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by nicoxz

マツダCX-5がディーゼル廃止、MHEVで電動化に挑む

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はじめに

マツダの世界戦略車「CX-5」が9年ぶりの全面改良を受け、2026年春に日本市場へ投入されます。最大の注目点は、人気のディーゼルエンジンの廃止です。環境規制の強化に対応するため、ガソリンエンジンにマイルドハイブリッド(MHEV)を組み合わせたモデルに一本化されます。

さらに2027年には、究極の高効率エンジン「SKYACTIV-Z」と独自のハイブリッドシステムを搭載したモデルが追加される計画です。電動化で出遅れたと指摘されるマツダの巻き返し戦略を解説します。

新型CX-5の全容

ディーゼル廃止の背景

マツダは2025年7月10日、新型CX-5を欧州で世界初公開しました。従来モデルでは選択できた2.0Lガソリン、ターボエンジン、ディーゼルエンジンの各オプションが廃止され、2.5L直噴ガソリンエンジン「eスカイアクティブG 2.5」に一本化されています。

ディーゼル廃止の直接的な理由は排出ガス規制です。欧州の「ユーロ7」や米国の「LEV4」など、将来の排ガス規制はさらに厳しくなる見通しです。ディーゼルエンジンでこれらの規制に対応するためのコストが、販売価格に見合わなくなったと判断されました。

CX-5はマツダの販売台数の約3割を占める屋台骨であり、このモデルの動力源変更は同社の戦略転換を象徴しています。

MHEVの仕様と性能

欧州および日本仕様には、マツダのマイルドハイブリッドシステム「M Hybrid」が搭載されます。欧州仕様車のスペックは最高出力141馬力、最大トルク238Nmです。MHEVはエンジンの始動・停止時のアシストや減速エネルギーの回収を行い、燃費向上とスムーズな走行に貢献します。

欧州では2025年末から納車が始まっており、日本を含むその他の市場では2026年中の投入が予定されています。内装も大幅に刷新され、タッチパネルの全面採用や後席・ラゲッジスペースの拡大など、質感と実用性の両面で進化しています。

2027年登場のSKYACTIV-Z

究極の高効率エンジンとは

2027年には、マツダが開発中の新型4気筒エンジン「SKYACTIV-Z」がCX-5に搭載される予定です。SKYACTIV-Zの最大の特徴は、「ラムダワン燃焼」技術を用いた超希薄燃焼(スーパーリーンバーン)です。低回転から高回転まで、広い回転域で燃料の極めて薄い混合気を安定して燃焼させることで、熱効率を大幅に改善します。

開発の狙いは3つあります。第一に将来の厳しい排ガス規制への適合、第二に究極の燃焼による高い燃費性能と走行性能の両立、第三に量販価格帯を実現するコスト削減です。

独自ハイブリッドシステムとの組み合わせ

SKYACTIV-Zは、マツダ独自のハイブリッドシステムと組み合わされます。これは2026年春のMHEVよりも本格的な「ストロングハイブリッド」に近いシステムで、モーターがエンジンを補助するだけでなく、一定条件下ではモーターのみでの走行も可能になると見られています。

マツダはこの組み合わせにより、「驚くべき環境性能」を実現するとしています。トヨタのハイブリッド技術との提携も活用しつつ、エンジンの燃焼技術ではマツダ独自の強みを発揮する戦略です。

マツダの電動化戦略と課題

電動化投資を2兆円から1.5兆円に削減

マツダは電動化への投資計画を当初の2兆円から1兆5,000億円に削減しました。これは「ライトアセット戦略」と呼ばれる方針の一環で、他メーカーとの提携を活用して開発コストを抑える考えです。トヨタや中国の長安汽車との協力関係を強化し、バッテリーEVからストロングハイブリッド、プラグインハイブリッド、MHEVまで「マルチソリューション」で展開します。

2030年の世界生産におけるEV販売比率は25%と想定しており、当面はエンジン車が売り上げの主流であり続けるとの見方です。エンジンの革新とハイブリッド技術の両方に投資する「二正面作戦」を展開します。

欧州のエンジン廃止規制撤回は追い風

欧州では2035年のエンジン車販売禁止規制の撤回が議論されており、マツダにとっては追い風です。ただし、CO2排出規制そのものは厳しい状態が続くため、エンジン車の燃費向上は依然として重要な課題です。SKYACTIV-Zは、こうした規制環境の中でエンジン車を存続させるための切り札といえます。

注意点・展望

マツダのディーゼル廃止は、CX-5のディーゼルモデルを愛用してきたユーザーにとって大きな変化です。特に日本市場では、CX-5のクリーンディーゼルは高い人気を誇ってきました。MHEVモデルへの移行に際して、トルク感やランニングコストの違いをどう受け止めるかが注目されます。

競合環境も厳しさを増しています。トヨタ「RAV4」やホンダ「CR-V」は本格的なハイブリッドシステムを搭載しており、2026年春のMHEVだけでは燃費性能で見劣りする可能性があります。2027年のSKYACTIV-Z搭載モデルが出るまでの「つなぎの時期」をどう乗り切るかが課題です。

マツダの強みは「走る歓び」を重視するブランド哲学にあります。エンジンの燃焼技術を極限まで磨くSKYACTIV-Zは、その哲学の具現化です。電動化の波の中でエンジンの可能性を追求するマツダの挑戦は、自動車業界の多様性を維持する上でも重要な意味を持ちます。

まとめ

マツダの新型CX-5は、ディーゼルエンジンの廃止とMHEVの導入という大きな転換点を迎えます。2026年春の日本投入に続き、2027年にはSKYACTIV-Zと独自ハイブリッドを搭載したモデルが追加される計画です。

電動化投資を抑えつつ、エンジン技術の革新で環境規制に対応するマツダの「ライトアセット戦略」が成功するかは、CX-5の市場での評価にかかっています。屋台骨の全面改良が、マツダの未来を左右する重要な一手です。

参考資料:

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