止や契約解除といった厳しい処分が科されたケースがあります。羽月容疑者に対する球団の処分については、28日以降の協議を経て発表される見込みです。
ファンの反応
SNS上では「嘘であってくれ」「何かの間違いであってくれ」といった衝撃と困惑の声が広がっています。一方で「羽月以外の選手で使っている人がいないのか心配」という声も上がっており、球界全体への影響を懸念する意見もみられます。
まとめ
広島カープ・羽月隆太郎容疑者の逮捕は、「ゾンビたばこ」と呼ばれる危険ドラッグが若者を中心に広がっている実態を浮き彫りにしました。
注意すべきポイントは以下の通りです。
- エトミデートは2025年5月から指定薬物に指定され、使用・所持は違法
- 「ゾンビたばこ」は強い依存性があり、健康被害や事故のリスクが高い
- SNSを通じた販売が広がっており、若年層への乱用が社会問題化
沖縄県も「危険ドラッグは死亡例を含む健康被害や異常行動を引き起こす危険な薬物」として、「買わない、使わない、関わらない」よう呼びかけています。
参考資料:
関連記事
最新ニュース
ビットコイン7万ドル台急落、テック株売りが暗号資産に波及
ビットコインが約1年3カ月ぶりの安値となる7万2000ドル台に急落しました。米ハイテク株の売りが暗号資産市場に波及した背景と、MicroStrategyの含み損問題について解説します。
日銀の量的引き締め出遅れと円安の関係を解説
日銀のマネタリーベース縮小が米欧に比べ緩やかな理由と、それが円安に与える影響について解説します。FRB新議長候補ウォーシュ氏の金融政策姿勢にも注目が集まっています。
書店600店の在庫を一元化|返品率30ポイント削減の新システム
紀伊国屋書店、TSUTAYA、日販が出資するブックセラーズ&カンパニーが、56社603店の在庫を横断管理するデータベースを始動。返品率6割減を実現した事例と、出版業界の構造改革を解説します。
中国海警局の尖閣周辺活動が過去最多に、日中の緊張続く
2025年、中国海警局の船舶が尖閣諸島周辺の接続水域に357日出没し過去最多を更新。日本の対応策と偶発的衝突防止の課題を解説します。
中国の土地売却収入がピーク比半減、地方財政に深刻な打撃
中国の地方政府の土地売却収入が2025年も前年比14.7%減少し4年連続の減少を記録。ピークの2021年から52%減となり、不動産不況が地方財政を圧迫し続けています。