刀のテーマパーク「イマーシブ・フォート東京」 2年で閉業へ
はじめに
マーケティング会社「刀(かたな)」が運営する東京・台場の体験型テーマパーク「イマーシブ・フォート東京」が、2026年2月をもって閉業することが発表されました。
同施設は2024年3月に開業したばかりで、わずか2年での終了となります。
刀の代表である森岡毅氏は、「限られた期間の中で多くの挑戦を行い、一定の成果を得た」とコメントしています。
イマーシブ・フォート東京とは
「イマーシブ・フォート東京」は、従来のテーマパークとは異なり、“物語の中に入り込む”体験をコンセプトとした日本初のイマーシブ(没入型)テーマパークです。
舞台はヴィーナスフォート跡地を改装した屋内施設で、来場者は役者と共に事件や冒険のストーリーに参加しながら、エンタメとリアル体験を融合させたコンテンツを楽しむことができました。
オープン当初はSNSを中心に話題を集め、開業初月はチケット完売が続くなど好調なスタートを切りました。
しかしその後は来場者数の伸び悩みが指摘されており、特に観光需要の集中する休日以外では稼働率の維持が課題となっていました。
閉業の理由と背景
刀によると、閉業の主な理由は「施設運営コストの増加」と「建物の賃貸契約期間の終了」です。
同社はもともとヴィーナスフォート跡地を活用した期間限定事業として本プロジェクトを開始しており、長期的な常設化は想定していなかったと説明しています。
また、エンタメ市場全体では、アフターコロナ以降に体験型施設が急増。競争が激化する中で、集客の維持が難しかったとの見方もあります。
特に都内では「チームラボボーダレス」や「スモールワールズTOKYO」など、類似する没入型体験施設が多数存在し、消費者の選択肢が広がっていました。
森岡毅氏と「刀」の戦略
森岡毅氏は、USJのV字回復を成功に導いたマーケティングの名手として知られています。
刀はこれまで、「丸亀製麺」「ネスタリゾート神戸」などのブランド再生にも携わり、日本企業のマーケティング支援を数多く手掛けてきました。
イマーシブ・フォート東京は、刀が自社で企画・運営まで手掛けた初の自社直営テーマパーク事業でした。
森岡氏は今回の発表で「イマーシブ体験の可能性を確信した。今後は別の形で事業展開を検討していく」と述べており、ブランド体験型の新プロジェクトに着手する可能性を示唆しています。
今後の展望
閉業後の建物の活用方法については、現時点で発表されていません。
台場エリアでは、今後も観光施設やイベントスペースの再開発が予定されており、跡地の再利用計画に注目が集まります。
一方、刀はイマーシブ技術を応用した地域創生型コンテンツや、企業ブランディング支援事業への展開を模索しており、今回の閉業を「次の挑戦へのステップ」と位置づけています。
まとめ
「イマーシブ・フォート東京」は、国内初の没入型エンターテインメント施設として注目を集めましたが、開業から2年で幕を閉じることになりました。
短期間ながらも、日本の体験型エンタメ市場に新しい潮流を生み出したことは確かです。
森岡毅氏率いる刀が次にどのような形で“体験のマーケティング”を進化させるのか、今後の動向が注目されます。
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