決算上振れ期待ランキング、ホンダ首位の理由を解説
はじめに
日経平均株価が最高値圏で推移する中、2026年3月期(2025年度)業績の上振れ期待に注目が集まっています。市場予想の平均が会社予想を上回った額(上振れ幅)が最も大きかったのはホンダでした。
アジアを中心に二輪事業が好調なホンダに加え、金利上昇で利ざやが改善するメガバンクも上位にランクイン。期初の会社予想から上方修正が相次ぎ、市場では一段の上方修正期待が高まっています。
この記事では、純利益上振れ期待ランキングの上位企業の好調要因と、日本企業の業績動向を解説します。
ホンダが首位の理由
二輪事業が過去最高を連続更新
ホンダが純利益の上振れ期待で首位となった最大の要因は、二輪事業の好調です。2026年3月期の第3四半期累計(2025年4〜12月)で、二輪事業は販売台数、営業利益、営業利益率のすべてで過去最高を達成しました。
特にアジア市場での成長が顕著です。世界最大の二輪市場であるインドでは堅調な販売を維持し、ヴィッタルプール工場に生産ラインを増設して2027年から年間65万台の生産能力を追加する計画です。ブラジルやフィリピンなど新興国でも販売が伸びており、二輪事業の営業利益は1,890億円と過去最高を記録しています。
四輪は苦戦するも二輪が支える
一方で、ホンダの四輪事業は厳しい状況にあります。トランプ政権の関税政策や中国市場の低迷、EV関連投資の負担が重なり、四輪事業は赤字見通しとなっています。11月には通期の純利益見通しを1,200億円引き下げ、3,000億円に下方修正しました。
しかし市場のアナリストは、四輪の下方修正を織り込んだ上で、二輪事業のさらなる上振れを期待しています。ホンダは「二輪がなければ赤字」とも評されるほど二輪事業への依存度が高まっていますが、その二輪事業の収益力が市場の上振れ期待を支えている構図です。
メガバンクが上位に入る背景
金利上昇で利ざやが大幅改善
3メガバンク(三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ)が純利益上振れ期待の上位に並ぶ背景には、日本の金利上昇があります。
日銀の金融政策正常化に伴い、国内金利が上昇したことで銀行の貸出利ざやが改善しました。2026年3月期第2四半期(4〜9月)の5大銀行グループの純利益は合計3兆円と過去最高を記録。通期でも3メガバンク合計で4兆2,400億円の純利益(前期比8.0%増)と、過去最高益の更新が見込まれています。
3行すべてが純利益1兆円超へ
注目すべきは、みずほフィナンシャルグループが純利益予想を9,400億円から1兆200億円に上方修正し、さらに1兆1,300億円へと再上方修正したことです。これにより、3メガバンクすべてが親会社株主純利益で1兆円を超える見通しとなりました。
金利上昇による資金収益の増加に加え、政策保有株の売却益も利益を押し上げています。高市政権の積極財政路線が金利上昇を加速させる可能性もあり、銀行セクターの業績はさらに上振れる余地があるとの見方もあります。
日経平均最高値圏の企業業績
期初からの上方修正の連鎖
日経平均株価が最高値圏で推移する原動力の一つが、企業業績の上方修正です。QUICK(日経グループの金融情報サービス)のデータによると、2026年3月期の純利益について市場予想が会社予想を上回る企業が多数存在し、一段の上方修正期待が株価を支えています。
期初に保守的な予想を出した企業が四半期決算ごとに上方修正を行う「上方修正の連鎖」が続いており、このパターンは投資家の企業業績への信頼感を高めています。
業種別の動向
純利益上振れ期待の上位には、ホンダやメガバンクのほか、円安の恩恵を受ける輸出企業や、AI関連の需要増を取り込むテクノロジー企業なども名を連ねています。一方、原材料高や人手不足の影響を受ける内需型企業では、業績の上振れ余地が限定的な銘柄もあります。
注意点・展望
上振れ期待ランキングはあくまで市場予想と会社予想の乖離を示すものであり、実際の業績が期待通りになるとは限りません。特にホンダの四輪事業が抱えるトランプ関税リスクは予断を許さず、関税が追加的に引き上げられた場合、全社業績に大きな影響を与える可能性があります。
メガバンクについても、金利上昇は貸出利ざや改善のプラス面がある一方、保有国債の含み損拡大や不動産市場への悪影響など、リスク要因も存在します。市場予想が楽観に傾きすぎていないか、冷静な判断が求められます。
通期決算の発表が集中する2026年5月が、これらの上振れ期待が実現するかどうかの最終的な判定時期となります。
まとめ
2026年3月期の純利益上振れ期待ランキングでは、アジアの二輪事業が過去最高を更新するホンダが首位に立ちました。金利上昇で利ざやが改善するメガバンク3行もそろって1兆円超の純利益を見込み、上位に入っています。
日経平均が最高値圏で推移する背景には、こうした企業業績の堅調さがあります。ただし、トランプ関税や為替変動などの外部リスクには引き続き注意が必要です。5月の通期決算発表シーズンが、上振れ期待の実現度を測る重要な節目となります。
参考資料:
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