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by nicoxz

ディズニー新CEOにダマロ氏、アイガー時代に幕

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はじめに

2026年2月3日、ウォルト・ディズニーはテーマパーク部門トップのジョシュ・ダマロ氏(54歳)が次期最高経営責任者(CEO)に就任すると発表しました。3月18日の年次株主総会で正式に就任し、ボブ・アイガー氏の後を継ぎます。

アイガー氏は通算で約18年にわたりディズニーの経営を率い、ピクサー、マーベル、ルーカスフィルムなど大型買収を成功させた伝説的なCEOです。後継者選びは3年以上かけて慎重に進められてきました。

この記事では、ダマロ氏の人物像と実績、アイガー氏のレガシー、そしてディズニーの今後の展望について解説します。

新CEO ジョシュ・ダマロ氏とは

ディズニー一筋28年のキャリア

ジョシュ・ダマロ氏は1998年にディズニーに入社し、テーマパークや物販事業で28年にわたりキャリアを積んできました。2020年からはエクスペリエンス(体験)部門の会長として、テーマパーク、クルーズ船、リゾートホテルなどを統括してきました。

エクスペリエンス部門は2025年度に360億ドル(約5.4兆円)の売上を記録したディズニー最大の事業セグメントです。世界中に18万5,000人の従業員を抱え、12のテーマパークを運営しています。

大規模な拡張を主導

ダマロ氏の指揮下で、ディズニーのテーマパーク事業は史上最大規模の拡張を進めてきました。中東への進出として、アブダビに新しいテーマパークを建設中です。また、クルーズ事業も大幅に拡大しています。

さらに、Epic Gamesへの出資を主導し、人気ゲーム「フォートナイト」にディズニーキャラクターを登場させるなど、デジタルエンターテインメント分野にも積極的に進出しています。

年俸3,800万ドルのパッケージ

ダマロ氏のCEO就任に伴う報酬パッケージは、総額3,800万ドル(約57億円)と報じられています。基本給に加え、株式報酬やボーナスなどが含まれます。

ボブ・アイガー氏のレガシー

通算18年のCEO在任

ボブ・アイガー氏は2005年から2020年まで15年間ディズニーCEOを務めた後、一度引退しました。しかし、後任のボブ・チャペック氏が解任されたことを受け、2022年11月にCEOに復帰しました。

復帰後は後継者選びと組織再編に注力し、2026年の契約満了を前にダマロ氏への引き継ぎを決断しました。アイガー氏は3月18日以降、上級顧問として取締役会に残り、2026年12月31日に完全引退する予定です。

歴史的な大型買収の数々

アイガー氏のCEO時代を特徴づけるのは、コンテンツ拡充のための大型買収です。

ピクサー買収(2006年、74億ドル) スティーブ・ジョブズ率いるピクサーを買収し、アニメーション制作能力を強化しました。買収前のピクサー作品の全世界興行収入は33億ドルでしたが、買収後は113億ドル以上を稼ぎ出しています。

マーベル買収(2009年、40億ドル) マーベル・エンターテインメントの買収は当初懐疑的な見方もありましたが、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は全世界で280億ドル以上の興行収入を記録し、映画史上最も収益性の高いフランチャイズの一つとなりました。

ルーカスフィルム買収(2012年、40.6億ドル) 「スター・ウォーズ」シリーズの権利を獲得し、新三部作やスピンオフ作品を制作しました。

21世紀フォックス買収(2019年、713億ドル) 20世紀フォックスの映画・テレビ部門を買収し、「アバター」や「エイリアン」などのフランチャイズを獲得しました。

時価総額を4倍以上に

アイガー氏の最初の15年間のCEO在任中、ディズニーの時価総額は560億ドルから2,310億ドルへと4倍以上に成長しました。東アジアへの進出も積極的に進め、2005年に香港ディズニーランド、2016年に上海ディズニーリゾートを開業しました。

また、ストリーミングサービス「Disney+」の立ち上げを主導し、動画配信市場への参入を果たしました。

後継者選びの経緯

チャペック氏解任の教訓

2020年にアイガー氏の後を継いだボブ・チャペック氏は、在任わずか3年で解任されました。従業員との対立やストリーミング事業の損失拡大、株価下落などが理由でした。

この経験から、ディズニー取締役会は後継者選びを慎重に進めることを決定し、元モルガン・スタンレーCEOのジェームズ・ゴーマン氏が選考プロセスを主導しました。

内部候補の絞り込み

最終候補として残ったのは、ダマロ氏とエンターテインメント部門共同会長のダナ・ウォルデン氏の2人でした。予測市場ではダマロ氏が優勢との見方が強く、最終的に取締役会も全会一致でダマロ氏を選出しました。

ウォルデン氏は、ダマロ氏の下で社長兼チーフ・クリエイティブ・オフィサー(最高クリエイティブ責任者)に就任します。

アイガー氏のコメント

発表に際し、アイガー氏は「ジョシュ・ダマロ氏は卓越したリーダーであり、次期CEOにふさわしい人物です。ディズニーブランドへの本能的な理解と、観客に何が響くかについての深い洞察を持っています」と述べています。

注意点と今後の見通し

テーマパーク依存のリスク

ダマロ氏はテーマパーク事業のスペシャリストですが、ディズニーはストリーミング、映画、テレビ、スポーツ(ESPN)など多角的な事業を展開しています。エクスペリエンス部門以外の事業をどのように舵取りするかが注目されます。

Disney+は加入者数の伸び悩みや収益性の課題を抱えており、ストリーミング戦略の見直しが求められています。

映画事業の立て直し

ディズニーの映画部門は近年、興行的に苦戦する作品が増えています。マーベル作品の「スーパーヒーロー疲れ」やピクサー作品の劇場公開本数減少など、課題が山積しています。

ウォルデン氏がクリエイティブ責任者として映画・テレビ部門を統括することで、コンテンツ戦略の刷新が期待されます。

アクティビストへの対応

ディズニーは近年、物言う株主(アクティビスト)からの圧力も受けてきました。経営効率化やコスト削減、事業ポートフォリオの見直しなど、株主からの要求に応えつつ、長期的な成長戦略を描く必要があります。

まとめ

ジョシュ・ダマロ氏のディズニーCEO就任は、アイガー時代の終幕と新時代の幕開けを意味します。テーマパーク事業を史上最大規模に成長させた実績を持つダマロ氏が、ディズニー全体の舵取りをどう行うかが注目されます。

アイガー氏が築いた知的財産の豊富なポートフォリオをどう活用するか、ストリーミング時代の競争をどう勝ち抜くか、ダマロ氏の手腕が試されます。エンターテインメント業界の巨人ディズニーの次の章が、3月から始まります。

参考資料:

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