楽天モバイル、悲願の1000万回線突破 三木谷氏「長かったような道のり」
はじめに
楽天モバイルは2025年12月25日、契約数が1000万回線を突破したと正式に発表しました。
代表取締役会長の三木谷浩史氏は「短かったような、長かったような道のりだった」とコメント。
2019年のサービス開始以来、苦戦を続けてきた同社にとって大きな節目となります。
楽天モバイルの挑戦と苦闘の6年
楽天モバイルは2019年に「第4のキャリア」として携帯通信事業に参入しました。
自社回線を全国に展開し、月額料金2,980円(税込)という低価格で市場に衝撃を与えた一方、基地局整備の遅れや通信品質のばらつき、そして巨額の投資負担により、赤字が続いていました。
2024年度までに累計営業損失は1兆円を超え、通信事業はグループ全体の重荷とも指摘されていました。
それでも楽天グループは「日本初の完全仮想化モバイルネットワーク」という技術基盤を武器に、コスト構造の改善と品質向上を進めてきました。
「1000万回線」の意味と転換点
今回の1000万回線突破は、楽天モバイルにとって黒字化への第一歩と位置づけられます。
三木谷氏はかねてから「2025年内に1000万回線を達成すれば事業が安定軌道に乗る」と公言しており、その目標をギリギリ年内に達成しました。
契約数の増加要因としては、以下の3点が挙げられます。
- **料金プラン「Rakuten最強プラン」**によるシンプルな価格戦略
- パートナー回線エリアの拡充と通信品質の改善
- 楽天経済圏との連携強化(楽天市場・楽天カードとのポイント還元)
特に2025年後半は、乗り換え(MNP)キャンペーンの効果もあり、月間純増数が大幅に伸びたと見られています。
三木谷氏のコメントと今後の展望
三木谷会長は自身のX(旧Twitter)で、「ついに悲願の1000万回線を突破しました。短かったような、長かったような道のりでした」と投稿。
また、「次は黒字化を実現し、日本の通信業界をより健全で開かれた市場にしていきたい」と述べました。
楽天グループでは、通信事業の黒字化を2026年中に達成する目標を掲げています。
通信網の自動化やAIによる運用効率化が進む中で、固定費の削減効果が期待されています。
通信業界への影響
大手3キャリア(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)に比べ、楽天モバイルのシェアは依然として1桁台ですが、存在感は確実に増しています。
総務省のデータによると、2025年時点で国内携帯契約数は約2億回線。そのうち楽天モバイルは5%を超える水準に到達しました。
この結果、価格競争の圧力が再び高まり、他社も料金プランの見直しを余儀なくされる可能性があります。
特に格安ブランド(ahamo、povo、LINEMO)との競合が今後さらに激化する見通しです。
まとめ
楽天モバイルがついに1000万回線を突破し、三木谷浩史氏が掲げた2025年目標を達成しました。
巨額投資による苦難の中でも事業を継続し、ユーザー拡大に成功したことは大きな成果です。
次の焦点は「2026年中の黒字化」。
楽天モバイルが日本の通信業界にどこまで風穴を開けられるか、今後の一手に注目が集まります。
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