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by nicoxz

イスラエルがテヘラン大規模攻撃、後継者選出を妨害か

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はじめに

2026年3月3日、イスラエル軍はイランの首都テヘランおよび中部の聖地コムに対し「大規模な攻撃」を実施しました。とりわけ注目されるのは、最高指導者ハメネイ師の後継者を選出する「専門家会議」の施設が攻撃を受けたことです。報道によれば、攻撃時にまさに後継者選出の会議が行われていたとされ、イスラエルがイランの指導体制の再建そのものを妨害する意図があったとみられています。

2月28日の米国・イスラエルによるイラン攻撃開始からわずか数日で、中東情勢は歴史的な転換点を迎えています。この記事では、今回の攻撃の経緯と狙い、専門家会議への攻撃の意味、そして今後の中東情勢への影響について解説します。

攻撃の経緯と背景

2月28日の大規模軍事作戦から続く攻撃

今回のテヘランおよびコムへの攻撃は、2月28日に始まった米国・イスラエルによるイラン攻撃の延長線上にあります。イスラエルは作戦名「ロアリング・ライオン」、米国は「エピック・フューリー」として共同軍事作戦を展開しました。

2月28日の初期攻撃では、首都テヘランのほか、中部イスファハンや北西部タブリーズなど広範囲にわたる空爆が実施されました。イスラエル軍は数十の軍事目標を攻撃したと発表しています。この攻撃によりハメネイ師が死亡したことが、3月1日にイラン国営メディアにより確認されました。

トランプ米大統領は攻撃開始直後の2月28日未明(米国東部時間)に動画を公開し、イランが「差し迫った脅威」をもたらしているとして軍事行動の正当性を主張しました。さらに、作戦が4〜5週間続く見通しを示し、イラン政府の転覆を呼びかけています。

3月3日のコム・テヘランへの攻撃

3月3日には、イスラエル軍がイランのシーア派の聖地コムにある専門家会議の施設を攻撃しました。イスラエルの公共放送KANによると、イスラエル軍高官は「専門家会議が新たな最高指導者を選出する会議を開いている最中に攻撃した」と認めています。

同日にはテヘランにも大規模な空爆が行われ、イスラエル軍は「精密かつ大規模な作戦」と説明しました。報道によれば、約30発の爆弾が投下されたとされています。

専門家会議とは何か

イラン政治体制における役割

イランの「専門家会議」(正式名称:ハブレガーン)は、イスラム法学者88名で構成される機関です。任期は8年で、最も重要な権限は最高指導者の選出と罷免です。1979年のイスラム革命以降、イラン政治体制の根幹を成す機関として機能してきました。

初代最高指導者ホメイニ師が1989年に死去した際も、専門家会議がハメネイ師を後継者として選出しました。今回、ハメネイ師の死去を受けて再び後継者選出が必要となり、コムで会議が招集されていたのです。

後継者候補と選出の難航

ハメネイ師の後継者選出は、攻撃以前から難航が予想されていました。2025年に米紙ニューヨーク・タイムズが報じたところによると、ハメネイ師は生前に3名の後継者候補を指名していたとされますが、そのうち1名はその後死亡しており、残る候補は司法府代表やイスラム革命の創始者ホメイニ師の孫とされています。

ハメネイ師の次男モジタバ・ハメネイ氏も候補として取り沙汰されていますが、ハメネイ師が指名した3名には含まれていなかったとされています。

暫定指導体制と後継者選出の行方

臨時指導評議会の発足

ハメネイ師の死去を受け、ペゼシュキアン大統領は3月1日に「臨時指導評議会」の発足を発表しました。この評議会は憲法の規定に基づき、大統領、司法府長官のゴラムホセイン・モフセニエジェイ師、そして護憲評議会から選出されたイスラム法学者のアリレザ・アラフィ師の3名で構成されています。

イランのアラグチ外相は後継者選出プロセスを「開始した」と述べていますが、専門家会議の施設が攻撃を受けたことで、選出は大幅に困難になっています。

攻撃の影響をめぐる情報の錯綜

コムの専門家会議施設への攻撃をめぐっては、情報が錯綜しています。イラン当局は攻撃された建物について「使用されていない古い付属施設」と説明し、事前に避難が完了していたため死傷者はいないとしています。

一方で、イランの一部メディアは攻撃前に会議が開催されており、多くの評議会メンバーが死傷したと報じています。いずれにせよ、この攻撃がイスラエルによるイラン体制転換の意図を示すものであることは明らかです。

注意点・展望

中東情勢の不確実性

今回の一連の攻撃は、中東情勢に複数の不確実性をもたらしています。イランの報復として革命防衛隊がUAE、バーレーン、カタールにある米軍基地を攻撃するなど、紛争は周辺国にも拡大しています。NPRの報道によれば、米軍にも死者が出ており、事態は一層深刻化しています。

イランの後継者選出が遅延すれば、権力の空白が長期化し、内部対立や不安定化のリスクが高まります。集団指導体制が当面続く可能性も指摘されており、イランの政治体制そのものが転換期を迎えています。

国際社会の反応

国連は自制を求める声明を出しており、国際社会からは民間人への被害を懸念する声が上がっています。イランの赤新月社は3月3日時点で600人以上の民間人が死亡したと発表し、人権団体は742人の民間人死者を推計しています。紛争の長期化に伴い、人道危機の深刻化が懸念されます。

まとめ

イスラエルによるテヘランおよびコムへの大規模攻撃は、単なる軍事施設への攻撃にとどまらず、イランの政治体制の根幹である最高指導者の後継者選出プロセスを直接標的にしたものです。2月28日以降の米国・イスラエルの軍事行動は、ハメネイ師の殺害から体制の再建妨害へとエスカレートしています。

今後の焦点は、イランが暫定指導体制のもとで後継者選出を実現できるか、そして紛争の拡大を国際社会が食い止められるかにあります。トランプ大統領が4〜5週間の作戦継続を示唆するなか、中東は予断を許さない状況が続いています。

参考資料:

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